山口一臣さんの「陸山会判決の判決要旨を読んで気がついたこと」

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山口一臣 @kazu1961omi

陸山会裁判の判決要旨を読んで気がついたこと(誤解があったら指摘してくだされ):問題とされたふたつの政治団体は西松建設がその社名を隠して政治献金を行うための隠れ蓑だったとする論法は、私にも違和感はない。その理由も丁寧に説明されている。したがって、大久保氏が寄付の主体が西松建設(続く

2011-09-29 13:40:54
山口一臣 @kazu1961omi

であるということを認識していたというのも、普通に納得できる。ところが、ここから先、迷走が始まる。判決は〈岩手県や秋田県では、公共工事におけるいわゆる本命業者の選定に関して、小沢事務所の意向が決定的な影響力を持っており、その了解がなければ本命業者になれないという状況であった〉(続く

2011-09-29 13:41:08
山口一臣 @kazu1961omi

と、何の根拠も示さず断定している。その上で、大久保氏が「天の声」の発出役を務めていたと認定する。これらはいかなる証拠に基づくものなのか、判決要旨からはわからない。そもそも「天の声」の存在自体、09年7月の西松建設•国沢元社長の判決で明確に否定されている。献金をして「天の声」(続く

2011-09-29 13:41:28
山口一臣 @kazu1961omi

をもらって、工事を受注するといった単純な話はもうないのだ。しかし、今回の判決がここまでハッキリ断定しているということは、国沢元社長の裁判でも出て来なかった何らかの根拠や証拠があるのだろうか。もしないとしたら、登石郁朗裁判長は頭がどうかしていると考えるのが、自然かつ合理的だ。(続く

2011-09-29 13:41:46
山口一臣 @kazu1961omi

判決によると、岩手県等の公共工事の受注を希望するゼネコンはまず小沢事務所の秘書に陳情し、了解が得られると鹿島建設の仕切り役にその旨を連絡し、小沢事務所の意向に沿った談合が行われていたという。これについても、認定した根拠は示されていない。それはさておき、ごく普通に一般社会で(続く

2011-09-29 13:42:01
山口一臣 @kazu1961omi

仕事をしている人間にとって、この判決に書かれたようなことが本当に行われていたとはにわかに信じ難いだろう。公共工事の受注は建設会社にとってはきわめて重要な問題だ。それが、いくら地元の有力政治家とはいえ、一野党議員の事務所が「天の声」を発して差配していたと考えるのは無理がある。(続く

2011-09-29 13:42:14
山口一臣 @kazu1961omi

裁判官は何を根拠にこう認定したのか、要旨だけではわからない。しかし、ここまでハッキリ書いている以上、何らかの証拠があるのだろう。もしないとしたら、登石裁判長は頭がどうかしていると考えるのが、自然かつ合理的だ。ちなみに、東北の公共工事の談合について撤退的に取材したという(続く

2011-09-29 13:42:32
山口一臣 @kazu1961omi

政治評論家の森田実氏は9月29日付の日刊ゲンダイで、「岩手県や秋田県では公共工事の談合において小沢事務所が決定的な影響力を持っていたと判断しましたが、そんなことはありません」と断じている。森田氏の取材の結果は「結論は小沢事務所に出る幕はなかったというものです」というものだ。(続く

2011-09-29 13:42:47
山口一臣 @kazu1961omi

ごく普通に考えて、公共工事の受注になぜ、発注者でもない小沢事務所の許可が必要なのか? 裁判官はどう考えたのだろう。有力政治家ならば、経済合理性を超えて何でもできると思っているのだろうか? 判決をくだした裁判体を構成する裁判官たちの頭の中を見てみたいものである。(続く

2011-09-29 13:43:12
山口一臣 @kazu1961omi

もちろん、小沢一郎氏が与党の実力者として権勢を振るっていた時代には、そうした仕組みがあったであろうことまでは否定しない。小沢事務所と公共工事の実態については、久慈力•横田一著『政治が歪める公共事業 小沢一郎ゼネコン支配の構造』(緑風出版)に詳しい。しかし、ここで指摘されて(続く

2011-09-29 13:43:36
山口一臣 @kazu1961omi

いる事実は、今回の裁判で扱われた時期よりずっと前のことだ。ちなみに、ゼネコン各社は独禁法改正前の2005年末にいわゆる「脱談合宣言」している。宣言後も談合事件が発覚したケースはあるが、これをきっかけに公共工事の受注の仕組みが大きく変わったことは間違いない。しかし、今回の(続く

2011-09-29 13:44:06
山口一臣 @kazu1961omi

判決はそうした基本的事柄も考慮されていないように見える。また、小沢事務所の公共工事発注に対する影響力の変化についても、考慮された形跡は見られない。当時の小沢氏の立場を考えるなら、森田氏が言うように「出る幕はなかった」と考えるほうが合理的かつ自然ではないか。と、ここまで書いて(続く

2011-09-29 13:44:23
山口一臣 @kazu1961omi

古い資料をひっくり返していたら、驚くべきことに気がついた。先ほど指摘した、判決要旨に書かれた岩手県等における公共工事の受注に関するくだりは、西松建設事件の裁判のときの検察側冒頭陳述の丸写しだった。一言一句、ほぼコピペされているといっとも過言ではない。こういうことは、よくある(続く

2011-09-29 13:44:48
山口一臣 @kazu1961omi

のだろうか? 判決の文章が検察側冒陳と同じということは、やはり判検が癒着していることの証拠ではないか。それはさておき、このくだりを読み返してもうひとつ指摘したいのは、百歩譲って小沢事務所が当時もまだ、公共工事に影響力を持っていたとしても、小沢事務所が陳情を受けて働きかける(続く

2011-09-29 13:47:02
山口一臣 @kazu1961omi

相手は、談合の仕切り役ではなく、発注者である首長もしくはその周辺ではないか。そうでなければ「天の声」など出せるはずがないのである。判決の要旨をざっと読んだだけでも、次から次へと矛盾が出てくる。まだまだ指摘したいことがたくさんあるが、少し長くなったのでいったん休む。(続きはまた

2011-09-29 13:47:41