主催者「イタリア・ドイツは原発を廃止することを決めた。日本はどうしますか?その選択を世界は注目している。この絆は、みんなでわたって怖くない赤信号ではない。本当に国民の民意が反映されるような国づくりの機会が与えられたと思っている」
2011-10-02 10:09:35小出氏「講演名の「放射能汚染の現実を越えて」は、私が初めて書いた本のタイトル。2000部ほどしか売れなかった。それから25年、とうとう福島で事故。日本で事故が起きて、多くの人が気づいてくれて、再刊された。3~4万部売れたという。ありがたいが、無念な気持ちもある」
2011-10-02 10:17:24小出氏「原子力は、お湯を沸かしているだけ。普通はガスコンロで沸かす。私が使うやかんは、口に笛がついていて、沸いたらピーッと鳴る。原子力発電も同じ。火力発電はボイラーで、原子力発電は原子炉で水を沸騰させ、蒸気を出す。この原理は、200年前の産業革命時の蒸気機関のもの」
2011-10-02 10:19:41小出氏「原子炉そのものの中で出てくるエネルギーは、電気出力100万kWと、海を温めるのに200万kW。冷却水、1秒に70トンの海水を引き込む。そんな大きな川は30もない。その川の温度は7度温まる。みなさん好きなお風呂の温度があるだろう。私は43度。そこから7度上げてみて」
2011-10-02 10:23:47小出氏「魚たちは風呂に温まりにくるのではない(会場笑)その海の温度が好きだからそこにくる。とんでもない環境破壊。学生時代、なんとしても原子力をやりたいと思って、原子力工学科に入った。ほとんどつまらない教授ばかりだった。唯一、ミトイワさんという方、私に言うには…」
2011-10-02 10:25:41小出氏「原子力発電は、海温め装置と呼べと言われた。主な役割はそれだと。伊方原発、伊方海温め装置と読んでいただきたい。1秒間に7度温める。今現在日本にある原発がどれだけ温排水を作っているか。日本は、政治的には好きな国ではないが、自然については恵まれた国。最大の理由は雨」
2011-10-02 10:27:31小出氏「稲作だって、何千年も同じ田んぼで稲ができる、奇跡のような国。その日本にふる雨の量は、年間6500億トン。全河川流量は4000億トン。そして53基の原発から、1000億トンの温排水が出ている。日本近海の海の温度を上げている原因のひとつだろう」
2011-10-02 10:29:48小出氏「さらに原発がバカげている理由。膨大な核分裂生成物を生み出してしまうこと。図の小さい四角形、広島原爆で燃えたウラン・800g。それで広島の町はなくなった。一方、100万kWの原発1基が1年運転するごとに燃やすウランは、この大きな四角形・1トン」
2011-10-02 10:32:55小出氏「チェルノブイリ原発事故。4基の原子炉が並んでいた。爆発したのは4号機。モスクワの赤の広場に建てても安全だと言われ、それをロシアの人は信じて暮らしてきた。1986年4月26日、定期検査に入り、温度を低下させていったら爆発。そして、セシウム137などを放出した」
2011-10-02 10:35:17小出氏「セシウム137を尺度にして、広島原爆の800発分になる。広島の町に降り注いだ死の灰の量自体はそう多くない。しかしチェルノブイリでの放射性物質は、風に乗り、地をはうようにして周辺に広がった。ウクライナ共和国、豊かな大地、ロシアを支える農業国だったが…」
2011-10-02 10:37:48小出氏「住民たち避難させられた。ソ連は情報を隠そうとはしたが、あまりに巨大な事故であるため、隠しおおせないと気づいた。それで避難指示。ただしいい加減。ちょっとしたトラブルがあったので、3日分の荷物を持って迎えのバスに乗れと。その結果、二度と帰れなかった。今の福島と一緒」
2011-10-02 10:39:43小出氏「少なくとも地図に色を塗った地域、日本で言えば放射線管理区域になる。みなさんが接するのは、唯一病院。レントゲン室など。関係者以外無断立ち入り禁止。私は京大原子炉研究所で仕事する人間なので、時々管理区域に入る。決して喜んでは入らない。どうしても放射能を取り扱う時に」
2011-10-02 10:41:53小出氏「管理区域に入ったが最後、水を飲むことはできない。仕事が終わったらさっさと逃げて出たいが、できない。放射能で汚れているから、私の手も、実験着も、ノートも汚れているかもしれない。測定をしないと出られない。その上で、規定以上の汚染があれば出てはいけない」
2011-10-02 10:43:40小出氏「1平方メートル4万ベクレル以上の汚染があれば、洗い流さないといけない。地図で色をつけた所は、大地が汚れている。最初は13万5000人避難。しかし、遠く離れた所でも汚染が見つかった。雨、自然でなく、モスクワに向かって流れているから、軍がここで人工的に降らせたと噂」
2011-10-02 10:46:52小出氏「先に避難した人とあわせて、約40万人が家を追われた。そうこうしている間に、ソ連が崩壊。現在それぞれが独立して、重荷を背負わなければならない。汚染は700km彼方まで生じている。当時、日本にも放射能が流れてきた」
2011-10-02 10:48:50