まあそれはそれとして明日の講義の準備をしよう。「きょうはまずみなさんに選択公理さんをご紹介します。」と大上段にいくか、関数の連続性のふたつの定義の同値性の証明の復習あたりからこっそり入るか。
2011-10-04 14:35:12整列定理と超限再帰を使った「環の極大イデアルの存在証明」を書いてみたけど、これ、ほとんどツォルンの補題の証明やなあ。それならそれで、ツォルンの補題の導入に使えるけどな。
2011-10-04 16:45:12エア講義:整列定理と超限再帰を使った極大イデアルの存在証明(1) 環 A のイデアル全体の集合 M に整列順序づけ < が与えられているものとしよう。これを利用して関数 f: M → M を与えたい。
2011-10-04 16:53:36エア講義:整列定理と超限再帰を使った極大イデアルの存在証明(2) そのために、 J < I であるような イデアル J についてはすべてすでに f(J) が定まっているものとする。また、(i) K < J < I なら f(K) は f(J) に含まれる(または等しい)、
2011-10-04 16:54:50エア講義:整列定理と超限再帰を使った極大イデアルの存在証明(3) (ii) どの J についても f(J) は J の真部分集合ではない、という2条件が成立していると仮定する。
2011-10-04 16:56:48エア講義(4) ここで { f(J) : J < I } の和集合を I' とすると、条件 (i) により、I' も A のイデアルだ。もしも I' が I の真部分集合なら f(I)=I とし、そうでなければ、f(I)=I' としよう。
2011-10-04 16:58:13エア講義(5) これで、超限再帰による f: M → M の定義が終わる。順序づけ < に関する超限帰納法により、(iii) I_1 < I_2 のとき f(I_1) ⊂ f(I_2) であり、かつ (iv) どの I についても決して f(I) は I の真部分集合にならない。
2011-10-04 17:00:45エア講義(6) そこで最後に値域 { f(I) : I ∈ M } の和集合を I* とすれば、(iii) により I* は A のイデアルであり、また (iv) により他のイデアルの真部分集合にならない。すなわち I* は極大イデアルである。 証明おわり。
2011-10-04 17:02:44それはともかく、帰納的順序づけされた集合にそれとは別に整列順序づけを与えて、次々に「上界」をとっていけば、同じ論法で、ツォルンの補題の証明はできるね。だもんで、整列定理からツォルンの補題が導かれる。
2011-10-04 17:06:50ツォルンの補題から整列順序づけの存在、また整列順序づけの存在から選択公理を導くのは容易。あとは、選択公理から整列定理が導かれればよい。ふむふむ。
2011-10-04 17:08:06では言いなおします。「ツォルンの補題は便利だけど、手に負えなくなったら、いつでも整列順序づけと超限再帰に戻っておいで♡」 http://t.co/D5E9lfu5 http://t.co/6lon39fU
2011-10-04 17:25:41選択公理の紹介をするときには「これは明らかなことと、みなさんは思うかもしれない。きっと正しい命題なんだろう。けれど、集合の定義からの論理的帰結というわけではないので、論理的に穴のない議論をするためには、この命題を使用していることをハッキリさせておかないといけない。」と言おう。
2011-10-04 17:13:43慣れれば匂いでわかるようになります。 RT @shinjike: 結構明示されないで使用されていますよね、選択公理ちゃん。あれ、人文学徒にはつらいからやめてほしい。
2011-10-04 17:21:38くんかくんか。 RT @tenapi 慣れれば匂いでわかるようになります。 RT @shinjike: 結構明示されないで使用されていますよね、選択公理ちゃん。あれ、人文学徒にはつらいからやめてほしい。
2011-10-04 17:23:25