ゲイシャ・カラテ・シンカンセン・アンド・ヘル #7

翻訳チームによるサイバーパンク・ニンジャ活劇小説「ニンジャスレイヤー」リアルタイム翻訳 (原作:Bradley Bond-san & Philip Ninj@ Morzez-san) ニンジャスレイヤー公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 続きを読む
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ゲイシャ・カラテ・シンカンセン・アンド・ヘル #7

2011-10-07 21:53:08
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

(あらすじ:キョートへと向かう武装新幹線で戦うニンジャたち。屋根の上にはニンジャスレイヤーとザイバツニンジャ達。そして車両内には、生前の記憶を取り戻しかけるジェノサイドの姿が。ホースバックを倒した彼は、ゲイシャのユリコを拉致したサイクロプスを追って、ダイミョクラス車両へと走る!)

2011-10-07 21:59:39
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「アーレエエエエ!」ユリコはダイミョクラスに敷き詰められたオーガニック・タタミへと乱暴に投げ出された。サイバーゴスのダテ=サン、不運にも巻き込まれたカチグミ・サラリマンのスズキ=サンも同様だ。彼らをぐるりと取り囲むのは、30人ものクローンヤクザである。

2011-10-07 22:10:20
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ユリコは何が起こっているのかまるで理解できなかった。車内アナウンスでゲイシャが呼び出され、貨物室で鋼鉄棺桶に閉じ込められたジェノサイドと再会し……そしてニンジャ、ニンジャ、ニンジャである。

2011-10-07 22:23:57
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

だが、自分たちの目の前に古代ギリシャ神話の巨人のごとく威圧的に立ちはだかり、暴力衝動に満ちた目を血走らせ、メンポのスリットから泡を吹き出すこの巨漢ニンジャを見れば……ユリコは自分達の身に何が起こりつつあるのかだけは容易に理解できた。(((ファック&サヨナラ、というわけね……)))

2011-10-07 22:24:12
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ユリコは精一杯のニヒルさで、自らの精神を保とうとしていた。だが、死の危険が目前に迫っているこの状況では、ノーレンを押すかのごとし。いまの彼女の心を満たすのは、失意である。淡い白昼夢のごときジェノサイドとの出会い……別れ……再会……そして拒絶。抵抗のための力は湧き上がってこない。

2011-10-07 22:33:01
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ハァーッ!ハァーッ!どいつだ!どいつから……!」サイクロプスは興奮を隠し切れないようで、右手で棍棒を振り上げたり下ろしたりしながら3人を見回し品定めする。「やはり女だな!」巨漢ニンジャの逞しい手がユリコの帯を掴んだ!ナムサン!そして力づくで彼女を立ち上がらせ、力任せに帯を引く!

2011-10-07 22:42:34
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ウォーッ!」「アーレエエエエエ!」ユリコはタタミの上で哀しい独楽のように回転する。複雑な仕組みにより、ユリコが何重にも着ていたゲイシャドレスが乱れ飛び、純白のPVCビキニ姿となった。ゴウランガ!さらに足がもつれ転倒し、床を転げ、ビョウブに全身を強く叩きつけられる!「ンアーッ!」

2011-10-07 22:50:46
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ヨイデワ・ナイカ!」ぞっとするほど下卑た野蛮な笑い声と共に、巨漢ニンジャが歩み寄ってくる。「ゲホッ、ゲホーッ…」ユリコはえずきながら、目の間のビョウブに描かれた威圧的なナスビとフジサンの図柄を見る。ナスビは死の象徴だ。周囲には、首や四肢の千切れたオイランドロイドが転がっている。

2011-10-07 22:59:04
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

(((戻りたい、あの夜に!ブッダ、あなたは残酷なサディストだわ!せめてあの夜に死んでいたら、こんな想いを味わわずに済んだのに!)))おお、ナムサン!ユリコはこのままクローンヤクザによる衆人環視の中、惨たらしく陵辱され、棍棒で殴られマグロめいた死体へと変わってしまうのであろうか!?

2011-10-07 23:16:55
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

その時!耳をつんざくようなバズソーの回転音が、ダイミョクラス車両内に響き渡った!2つの丸ノコが、ダイミョクラス車両のドアを切断すべく外側から押し当てられているのだ!「ウォーッ!?ジェノサイドだと!?」サイクロプスが振り返り困惑する「奴はウィルスの影響で動けんはず!ウォーッ!?」

2011-10-07 23:25:07
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

(((だが、ダイミョクラスの強化フスマはとても硬い。ジェノサイドのバズソーでも切断まであと20秒はかかるだろう!20秒あれば十分!)))サイクロプスはユリコに向き直る!そこへパラゴンからの携帯IRCメッセージが着信!「ウォーッ!?」複雑な状況に混乱したサイクロプスは頭を抱え叫ぶ!

2011-10-07 23:30:41
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ウォーッ!?」サイクロプスは血走った目でユリコを見る。胸は豊満だ。白地にシルバーで舞鶴のパターンを印刷された奥ゆかしいPVCビキニが、無残にそれを破壊してやりたいという欲望をそそる。「ウォーッ!?」だが敵も近い!「ウォーッ!?」IRC端末には、ロードの御観戦を告げるメッセージ!

2011-10-07 23:37:05
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

(((レッドゴリラ=サン!マスター・レッドゴリラ=サン!俺に道を示してくれ!)))混乱するサイクロプスは、ニューロンの中でニュービー時代のメンターの名を叫んだ!ニューロンの中に深く刻み付けられたレッドゴリラの残像が、彼にこう告げる……(((何事も暴力で解決するのが一番だ)))

2011-10-07 23:42:15
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

(((最初にジェノサイドをファックすればいいということか!)))サイクロプスの目から迷いが消えた!「ウォーッ!」床を踏み鳴らし、破壊されつつある強化フスマへと頭突き突進を繰り出す!不自然な頭巾の突起を見よ!彼の頭頂部には短いダイヤモンドチタン製一本角がインプラントされているのだ!

2011-10-07 23:57:30
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

そしてインパクト!トラックの激突にも匹敵する衝撃により、強化フスマごとジェノサイドの体が弾き飛ばされる!「グワーッツ!?」あと少しで強化フスマを切断し、ユリコのいる車両に踏み込めると思っていたジェノサイドは、思わぬアンブッシュを受け車両後方の壁に叩きつけられた!ウカツ!

2011-10-08 00:05:49
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

突撃によって破壊されたコード類がバチバチと火花を散らす中、高さ2メートルの強化フスマの戸口がいかにも狭いといわんばかりに、その異常長身を屈めながらサイクロプスが姿を現す。目は単純明快な殺意に燃え、右手の棍棒を激しく振り上げ振り下ろす、おそるべき殺人機械のごとき動作を続けていた。

2011-10-08 00:14:09
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

二者が対峙するのは、タタミが敷かれた予備ダイミョ車両である。「俺は……」痛覚を持たぬゾンビーニンジャは、壁に叩きつけられたダメージをものともせず、左右の鎖付バズソーをヨーヨーめいて足下付近で回転させ、床で火花を散らしながらサイクロプスへと一直線に駆け込む!「……ジェノサイドだ!」

2011-10-08 00:21:23
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ジェノサイド=サン!?」破壊されたフスマの彼方からユリコの絶叫が聞こえ、彼のニューロンを引っ張った。「生きていたか…!」ジェノサイドは小さく吐く。彼には瞼も唇もなく、その表情は窺い知れない。だが少なくとも、敵ニンジャを前に腑抜けた安堵の表情を浮かべるほど愚かではなかっただろう。

2011-10-08 00:35:18
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ウォーッ!」女神をさらいモータルめいた英雄の前に立ちはだかるギリシャ神話の巨人のごとく、サイクロプスは右手に握った重々しい棍棒を振り上げ、真正面から駆け込んでくるジェノサイド目掛け……振り下ろす!凄まじい打撃!目の前のオーガニックタタミが破裂し飛散した!ジェノサイドはどこに?!

2011-10-08 00:40:06
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」ジェノサイドは紙一重のサイドステップで棍棒を回避していた。タツジン!そして両腕をスナップさせバズソーにカラテの力を伝える。ギュラギュラギュラギュラ!それ自身が敵意に満ちているかのように、ヨーヨーめいて床で回転していたバズソーがバウンドし、サイクロプスに襲い掛かった!

2011-10-08 00:44:32
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「グワーッ!」2枚のバズソーがサイクロプスの脛、そしてガードのために咄嗟に突き出された両腕を切り裂く。SPLAT!飛び散る血飛沫!だが浅い!人間ならば一撃で腕をケジメされていただろうが、強靭な筋力を持つビッグニンジャの丸太めいた腕にとっては、スリケンが突き刺さった程度の痛みだ。

2011-10-08 00:49:04
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ウオーッ!」サイクロプスが棍棒を振る。「イヤーッ!」これを片手で受け止めるジェノサイド。ゴウランガ!これぞネクロカラテの真髄!生きた人間は肉体の自壊を防ぐため無意識に筋力を抑制しており、潜在能力の数%しか力を使えないとされる。だがゾンビーニンジャにそのような枷は存在しないのだ。

2011-10-08 00:55:27
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ジェノサイドは棍棒に爪を突き立て、これを奪い取ろうとする。二者は、純粋な膂力比べの体勢に入った。「ウォーッ!」「ゼツメツ!」力は互角……いや、徐々にサイクロプスが押し負ける!「ウォーッ!?これがジェノサイド=サンの真の力だというのか!?俺の暴力が!俺の暴力が通用しないだと!?」

2011-10-08 01:00:31
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「俺をコケにしやがって!解体してやるぜ!お前を!」ゼツメツ・ニンジャソウルの影響か、ジェノサイドの両目が緑色に光る。コワイ!ついに棍棒は奪い取られ、後方へと放り投げられた。体勢を崩すサイクロプス。間髪入れずジェノサイドは敵の肩に後ろから飛び乗り、肩車の姿勢でバズソーを高く構える!

2011-10-08 01:08:53
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