モータル・ニンジャ・レジスター #4

翻訳チームによるサイバーパンク・ニンジャ活劇小説「ニンジャスレイヤー」リアルタイム翻訳 (原作:Bradley Bond-san & Philip Ninj@ Morzez-san) ニンジャスレイヤー公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 続きを読む
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

天窓から垂直落下しながらのカワラ割りパンチ・アンブッシュで頭部をトマトめいて砕かれ、うつ伏せに死んだセンチュリオンの背中の上、片膝をついた暗黒の存在が顔を上げる。その眼光がディヴァーラーとかち合う。天窓から差し込む隔壁ライトがメンポの「忍」「殺」のレリーフを照らす。

2011-10-13 13:48:09
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「「バカな……」」サンバーンとディヴァーラーは同時に後ずさり、同時に呟いた。赤黒のニンジャ装束に身を包んだ死神はゆっくりと立ち上がり、アイサツした。「ドーモ。ディヴァーラー=サン。サンバーン=サン。……ニンジャスレイヤーです」

2011-10-13 13:48:34
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

第二部「キョート殺伐都市」より:モータル・ニンジャ・レジスター」 #4

2011-10-13 13:49:12
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ドーモ、ニンジャスレイヤー=サン。ディヴァーラーです」「ドーモ、ニンジャスレイヤー=サン。サンバーンです」恐るべき殺意に気圧されながら、二人のザイバツ・ニンジャは素早くアイサツした。ニンジャスレイヤーは彼らの名乗りを待つ。アイサツは神聖な時間であり、侵すことは許されない。 1

2011-10-13 13:51:56
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

一方で、アイサツに持ち込むよりも前に一撃のアンブッシュで惨たらしく殺されたセンチュリオンであるが、これをもってニンジャスレイヤーを責めることはお門違いだ。これすなわち、アイサツする実力すら持ち合わせなかったセンチュリオンの不覚。「ドヒョウ前に犬死に」のコトワザ通りである。 2

2011-10-13 13:55:23
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

二者のオジギが終了したコンマ02秒後、ニンジャスレイヤーはセンチュリオンの死体を踏みしめ、ディヴァーラーへ飛び掛った。ナムサン!空中からの側転飛び蹴りだ!「イヤーッ!」「イヤーッ!」ディヴァーラーとの間に割り込んだのはサンバーン!丸太めいた腕が蹴りをガードする! 3

2011-10-13 14:02:59
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イイィ……」ガードしたサンバーンの自由な方の手に力がこもる。何らかのジツだ!ニンジャスレイヤーはガード腕を蹴ってバック転し、飛び離れる。「……イヤーッ!」サンバーンの掌が明るく輝き出す。そしてそれを空中のニンジャスレイヤーめがけて突き出した!直後、オレンジの火球が爆発! 4

2011-10-13 14:18:06
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

カブーム!「グワーッ!」「グワーッ!」「グワーッ!」三人のニンジャ……サンバーンすらも……は突如発生した小型コロナめいた爆発に吹き飛ばされた!そしてその爆発の中に巻き込まれたセンチュリオンの死体はなすすべなく爆発四散!備えていたサンバーンがまず起き上がる。「行け!」 5

2011-10-13 14:35:30
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「何!」ディヴァーラーが叫ぶ。サンバーンは叫び返した。「行け!もはや作戦は白紙だ。貴公は撤退し策を練り直せ!ここはワシがやる……どのみちワシのジツは本気でやれば仲間を巻き込む」「サンバーン=サン……クソッ!」ディヴァーラーは踵を返し駆け出した。「オタッシャデー!」 6

2011-10-13 14:45:21
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「さあ。ワシが相手だ」サンバーンが構えた。その両掌が再び白く輝き出す。彼の両掌にはサイバネ手術が施されている。己のカトン・ジツが生み出す熱を不可思議な電磁力の働きによって集積し、 爆発する火球を作り出すのだ!印刷所の闇が激しく照らされる!「だが刺し違えるつもりは無い!必勝!」 7

2011-10-13 14:52:25
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「アイ、アイエエッ!?」屋根の上で簀巻きを解かれたシメジは、下で発生した爆発と、天窓を染めた閃光に震え上がった。「ブッダ。始まりやがったな」額の汗を拭う白髪の大男はタカギ・ガンドー。チラシ作成の依頼者である。「離れるぜ。あんたも死にたくねぇだろ」シメジはただ呆然とした。 9

2011-10-13 15:05:07
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「言っておいた通り、保険は満額かけてあるか?印刷所に保険は。満額」ガンドーはズバリ・ガムを噛みながらシメジを見る。シメジは頷いた。「え、ええ、ええ」「オーケイ、オーケイ。まあ、こんな事、起こらないに越したことは無いがよ……」天窓の下を見下ろし、「実際狂ってやがる」 10

2011-10-13 15:10:12
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ニンジャ」シメジがニンジャリアリティショック症状で朦朧としながら呟く。「迷惑かけたな」とガンドー。「だが、おっぱじまったら、とことんやるしか無いんだよ」彼の言葉は自分自身に言い聞かせるようでもある。ガンドーが先日ニンジャスレイヤーに協力を申し出たのは義侠心からではない。 11

2011-10-13 15:18:21
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

アナカ=サンの一件で、既にガンドーがザイバツ・シャドーギルドのブラックリストに入った事は間違いない。場所が割れた探偵事務所は店を畳んだ。正体不明のニンジャ集団と裸一貫で事を構えるなど、それこそ正気の沙汰では無い。ならば、やられる前にやる。「泥棒がバレたら家に火をつけろ」だ。 12

2011-10-13 15:23:04
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

しかしながら、そう腹を決めた彼であっても、協力者ニンジャスレイヤーが短期間のうちに見せた狂気じみた蛮勇ぶりには、いまだ馴染めぬものがあった。彼を駆り立てるものの正体は何であろうか……?彼はさらに一粒、ホイルを剥がしたズバリ・ガムを口に運ぶ。「ズラかるぜ」 13

2011-10-13 15:29:18
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」サンバーンが手を突き出すと、握りこぶし大のオレンジの球体が再びニンジャスレイヤーめがけて飛んだ。「ヌウッ……!」ニンジャスレイヤーはガード姿勢を取る。着地直後で回避が間に合わないのだ。彼は既に三発の火球をやり過ごしていた。カブーム!火球が膨れ上がる! 15

2011-10-13 15:38:34
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

既に印刷所内は破壊の跡むごたらしく、印刷機や机が吹き飛び、あちこちで炎が燃え出していた。「いつまで逃げられるかな……小虫めが」サンバーンの両手に、またしてもオレンジの球体が輝き始める。実際ニンジャスレイヤーは火球攻撃にさらされ続け、いまだ攻撃に転ずる事ができていない! 16

2011-10-13 15:46:09
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ニンジャスレイヤーはチャドー呼吸を整えながら、攻撃の糸口を掴もうとしていた。これほどの大量破壊ニンジャを相手にした経験は彼には無い。だが、その攻撃は派手ではあるが雑と言える。精密なカラテを犠牲に破壊力を得ているタイプだ。つけ入る隙はあるはずだ。すなわちフーリンカザン! 17

2011-10-13 16:37:37
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」サンバーンが右手を突き出す!オレンジの球体が高速飛来!「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは身を投げ出し前転回避!カブーム!後方で炸裂する熱球体!「イヤーッ!」サンバーンが左手を振る。もう一発の火球がニンジャスレイヤーの回避地点めがけて飛ぶ! 18

2011-10-13 17:32:46
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」前転からスプリングジャンプを繰り出し、ニンジャスレイヤーは跳躍!カブーム!後ろで炸裂する熱球体!二者は接近!「イヤーッ!」跳躍するニンジャスレイヤーへサンバーンが前蹴りを繰り出す。「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは棒高跳びめいて体をひねり、蹴りを回避! 19

2011-10-13 17:47:09
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」前蹴りをすり抜けたニンジャスレイヤーは、フットボールのオーバーヘッドキックめいたアクロバティックな蹴りを繰り出す!「グワーッ!」サンバーンの肩に蹴りがめり込み、鎖骨が破砕!だがサンバーンは堪えた。後ろ手にした左掌が白熱し、そこにオレンジの火球が圧縮される! 20

2011-10-13 18:51:17
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ニンジャスレイヤー=サン!こいつをくれてやる!」サンバーンの左手が閃く。ナムアミダブツ!なんたる犠牲的攻撃!この距離で爆発を生ぜしめれば二者が受ける熱エネルギーは同じだ。サンバーンは体格で勝る己のニンジャ耐久力に賭けているのだ!カブーム!「「グワーッ!」」 21

2011-10-13 18:59:33
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

二者は爆発を受けて弾かれるように吹き飛んだ。サンバーンは先程同様に覚悟の上であり、空中で二回転してバランスを取って着地した。ニンジャスレイヤーは?ナムサン、床を転がり起き上がった彼の赤黒の装束は引き裂かれて煙が立ち昇り、そのダメージが大きい事を物語る! 22

2011-10-13 20:05:48