各種文献での「0が自然数かどうか」の扱い
『新数学事典』(1991) 本全体において「0は自然数」で統一されている。導入部で「二義性を避けるため、0を含めない場合をcounting number(自然数)、含める場合をwhole numberとする流儀もある」と注記されている。 #0は自然数
2011-10-15 22:09:25『はじめからのすうがく事典』(2004) 0は自然数ではなく「完数」(whole number)。「近年計算機科学では0を自然数に含むことが好まれ、その影響で0を自然数に含む流派もある。習慣的な用語なので、国や時代により変化するため、あまり厳格に考えない方が良い。」 #0は完数
2011-10-15 22:09:58『岩波数学辞典第4版』(2007) 日本数学会によって編集されている有名な数学辞典。0は自然数に含まれていない。(第3版でも含まれていないことを確認済み) #0は自然数でない
2011-10-15 22:10:18『数学ハンドブック』(1985) 矢野健太郎監修、宮本敏雄訳。0を自然数に含めている。「最近では0を自然数に含めることが多い」と訳者による脚注がある。 #0は自然数
2011-10-15 22:11:10『数の宇宙-ゼロから無限大まで』(2009) 0が自然数かどうかなんてどうでもいい。「0を使って数えるのが不自然だということもある。この考え方に反対して、0が自然数であると考える人もいるが、私達にとっては、考えが一貫している限り、どちらでもよいことだ。」 #0はどうでもいい
2011-10-15 22:12:22続き:『数の宇宙-ゼロから無限大まで』(2009) 「0を自然数に含めることの利点は、自然数が使う演算子の意味を定義できることだ。」とあり、「0は自然数」派を擁護するような記述もあった。
2011-10-15 22:12:36また、『数の宇宙-ゼロから無限大まで』(2009)には、「昔から、自然数は1からと考えられているが、そうでない時代もあった。古代ギリシャでは1を『単位』とし、2から自然数だと考えられていた。2が『多様性』を表す数字とされていたからだ。」という興味深い話もあった。
2011-10-15 22:12:46"Arithmetices principia"(Peano, 1889)では、自然数は1からで記述されている。 http://t.co/5xgS6qLv
2011-10-15 22:21:59「数学史の観点から決着をつける」の意図を伺ってもよろしいですか。 QT @fffw2: 0が自然数か否かという争いに数学史の観点から決着をつけたい、というのが私の立場。
2011-10-16 17:28:57@0_uda いつ頃から0が自然数に含まれるという慣習が興ったのか、初出はどの分野の文献でどのような意図で導入されたのか、など、「0は自然数」に纏わる数学史を踏まえて、0を自然数に含めるか否かについて改めて考察していきたい、というモチベーションです。
2011-10-16 20:49:26@fffw2 なるほど、了解です。ちなみに、初出かどうかは分かりませんが、今よく見る集合論的な自然数(0-origin)全体の集合の構成法は、フォン・ノイマンによるものらしいですね。(背景を考えると、恐らくそれ以前からもそういう慣習はあったのではないかと思いますが)
2011-10-16 20:53:07日本国の法令のうち、「自然数」が出てくる法令は、「特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則」、「無線設備規則」、「電波法施行規則 抄」の3つ。送信バースト長やラジオゾンデの周波数の規則で「自然数倍」が登場している。明記されてはいないが、いずれも0は自然数に含まない。
2011-10-19 01:44:54発表されている媒体で、自然数を0から数えるということを最初にやったのは、どうやらフレーゲではないだろうか。それもペアノより前に。 #0は自然数 @
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