素人でもわかる！『キュウべえの通貨スワップ講座』

キュゥべえ @QB0

そういえば、日本と韓国の通貨スワップが700億ドルに拡大されたみたいだね。このスワップ協定というのもなかなか難いものなんだけれど、興味がある人は「チェンマイ・イニシアティブ」とかのワードで検索してみるといいんじゃないかな。

@mikamikafever

@QB0 今回のことについて君の見解を聞きたい

キュゥべえ @QB0

@mikamikafever ボクは専門家ではないから詳しい分析はできないけれど、これで日本にあまりメリットがあるとは思えないね。

キュゥべえ @QB0

そうだね、今回のスワップの話しをするには、少し前の話をしておくべきかも知れない。少し長くなるかも知れないし、ボクの情報にも曖昧なところがあるかも知れないけれど、よければ聞いてもらえるかい？

キュゥべえ @QB0

今から十四年も前のことになるんだけれど、「アジア通貨危機」というのが起こったことがあってね。もちろん原因は様々なんだけれど、大きな要因の一つといわれているのが、欧米のヘッジファンドによる新興国への為替相場への介入だったんだ。

キュゥべえ @QB0

新興国は、例えばアメリカのドルや日本の円と比べれば、通貨の取引量はまったく多くないし、一度に複数の金融ファンドが「売り」に走れば為替が一気に下落することもあり得る。反対に「買い」に走れば上げることも可能なんだ。とくに、その国の経済があまり好調でないときには簡単だろうね。

キュゥべえ @QB0

そういった市場に群がるファンドを「ハゲタカ」という人もいるけれど、1997年の場合そのハゲタカファンドによってアジアの市場は大きな打撃を受けてしまったんだ。

キュゥべえ @QB0

そこで、この反省からアジアの中でも「再び通貨危機が起こらないようにしよう」という議論が行われるようになった。その一つが「チェンマイ・イニシアティブ」といわれる、アジアでの通貨融通の取り決め、いわゆるスワップ協定だね。

キュゥべえ @QB0

今の世界では、貿易の決算はほとんど機軸通貨で行われている。それがほとんどの場合米国ドルなんだけれど、いうならドルを安定して保有していれば、いざというときの通貨危機や経済危機にも対応できるんじゃないか、と考えるのは自然だよね。それをどうやって行うかが一つの課題だった。

キュゥべえ @QB0

そのためにはまず、通貨危機のときのためにお互いが「あなたの国が危機になった場合に、うちはこのくらい融通しますよ」という取り決めをあらかじめしておく必要がある。これが通貨スワップの仕組みだといってしまえば、少し乱暴ではあるけれど、もともとはそういう仕組みを作ることが目的だったんだ。

キュゥべえ @QB0

今は、それぞれの国ごとでこういった協定を結んでいるんだけれど、その目的や具体的な理念については外務省にまとめがあるから、興味がある人は見てみるといいんじゃないかな。http://t.co/9eoFhZ1Z

キュゥべえ @QB0

ここまでが、アジアでスワップ協定ができあがることになった大雑把な経緯なんだけれど、それじゃあ今回日本と韓国がこんなにスワップの規模を拡大する必要が出てきたか、というのが気になるんじゃないかな？　さっきも書いたけれど、スワップは「通貨危機」や「経済危機」への対策が強いものなんだよ。

キュゥべえ @QB0

それには、韓国の経済について説明する必要がある。さっき書いたアジア通貨危機で当時大きなダメージを受けた国の一つが、その韓国だったんだよ。

キュゥべえ @QB0

ギリシャ経済のニュースで、「IMF」という言葉を聞いたことがある人もいると思うけれど、このIMFというのは「貸付」と「破綻した国の再建」を行う国際機関、みたいなものだと思ってくれるとわかりやすいんじゃないかな。韓国はその当時、このIMFに貸付を受けることになってしまった。

キュゥべえ @QB0

それから徐々に韓国経済は回復していったんだけれど、実はこのときIMFから受けていた忠告であまり上手くいかなかったことがあった。それはね「韓国はもっと内需（国内の市場）を拡大した方がいい」というものなんだよ。

キュゥべえ @QB0

韓国の経済は、今でも貿易重視だといわれている。その結果どうなったかといえば、国内の貿易のほとんどを海外に頼ることになってしまった。例えばサムスンや現代といった韓国を代表する企業にしても、重視しているのはほとんどが欧米の市場なんだ。

キュゥべえ @QB0

韓国の経済規模は日本よりどうしても小さいからね。少し前は東京都とほぼ同じくらいだといわれていた。そういう国が世界で戦うためには、どうしても海外市場に積極的に進出しなければいけなかったのは、不思議でもないんだけれど、この構造が結局韓国の弱い部分をそのまま受け継いでしまった。

キュゥべえ @QB0

その結果、韓国は今でも為替相場や国際情勢にものすごく影響を受けやすい、という側面がある。それがまた問題になったのが、今から2年くらい前のことだよ。その頃韓国は対外債務（短期外債）が増加していてね、その支払いができるのかという懸念が膨らんだことから、大幅なウォン安になったんだ。

キュゥべえ @QB0

そこに群がってきたのが、またハゲタカファンドだったのさ。おかげで韓国ウォンは連日大幅な値下げを続けることになった。韓国も、また通貨危機になるわけにはいかないからね。防衛のために連日為替に国が介入して、一日のうちに大幅な上げ下げを繰り返すという、珍現象まで起きたんだ。

キュゥべえ @QB0

一部では「ワロス曲線」なんていわれていたけれど、ニコニコにも動画があったね。その通貨危機のときに、韓国を援護したのがアメリカ、中国、そして日本の通貨スワップの拡大だったんだ。日本やアメリカのような大国が、スワップを約束すれば通貨に対する信頼はある程度保証される。

キュゥべえ @QB0

結果的に、韓国はこの通貨危機を乗り越えることはできたんだけれど、問題はその乗り越え方が周辺国のスワップ協定に手助けされたことであって、その経済が抱えている問題には根本的な解決にはならなかったことなんだ。

キュゥべえ @QB0

あのギリシャ危機がはじまってから、世界ではまた経済の混乱が続いている、そうなると、やっぱり今後どこかの国で通貨危機が発生する懸念は増大するからね。アジアでももっとスワップ協定を強化していこうという流れが出てきたのは、これは当然といえるんじゃないかな。

キュゥべえ @QB0

大体、これがスワップと通貨危機、そして韓国経済についてのボクの知っているところなんだけれど……でもね、これはあくまでも全体の流れとして見た場合に過ぎない。いうなら、「通貨危機へのアジア地域」の強化であって、それが今回の韓国とのスワップ拡大に結びついたともいえないと思うんだ。

キュゥべえ @QB0

ここからは、ボクの考えも入ってしまうんだけれど、いいかい？　もし、そういうのが嫌だという人がいれば、あまりおすすめしないけれど。少し、席をはずすから、また後で話すよ。ここまで聞いてくれてありがとう。

キュゥべえ @QB0

この世に偶然なんてないよ。あるのは必然だけ。