【ほうかご百物語】妖怪についてつらつらと
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※イタチについて(文献を基にした概説メモ)
イタチはその挙動に特異な点が観察されてきたためか、神秘的・霊的動物と見做された動物の一つだという(『平凡社 大百科事典 1』より)。これは多分、後ろ足で立って様子を見たりする行動とかが代表的なものだと考えられるかな?
2011-10-28 19:27:45…ゆえか、福島県南会津地方では卜占の一種として「鼬寄せ」の名が見える。これもイタチが霊的動物であると見られたことを示しているのではないかなぁ、と個人的に思ったりした。
2011-10-28 19:27:56イタチは霊的動物として見られたことが尾を引いてか、イタチが怪異を起こす原因として見られるようになったのではないか、と思う。
2011-10-28 19:28:00例えば「イタチの道切り」が例かな、と。イタチが道を横切ったら凶兆である、という。一般的には右から左への外は凶相とされている(『日本俗信辞典 動・植物編』より)が、場合や地方によって吉凶は変化するっぽい。
2011-10-28 19:28:15石工がイタチを見ると怪我をする、石を投げないと狐に化かされる、などなどイタチに纏わる俗信はそれなりにある模様(『日本俗信辞典 動・植物編』)。
2011-10-28 19:28:20あとはイタチが家の表から裏へ行くと財産が無くなる(愛知県)といったように、中にはイタチの道切りによる具体的な災いを伝えている場合もある模様(『日本俗信辞典 動・植物編』)。
2011-10-28 19:28:27イタチの道切りに対して「イタチミメヨシ(イタチの顔は美しい)」などのように呪文で凶兆を避ける俗信もあったようだ(『平凡社 大百科事典 1』より)。
2011-10-28 19:28:37他には、狐や狸のようにイタチが人を化かす、という話も。怪火・大入道・小坊主といったものに化けたり、夜道で人を迷わせたり(『日本俗信辞典 動・植物編』、『妖怪事典』、『世界幻想動物事典』)。
2011-10-28 19:28:44あとは「鼬の六人搗き」は新潟県の怪異で、鼬が集まって騒ぐ音が六人で搗く臼の音に似ているという(『妖怪事典』より)。…何故六人って人数が限定されているのか不明w
2011-10-28 19:28:50「鼬の陸(おか)搗き」は同県三条市地方で、深夜に家中でイタチのような動物が米を搗く音をたてる。裏口から入ってきて米搗きをするのは吉、表口からは凶とする、とも言い、音の怪異に実態が混ざり、さらに鼬の俗信も混じっているというカオス(『妖怪事典』)。
2011-10-28 19:28:55※新潟県の二つの怪異は「陸」と「六」で両方とも「むつ」と読めるので、そこら辺で何かがあったのかもしれない。という個人的推察。
2011-10-28 19:29:00『和漢三才図会 巻三十九』では「よく鳥・鼠を捕え、ただ血を吸って食べようとしない。その声は木のきしる音のようである。群れて鳴けば不祥(不吉)であるという。…(続く
2011-10-28 19:29:06続き)あるいは夜中に焔気が高くのぼり柱を立てたようにみえることがある。火柱と称するが、それが消え倒れる処には必ず火災が起こる。これは群れ鼬が妖をなすのである、という。」とあり、火気との関係が示唆されている。
2011-10-28 19:29:10『世界大博物図鑑 第五巻 哺乳類』ではイタチの名前の語源となる説を幾つか紹介しているが、そのうちの一つに「火立」がある。同書ではイタチが集まって前足を上げて息を吐くと火が燃え上がるように見えるためであるという、と『日本釈名』の説を挙げている。
2011-10-28 19:29:14他の説は、一つは池の魚を食い尽くしてしまうことから「魚絶」でそれが訛ったものとする説。もう一つは息を絶って獲物に近付くことから「息絶」の意味だとする(『和訓栞』の説として紹介)。
2011-10-28 19:29:37なお、『和漢三才図会 巻三十九』水鼬の項ではイタチと同種とし、溜池の魚をとるといい、ヒキガエルを恐れると記している。また、瓢箪を恐れるとも。なので、魚を飼っている池の近くに瓢箪を置いておけば良い、とも。
2011-10-28 19:29:41※鼬が火行だとするならば、水に関係する蛙や瓢箪を恐れる、という理屈なのだろうか?個人的推察。なお、瓢箪は中が空っぽなので神霊を宿す力がある云々で、後代では水神が宿るとかいわれたりしたことから、水に関連と勝手に推測。
2011-10-28 19:29:51イタチと火について、『和訓栞』では「鼬のいくつも累りて気を吹くが自から火と見ゆるを、俗に鼬の火柱といへり、其消え尽くる所必ず火災ありといふ」と記すように、イタチが火柱を立て、それが倒れた方向で火災がある、と伝える俗信は各地にあるようだ(『日本俗信辞典 動・植物編』)。
2011-10-28 19:33:01「鼬の一つ火」がそれで、名前とは裏腹に火の怪異ではないが、「イタチが「ケチ」と一つ火を打つと火の用心が悪い」という。ただしここでいう「ケチ」というのは鳴き声のことらしい。一つ火を打つ、というのは一度だけ鳴く、ということのようだ(『妖怪事典』)。
2011-10-28 19:36:10なお、イタチはテンとも同一視されることがあったようだ。『和漢三才図会 巻三十九』貂の項には「鼬も同じ」と書かれており、「老鼬が変じて貂になるというが、本当なのかどうか」とも言及している。
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