なぜ、冬至の日と、いちばん日の出が遅い日、いちばん日の入りが早い日が一致しないか?という話は、すごく面白いんだけど、ちゃんと説明しようとすると長くなるなあ... よし、あとでちょっとやってみよう。
2009-12-21 19:14:05.@ohnuki_tsuyoshi そう、ひと言でいってしまうと「楕円軌道だから地球の公転速度が一定ではなく、赤道と黄道がずれているために太陽の赤経の変化が一定ではないから」ですが、これじゃ何の説明にもなってないですもんね。
2009-12-21 19:32:54.@lizard_isana 視点を変えて「太陽の南中時刻は一年のうちに変わって行く」所から解説するのはいかがでしょう。アナレンマの例もあげたりして。そうすると、少なくとも「公転速度が一定でない」という話で納得しやすくなると思います。
2009-12-21 20:03:26おお、もうこんな時間だ。お待たせしました、「冬至と、日の出が一番遅い日、日の入りが一番早い日がずれている理由」をまとめてここにポストします。しばし連投失礼します。
2009-12-22 00:55:34なぜ、冬至と、日の出が一番遅い日、日の入りが一番早い日が一致しないのか、それはひとことでいえば、1日の長さが一定ではないからです。そしてそれは、この写真と深い関係があります。 http://bit.ly/8zxSAt
2009-12-22 00:57:03これはアナレンマと呼ばれるもの。1年間、同じ時間に同じ場所から太陽の写真を撮って一枚に重ねると、太陽はこのようにきれいな8の字を描きます。上下の動きは地球の自転軸が傾いているため、そして左右の動きは1日の長さが一定ではないことから生まれます。
2009-12-22 00:58:13前者は簡単。夏に太陽が高くまで昇り、冬は低い所までしか昇らないのと同じ理由です。問題は後者、なぜ一日の長さが変化するのでしょうか? その理由は二つ。一つは、地球が太陽の周りを回る軌道が真円ではなく楕円形をしているため。もう一つは地球の自転軸が傾いているためです。
2009-12-22 00:58:511日、というのは太陽が一番高い位置に達する、つまり南中してから、次に南中するまでの時間のことです。これは地球では平均すると約24時間になります(平均、という所がミソです)。しかし、地球が360度一回転するのにかかる時間、つまり地球の自転周期は23時間56分しかかありません。
2009-12-22 01:02:03この4分間はどこからくるのか?それは地球の公転です。地球が一回自転する23時間56分の間に、地球は太陽の周りを約1度回ります。365日/360度=1.014度ですね。つまり地上から見て太陽が同じ位置に戻るのには1度分よけいに回らなければならないということです。
2009-12-22 01:02:44地球がこの1度分よけいに回るのにかかる時間が、おまけの4分間の正体。24時間/360度=0.067時間=4.02分です。
2009-12-22 01:04:26さて、ようやく第一の理由を説明できる所まできました。地球の軌道は楕円形をしています。そのため、地球が太陽の周りを回る速度は一定ではありません。太陽に近い所では速く、遠いところでは遅くなります。
2009-12-22 01:05:37先ほどのおまけの4分間が地球の動きによるものだったことを思い出してください。この4分間はあくまで1年を通じた平均でしかありません。地球が動く速度が変化すれば、おのずとこの時間も変化します。これが1日の長さが変わる第1の理由です。
2009-12-22 01:06:26さて、一日の長さを変化させるのは、地球の軌道の形だけではありません。つぎは理由の2番目、地球の地軸の傾きの話をしましょう。
2009-12-22 01:06:57地球の地軸は、地球が太陽を回る軌道に対して23.45度傾いています。これが地球に季節があり、太陽の高度が一年を通じて変化する理由です。赤道と太陽がなす角度は1年を通じて変化していきます。アナレンマの上下の動きを思い出してください。
2009-12-22 01:40:33この動きは、赤道を通過する春分と秋分に一番大きく、赤道から一番離れる夏至と冬至に一番小さくなります。つまり、太陽は東へと動きながら、同時に南北方向にも少しづつ動いていることになります。
2009-12-22 01:41:14さて、太陽の進む速度が一定だとすると、南北方向の動きが大きい春分・秋分近くには、そのぶん東西方向の動きは小さくなり、逆に南北方向の動きが小さい夏至・冬至には、東西方向の動きは大きくなります。これが1日の長さが変化する2番目の理由です。
2009-12-22 01:41:47実際には、この2つの効果が複合しておきます。そのため、南中から南中までの時間、つまり一日の長さは最大で29秒長く、最小で22秒短くなります。そしてこのずれが何日も重なると、太陽が南中する時間は最大で17分も進み、最小で14分も遅れるんです。
2009-12-22 01:42:31さて、ようやく答えにたどり着きました。最初と同じ答えです。一年の間で昼が最も短く、夜が最も長くなる冬至と、日の出が一番遅い日、日の入りが一番早い日がずれているのは、これら理由により、一年を通じて太陽の運行が早くなったり遅くなったりするためです。
2009-12-22 01:43:08さあ、もういちど最初の画像を見ましょう。天空で大きく8の字を描く太陽の写真。http://bit.ly/8zxSAt ね、おもしろいでしょう?
2009-12-22 01:43:21