続・農業生産性と日本の農業に関するディスカッション

農業生産性は、土地生産性と労働生産性が相反するということろから始まる考察とディスカッションの続編。農業の大規模化が土地生産性を落とし、土壌侵食を進めることから、世界的な潮流が脱・大規模化であることを中心に論じています。 【前編】http://togetter.com/li/212071
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「農業生産性と日本の農業に関するディスカッション」より続く

まとめ 農業生産性と日本の農業に関するディスカッション 農業生産性は、土地生産性と労働生産性が相反するということろから始まる考察とディスカッション。 1772 pv 3 1

【農業の大規模化による悪影響】

長野テル @naganoteru

「土地生産性は、1軒の農家が耕作する面積が大きくなるほど低下する。土壌に対して丁寧な保全や農耕を行わなくなるからである。その結果、土壌の侵食が加速され、長期的な収穫高を低下させる」

2011-11-10 19:50:51
長野テル @naganoteru

「農業の企業経営化がそれを加速する。古代ローマにおいて、自作農が減少し不在の大農場主に土地が集約されるにつれ土地生産性の低下と土壌侵食が進んだように、現代のアメリカでも同様の現象が認められる。人は、他人の土地を丁寧には扱わないのである」

2011-11-10 19:55:00
長野テル @naganoteru

「アメリカでは、小規模農家は大規模農家に比べて単位面積あたり2から10倍を生産している。1.6ヘクタール未満の農家の中には100倍以上の生産性のものもあった」「世界銀行は現在、開発途上国で小農に農業生産性を高めさせることを推奨している」

2011-11-10 20:20:21
長野テル @naganoteru

「土の文明史」から要約。農業の大規模化や企業経営化マンセーな短視眼的な連中に聞かせてやりたいわ。今日の昼ミヤネ屋に出てた中身のない慶応の教授とかw

2011-11-10 19:58:33
ごーるどまん @goldman432

愛着の問題ですね RT @naganoteru: 「農業の企業経営化がそれを加速する。古代ローマにおいて、自作農が減少し不在の大農場主に土地が集約されるにつれ土地生産性の低下と土壌侵食が進んだように、現代のアメリカでも同様の現象が認められる。人は、他人の土地を丁寧には扱わない

2011-11-10 19:56:11
長野テル @naganoteru

愛着の問題ですね。短期と長期、あるいは個人と永続的な家の問題とも言えますが。RT @goldman432 愛着の問題ですね RT: 自作農が減少し不在の大農場主に土地が集約されるにつれ土地生産性の低下と土壌侵食が進んだ。人は、他人の土地を丁寧には扱わない

2011-11-10 20:41:08
長野テル @naganoteru

もうひとつ別の側面として、企業的農場経営は労働効率を重視してモノカルチャーになることも、生産性と土壌保全にマイナスに働くようです。麦を植えたら次は豆とした方が土壌には良いようです。RT @goldman432

2011-11-10 20:43:05

【日本における土地の文化的意義】

長野テル @naganoteru

日本人は、古代から一族で土地を開墾し、祖先から預かった美田を子孫に残すことをひとつのミッションとして農耕を続けてきた。そのことが、美しく手入れされた田園風景と豊穣で肥沃な土壌を守ってきたことは、疑いの余地がない。

2011-11-10 20:46:23
長野テル @naganoteru

この伝統はふたつの点で重要である。ひとつは、先祖伝来の土地を自分という個人のものと考えず、永続する家のものと考えた点。土壌保全を怠った挙げ句耕作できなくなるとその土地を捨て、ひとつ西の土地に移りさえすればよかったアメリカの開拓農民とはまったく異なるメンタリテイがそこにある。

2011-11-10 20:50:29
長野テル @naganoteru

もうひとつは、土地を一家のものではなく、一族のものと考えた点。土地は、一族郎党が協力して開墾し、守ってきたものであり、一族の長は、時代によって地侍、庄屋、本家などと呼ばれながら一族の土地と一族の面倒を見てきた。日本の小作農は、一族の共有財産を丁寧に耕す存在だったということ。

2011-11-10 20:56:40
長野テル @naganoteru

そういった伝統的側面に目をやらず、また、近い将来世界的な食糧難が見込まれる中、土壌保全や土地生産性に気を止めないで、労働生産性と価格面で非効率的だからというだけの理由で、農業を放棄してもいいなどと言っている論者など、まるで信頼するに足りないように思う。

2011-11-10 21:06:09
ごーるどまん @goldman432

万世一系の天皇崇敬にも繋がりますね RT @naganoteru: 日本人は、古代から一族で土地を開墾し、祖先から預かった美田を子孫に残すことをひとつのミッションとして農耕を続けてきた。そのことが、美しく手入れされた田園風景と豊穣で肥沃な土壌を守ってきたことは、疑いの余地がない。

2011-11-10 20:49:30
ごーるどまん @goldman432

一所懸命でもありますね RT @naganoteru: この伝統はふたつの点で重要である。ひとつは、先祖伝来の土地を自分という個人のものと考えず、永続する家のものと考えた点。土壌保全を怠った挙げ句耕作できなくなるとその土地を捨て、ひとつ西の土地に

2011-11-10 20:51:57
長野テル @naganoteru

そのとおりです。日本の土地と共同体の基礎単位は「惣」なのですが、その惣を一族で必死に守る様が「一所懸命=一生懸命」ですね。一族の長がいわゆる武士ですが、一所懸命は武士だけでなく百姓のメンタリテイでもあるんですよね。RT @goldman432 一所懸命でもありますね

2011-11-10 21:16:00

【脱線:東京と大阪のスプロール市街地の差に関する考察】

長野テル @naganoteru

もしかして、同じくスプロール的に都市化が進んだ東京と大阪を比べたとき、東京近郊の市街地が大阪近郊のそれよりもまとまりがあるように見えるのは、関東の土地が坂東武士的な伝統をより強く引き継いでいるからなのかも。近畿は荘園や寺社領が多かっただろうし。

2011-11-10 21:22:17
長野テル @naganoteru

たしかに、大阪近郊は、道も狭ければ小工場や密集住宅地や商業地が無分別に展開してるところも多いんだよなあ。東大阪、門真、八尾に松原。数え挙げればキリがないくらい。あのごちゃごちゃ感は、東京にはないよな。

2011-11-10 21:28:41
長野テル @naganoteru

まあ、問題を地主の気質だけに還元するのは極端だとは思うけど、たとえば世田谷や杉並を見たとき、そこでのスプロール問題が専ら農道がそのまま道路に転じたことによる道の狭さであって、無計画に宅地と工場が混在していないあたりには、その影響を考えざるをえないな。

2011-11-10 21:37:47
長野テル @naganoteru

自分の先祖が開墾し守ってきた土地をきれいな状態で開発に供しようとした関東の地主、いわゆる名主層。一方の近畿はというと、土地の多くは元々公家や寺社のもの。そこに来て日本で最初の資本主義都市の気質。金になるならアパートでもパチンコでも平気で建てちゃう土壌は十分ある気がするな。

2011-11-10 21:42:55
長野テル @naganoteru

東京と大阪の都市としての気質の違いを考えるうえでも、今の点はやっぱり影響してる気がするな。日本における「公」の意識は一義的には惣にあると指摘したのは司馬先生だけど、実際、東京はマナーが良く、一方の大阪には周りのことよりも自分のこと優先という嫌いはあるからなあ。

2011-11-10 21:50:03

【農業の脱・大規模化に向かう世界の潮流】

長野テル @naganoteru

世界銀行が農業の大規模化ではなく小農の育成を通じた土地生産性の向上を推奨し、世界食糧サミットが地球規模での土壌保全が将来世代のために必要であることを謳う中、100年前の競争、自由化という思想を振りかざしてその真逆へと突き進む時代遅れな国、日本。アホか、と。

2011-11-10 22:36:09