橙乃ままれ『ログ・ホライズン』の折り返し地点で楽しめるところ
ログ・ホライズン001読みました。ままれさん、ここでも誤字脱字たっぷりだなあ(笑)。ってのは置いといて、こないだ自分が「ゲームオーバーのないMMOの無粋さ」についてブログで触れたばかりだったので、Lvカンスト中のゲーム世界という説明が出た時点でしびれました。SAOも同じなのかな?
2010-05-04 01:09:30これは、ネタバレというよりもむしろ、読む前に意識しておくといい読み方だとおもうのですが、LH(略称)の「ログアウト無し・完全実体化」のオンラインRPG小説というのは、実際のところ「マトリックス的なメタ現実ドラマ」として読む必要がまったくない
2010-05-09 06:53:09ディテールや世界への導入が違うというだけで、LH的なオンラインRPGは、ほぼ『ナルニア国物語』的なエヴリデイ・マジックの幻想小説として楽しむのが素直な感受だと思う。ネット用語やゲーム用語があるからといって、メタフィクションやSF小説ではないのだと思う。基本的なジャンルとしては
2010-05-09 06:57:28なぜそう思ったかというと、ドラマ的な意味で、LHの中の冒険や人生は「精神の修行」として読者(特に子供や若者)が受け取ることのできる文法で展開しているからだ
2010-05-09 07:02:07異世界召還ファンタジーは、人生のシミュレーションでありチュートリアルであり、難易度調整のされたイージーモードであり、まぁ文字通り仮想体験なので、完成したバーチャルリアリティは、まんま『ナルニア国物語』になりうる
2010-05-09 07:37:54いろいろな理由は考えられるのだけど、ナルニア国物語をオンラインゲームで表現するというのは合理的だ。なにより、読者が現実から異世界に飛ばされるまでの説明が「自然」になる
2010-05-09 07:59:58そしてこれがLHの特色なのだと考えているのですが、元々電子的なゲームだったのが実体化したのがつい最近であり、その社会やルールがほとんど白紙の中で主人公たちが投げ出される
2010-05-09 08:33:10異世界における既存のルールに慣れていく主人公、というこれまでのパターンとは異なり、「無法状態の世界で、自分たちの自由意思で行動する」という行為に重きが置かれている
2010-05-09 08:34:47そこで、まおゆうと同じように「現代人の教養が異世界にローカライズされる過程」がひとつの読ませどころとなるわけだが、既存の社会が存在していたまおゆうが「できあいの都市を管理するシムシティ」だったとすると、LHには「更地からスタートするシムシティ」の面白さがある
2010-05-09 08:38:27更地からはじめるシムシティの方が、子供向けでとっつきやすいのは言うまでもない。歴史や、物語全般の予備知識を要求するまおゆうに比べ、LHはまさしく「ライトノベル」していて、作者が語りかけたい対象が、しっかりと少年世代に据えられているんだろうなぁと思う
2010-05-09 08:42:24そして読者の案内人であるシロエは、まおゆうで描かれてきた思想を体現する性格の持ち主であるため、彼が理想とする世界は、気持ち良く期待できるものだ
2010-05-09 08:45:35結論をまとめると、LHは「面白いチュートリアル」として魅力的であって、それが異世界ファンタジーの現代に適したかたちで描かれているということ(そもそも異世界ファンタジーの役割とはチュートリアルである)
2010-05-09 08:50:27とまぁ、これが入り口としてのだいたいの構造の話であって、そこから先にどんな物語が待ち受けているのか、というのはまた別の問題ですね。おわり
2010-05-09 08:52:11@izumino 丁度休憩中でした。自分は『ナルニア国物語』未読なのですが(何と貧しい読書体験!)、シムシティの例えは判りやすかったです。異世界召喚ものだと自分は長谷川祐一さんの『轟世剣ダイ・ソード』とか思い浮かびますが、あれはちょっとニュアンスが異なるのかな?
2010-05-16 22:48:50@m_kikuchi_ ぼくもナルニア詳しくはないんですが……。ナルニアは劇場版の一作目だけでもいいかと。あれって映像でやると、それこそ「ツッコミどころ」が出てくるんですが、かえって「なぜそんなお話にする必要があるのか?」って考える切っ掛けになって良いと思ってます
2010-05-16 22:51:42@m_kikuchi_ @izumino 「ナルニア」はアスラン=キリストっていう教化物語であるってのを意識するかしないかで全然違う話なので、異世界召還としてはちょい微妙かも。
2010-05-16 23:02:33@soorce @m_kikuchi_ ぼくがナルニア第一章で重視しているのは「王族としての半生を経験し、戦争やリーダーシップ、悪に打ち勝つ勇気と優しさを学ぶ」という仮想体験が凝縮されているところですね。あとナルニア自体は「召還」じゃないので、「異世界召還モノ」は別のくくりですね
2010-05-16 23:10:15@izumino 1~6巻でナルニアに召還された人たちが「さいごの戦い」でどうやって再度ナルニアに行く事になるかとか、4兄妹の中でも「王族と~」の後にナルニアを忘れる(信仰を失う)ことになってしまうとか、その辺で評価や見方は変わるでしょうね。
2010-05-16 23:22:45