平川克美さん @hirakawamaru【大阪W選挙の結果について】連ツイまとめ

平川克美さんによる大阪W選挙の結果に関する連続ツイート。 (2011年11月28日)
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平川克美 @hirakawamaru

七十歳代が平松支持で、三十代が橋元指示が明確に出た選挙だった。いろいろ分析は可能だろうが、端的にテレビの影響が強く出た結果だろうと思う。テレビの中の独裁者は、見ていて気持ちがいいのかもしれないが、現実にそれが何をもたらすかについて深慮したとは思えない。

2011-11-27 22:13:53
平川克美 @hirakawamaru

橋元じゃなくって橋下でしたね。お詫び訂正いたします。

2011-11-27 22:58:33
平川克美 @hirakawamaru

民主主義は、効率やスピードよりも手続きやプロセスを重視するという知恵が発見した方法です。すっきりと、素早い結果を求めた結果、モンスターのような独裁者の登場を許した苦い経験を通じて。大阪選を見ていると、三十歳代の選択は、民主主義に飽いてきたのかとも思う

2011-11-27 23:04:30
平川克美 @hirakawamaru

手続きやプロセスを重視するという政治手法よりは、明確なビジョンを示して強引に牽引する政治手法を持つ為政者が求められるようになったということです。現実的であることとは、複雑さや、曖昧さ、不完全さに耐えるということ。テレビとは、その耐性とは真反対のメディアです。

2011-11-27 23:19:33
平川克美 @hirakawamaru

選挙や多数決は、確かに民主主義を担保する意思決定手段です。しかし、少数者を尊重するという普段の努力こそが民主主義の根幹の理念です。少数者を無視したり弾圧する独裁者もまた、選挙によって選ばれる可能性があるからです。

2011-11-27 23:55:20
平川克美 @hirakawamaru

民主主義に飽きたり、絶望したりした人々が、選挙で独裁者を選ぶということはよくあることであり、まさに民主主義のディレンマだといえる。

2011-11-27 23:59:16
平川克美 @hirakawamaru

わたしが、『移行期的混乱』のなかで、民主主義が民主主義を破壊すると書いたのはそういうことです。

2011-11-28 00:00:32
平川克美 @hirakawamaru

すべての独裁者は、民意を代表して政治を行なうと宣言する。そして、民意に反するものは去ってもらうといいだすのです、と書いていたら橋下さん、同じこと言っちゃってるわ。

2011-11-28 00:03:12
平川克美 @hirakawamaru

民主主義とは、最悪を回避するための工夫だったわけですから、民主的な手続きによって達成されうるものは、不満足や、停滞や、やり残しといったものにならざるを得ない。明確で、完全な変化というものへの期待を断念しなければ、民主主義は遂行できない。

2011-11-28 01:22:58
平川克美 @hirakawamaru

効率的な一元管理、スピーディーな意思決定、完全な破壊と創造を掲げる指導者に一票を投ずることは、それが最悪の結果になるかもしれないということを勘定にいれなくてはならない。

2011-11-28 01:26:43
平川克美 @hirakawamaru

世の中に旧弊がはびこり、停滞するのは不幸な時代だが、それらを一挙に変革することに賭ける博打的選挙行動が勝利する時代はもっと不幸な時代だということです。

2011-11-28 01:29:08
平川克美 @hirakawamaru

いろいろ書いてきましたが「英雄のいない時代は不幸だが、英雄を待望する時代はもっと不幸だ」@(ブレヒトか、寺山だったかしら)というのが、わたしの大阪選挙に対する結論的感想です。

2011-11-28 01:38:34

追記

平川克美 @hirakawamaru

大阪の民意は、3:2ぐらいに分かれたってこと。「民意に従えぬものは去ってもらう」という言葉は、民意の悪用というべきだ。なめるんじゃねぇと言い返せ、大阪民意よ。

2011-11-28 22:59:21
平川克美 @hirakawamaru

橋下さんがやらなくてはならないことは、自分に投票しなかった四割の大阪市民や、市役所職員に自分に従わなければ退場せよということではなく、条理を尽くして自説を説明すること。自分に同意しないものたちと、共存していく工夫をすること。

2011-11-28 23:09:07
平川克美 @hirakawamaru

市長もまた公僕だってことを理解すること。この基本をかれも、市民も忘れかけている気がする。

2011-11-28 23:12:47
平川克美 @hirakawamaru

民主主義とは、全員が同意しなければならないということではありません。そんなことはありえないですからね。民主主義が意味しているのは、意思決定プロセスそのものであり、意思決定の手法です。その手法に合意があれば、ひとは反対意見にも耳を傾けることができる。

2011-11-29 15:51:58
平川克美 @hirakawamaru

橋下さんは、十分説明しているというご意見がありました。説明とは、反対派の同意を取り付ける努力のことです。かれは反対派を含めて代表者になったわけです。合意形成プロセスを端折れば、選挙とは白紙委任の選択となり、民主主義の否定です。反対派を切り捨てるという選択はありえません。

2011-11-29 15:41:58
平川克美 @hirakawamaru

承前)その合意を担保しているのは、少数派の意見によって多数派の意見が修正される可能性が開かれているということです。あらかじめ、少数派の意見は聞きませんと宣言することは、民主主義そのものへの挑戦です。

2011-11-29 15:59:22

追記2

平川克美 @hirakawamaru

敵対者を発見し、現状の停滞はすべてこの敵対者に原因するというロジックは、一見わかり易く、それゆえ政治的にしばしば採用される。

2011-11-30 12:58:48
平川克美 @hirakawamaru

このロジックの欠点は、最初は外敵を打破するという手法で集められた同質集団が、次にはその集団内部に敵を発見しなくてはならなくなるということです。そうやって同質集団は縮小していく。歴史上の同一党派に起きた粛清はそのことを示しています。

2011-11-30 12:59:03
平川克美 @hirakawamaru

このようにして、最期はごく少数の独裁的な権力と多数の面従腹背者しか残らなくなる。 これを避けるためには、最初のロジックを見直す必要がある。それは、敵対者のなかに、自分との同質性を発見するということ。

2011-11-30 12:59:16
平川克美 @hirakawamaru

政治的成熟とは、敵対者のなかに、自分と同じものを見出して、なんだ同じじゃないかというかたちで協同するところに始まります。そうすることによって、はじめて違いが何であったのかということが冷静に判断することができる

2011-11-30 12:59:29
平川克美 @hirakawamaru

同じものなど何一つないという方もおられるかもしれませんが、それこそ幼児的な観念の特徴だろうと思います。人間は同じところから出発して、成長するに従ってそれぞれ個性的にばらけていく。成長期とは異質性を発見していくプロセスだからです。

2011-11-30 13:00:30