20111204 #ETV 特集「原発事故に立ち向かうコメ農家」

ほんのこ @shbttsy74

#ETV 特集「原発事故に立ち向かうコメ農家」福島県天栄村。田に高価な薬剤をまく農家。「限りなくコメの汚染をゼロにしたい」大玉村では、農家の鈴木さんが東電を訴える告訴状を書き上げた。「事故だったら警察動くはず」ふたつの村で放射能汚染と戦う農家の人びと。その8カ月の記録。

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#ETV 特集。福島県天栄村。里山に囲まれた農村。ミネラル豊富な源流水と自然環境がコメ作りに役だってきた。21人の農家グループ＝天栄米栽培研究会。コメのコンクールで3年連続金賞。5年前に結成、全国に天栄米のコメを知らしめた。福島第一原発から約70km。

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#ETV 特集。野菜出荷制限。会のメンバーが話し合い。「安全でおいしい」の旗印を降ろすわけにもいかない。4月、国は、農地の放射性セシウムが5000ベクレル／1kgでは稲の作付制限を行うと。500ベクレルなら出荷制限。天栄村は1128ベクレル。しかし会のメンバーは悩む。

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#ETV 特集。500ベクレル以下という国の基準を満たせばいいのか、それとも限りなくゼロに近づけるのか。「子どもがいて、放射性物質が入ったものを食べさせたい親は、世の中にひとりもいない。そういうふうなこと考えればゼロにしたいんですよ。食味をとるのか安全をとるのか」

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#ETV 特集。最初の試み、化学肥料カリウムの散布。会長の岡部正行さん、大量のカリウムを巻く。セシウムが水に溶ける→稲に吸収されやすい。この吸収をおさえるのがカリウム。カリウムを限界まで吸収させ、その分セシウムを少なくする。欠点も。大量散布は栄養過多、味が悪くなる。

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#ETV 特集。岡部さん、味よりも安全を選ぶ。10アール40kgのカリウムを散布。会の事務局長の吉成邦市さん。放射能汚染をおさえる、カリウムをこえる有効な物質、ゼオライトを探しだす。セシウムを内部にとりこんではなさない性質。しかしセシウムだけでなく、栄養元素も取り込む。

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#ETV 特集。会長の岡部さん、ゼオライトを巻くことに。苦渋の選択。「余計な仕事、大変な仕事。原発事故がなければ通常使わない資材だから、その分出費がかさみ、労力も」2年前金賞をとった石井透公さんもゼオライトを巻く。「田んぼが変わっちゃうんじゃないか」

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#ETV 特集。4月下旬、国は20km圏内の稲の作付けを禁止。県の面積の約1割。それ以外の地域は例年通りの耕作を認める。福島県大玉村、比較的高い数値。最初の土壌調査で7000ベクレル超。再調査で4197ベクレル。作付け可能に。福島第一原発から約60km。

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#ETV 特集。鈴木博之さん、農業生産法人の社長。コメ一筋。「真っ白。ウソーって感じ。関係ないと思っていたから。ここまで影響あると思ってなかった」極力農薬・除草剤を減らすコメ作りをしてきた。すべて自分で販売、消費者に直接届ける。全国200人ほどに宅配便で届けている。

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#ETV 特集。鈴木さん、原発事故以降、資金繰りが苦しくなる。直売所では去年のコメも売れない。売り上げが80％も落ち込む。放射能調査の結果を貼り出す。事故と関係ない去年のコメも。「風評被害で売り上げが落ちれば、資金繰りが苦しくなる。売り上げ落ちてる会社に銀行は貸すか？」

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#ETV 特集。罹災証明書がなければ融資できないと銀行。証明書の発行を申請。村は発行せず。前例がない、と返答。村からは、罹災届出証明書が発行。鈴木さんの行動を追認しただけ。「原発事故でしょ。事象といってたけど。事故なら事故証明書出る。でも出ない。村に出せって言ったけど」

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#ETV 特集。「県も指導はできないと。市町村長の判断だからって」県がダメなら国が、と考えた鈴木さん。農水省は「わからない。内閣府に対策室がある」と。東京に行く。「内閣府に行ったけど、たらい回し」指導できるなら原子力安全・保安院だと教えられた。

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#ETV 特集。田植えが一段落して、原子力安全・保安院に電話。「ああ、そうですか、はあ…」「そうなんですか、ああ、なるほど…」「基本的には地方自治体に発行していただくのが前提で…」いや、それはわかっているんですよ。命かかっているんですわ。「地方自治体が発行するのが…」

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#ETV 特集。ようやく村から被災証明書が出た。放射性物質が測定され、去年のコメが売れなくなった、直売所の客が減り売り上げが落ちたことが原因。放射能物質による土壌汚染が原因ではない。放射能を汚染物質として規制する法律が見つからない。土壌汚染対策法では、放射性物質を除外。

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#ETV 特集。「事故なのに警察は動かないし、事故証明出さないし、罹災証明出さないし。事故なのかな？と」環境基本法13条、原子力基本法などの法律で定める、と。しかしこの時点で、放射性物質による土壌汚染に対してどうするかを定めた法律は、存在していなかった。

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#ETV 特集。天栄村の吉成さん。ゼオライトより効果が大きい物質にいきあたる。副事業部長の服部俊雄さんが訪れる。製造しているのは、紺青（プルシアンブルー）。セシウムを取り除く強力な力がある。チェルノブイリでは、ウシの餌に混ぜて、牛肉を除染。農水省も注目。

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#ETV 特集。プルシアンブルー製造の第一人者、産業技術総合研究所の川本徹さんも福島県に。「一番違うのは選択性。カリウムがいてもセシウムを吸う能力が高い。1万個あったら9999個吸うイメージで」プルシアンブルーを田んぼに巻くことに。前例がない。

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#ETV 特集。研究会にはもうひとつの期待が。土の中に入ったセシウムも除染できるのでは？それから1ヶ月半。再び専門家との会合。水を加え泥水にすればセシウムを取り出せる？専門家の見解は甘くない。「プルシアンブルーの目的ははがれやすいものを吸わせて農作物に行かすのをなくす」

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#ETV 特集。土壌のセシウムはそのまま。大半のセシウムは粘土のまま出てくる。プルシアンブルーは、水に溶けたセシウムには働くが、土に入ったセシウムは取り除けない。6月、大玉村。鈴木さん、新たな不安。牧草から基準値を超える放射性物質が検出された。雑草にも蓄積しているはず。

ほんのこ @shbttsy74

#ETV 特集。この直前、東電は、風評被害なら賠償に応じる姿勢を見せた。しかし、風評被害ではなく、土壌汚染など環境そのものが破壊された損害賠償を考える鈴木さん。「事故の説明をし、謝り、誠意をもって賠償する、それをするならこんなことはしなかった。一方的に上から目線」

ほんのこ @shbttsy74

#ETV 特集。6月30日。鈴木さん上京。東京地方検察庁へ。東電を訴える告訴状を提出するため。一人で書き上げた。土壌汚染・農業用水、ふたつの被害に絞る。家族は心配しながら見ている。妻「やめてくれなんて言うことはない。性格もある。決めたことはやる性格ですから」

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#ETV 特集。告訴状、すぐ検察から送り返された。具体的な犯罪事実が特定されていないと。受理するかの判断材料に乏しいとも。「具体的に法律用語を知ってる人じゃないと受理できないのかなあと落ち込んだ。確かに自分でも読みかえして、具体性がないと思った。察してくれると思ったが」

京谷寿美子　翻訳家＆ライター @sumikokyotani

@shbttsy74 必殺仕事人に頼みたい気分。

ほんのこ @shbttsy74

#ETV 特集。7月20日、鈴木さん、伊香保温泉へ。大規模稲作農家の全国大会。「30km圏外、風評被害の嵐。なんの手当も、説明もない。私らは農家です。先祖伝来の土地を預っている。逃げたらなんて言われるか、あの野郎根性なしと。一番きついのがここ。逃げられねえんだ。悔しい」

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#ETV 特集。「せめてさあ、仲間だろ。一緒になんかしてくれや。このままでは本当に…2人自殺したけどさ、今日だってここに来れない。事故だよね。うそやん。事故だったら警察動くはずやろ。事故証明出てこないやん。地震津波なら出す。原発事故って書くと出さない。オレのせいかよ」