米国科学アカデミーと日本学術会議

National Academy of Sciences http://www.nasonline.org/ 日本学術会議 http://www.scj.go.jp/
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kmiura @kmiura

日本の科学者の弱み、というのは米科学アカデミーのような独自の科学者集団がないこと、という点は以前から@sivadさんが指摘していたこと。そうした同業者団体がないから、独立した本質的批判が展開されにくい。で官僚主義に対抗できない。それは「書式」に振り回されることからはじまる。

2011-12-15 06:53:17
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

これはほんと致命的な欠陥で、私も6月の公共哲学シンポhttp://t.co/SXhLgmjr とか岩波『科学』9月号の拙論で、米科学アカデミーに対していかに日本学術会議が空虚かを論じたのでした。RT @kmiura: 日本の科学者の弱み、というのは米科学アカデミーのような独自の

2011-12-15 12:13:58
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

米国科学アカデミー(NAS)と比べた日本学術会議の致命的欠陥は事務局に科学の専門性をもったスタッフがいないこと。NASは専門スタッフが千人近く(主任クラスは博士号持ちで百名以上)いて、六百近くある専門委員会の運営を手掛けているが、日本学術会議の事務局は文科省からの出向者ばかり。

2011-12-15 12:35:39
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

続)NASも学術会議も、専門委員会のメンバーは各分野で第一線をはる優秀な研究者たちであるのは同じだが、彼らを単に集めるだけでは有意味な政策助言はできない。優秀ということは日頃研究・教育等で大変忙しいということでもあり、時折集まるだけの委員会だけで実質的なことはできない。

2011-12-15 12:38:57
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

続)鍵となるのは、運営部門のスタッフの専門性。委員会での審議のために、科学的な情報をできるだけ網羅的かつup-to-dateに収集・整理し、有用な資料を作成するには、関連する科学分野の専門知識やリサーチ能力、フォーマル/インフォーマルな人的ネットワークが不可欠。

2011-12-15 12:43:17
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

続)そうした専門性を備えたスタッフがいるからこそ、委員会にちゃんとした資料が揃えられ、委員たちが効率的かつバランス良く、深く議論できるようになる。

2011-12-15 12:45:33
Syun Tutiya @tutiya

PNAS出しているところと比べるのは無茶。RT @hirakawah: 続)そうした専門性を備えたスタッフがいるからこそ、委員会にちゃんとした資料が揃えられ、委員たちが効率的かつバランス良く、深く議論できるようになる。

2011-12-15 12:49:16
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

続)結局のところ日本の欠陥は、そうした専門知の生産と活用に費用をかけることをあまりに惜しむこと。一番の費用は専門的人材の雇用に必要な人件費で、仮に百人雇っても7~8億程度用意すればいい話。それを惜しむから日本のアカデミーは張り子の虎のままとなる。

2011-12-15 12:50:35
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

確かにNASは世界的に見ても特異なのですが、日本学術会議はその対極にある存在として、NASほどではなくても、もっとなんとかしないとと思うのです。さもないと学士院と区別つきませんし。RT @tutiya: PNAS出しているところと比べるのは無茶。

2011-12-15 12:55:20
みちひと@鳥取 @michihito_t

@hirakawah 補助金が無くても雇用の流動性を高めるだけでもかなり行けると思います。しかし、アカデミアはポスドク問題になるくらい雇用の流動性が低いし、政策立案、助言の為に引きぬくのに誰が最適なのかすら情報が無い。

2011-12-15 12:59:14
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

.@michihito_t 確かに雇用の流動性が鍵なんですが、仰る通りポスドク問題が発生するくらいそれが低いのが現状なんですよね。資金を市場調達しようにも日本では民間シンクタンクの調査部門(特に科学技術関連)はどこも赤字で絶滅危惧業種ですし。

2011-12-15 13:05:45
Syun Tutiya @tutiya

@hirakawah 100人で7、8億は安すぎるのでは? 1人1千万(社会保険など含めて)用意しないと。10億というとNASの事業収入の半分くらい? 税金というわけにはいかないでしょうし。

2011-12-15 13:06:38
みちひと@鳥取 @michihito_t

@hirakawah 民間シンクタンクだけじゃなくても、潜在的にはニーズはあるのだと思います。問題は業界が日本の政策調査史上が固着化している点ですが、インターネットに不慣れな世代が一気に引退し始めるこれから20年で劇的に変わるはずです。それまでに科学側の整備が必須です。

2011-12-15 13:10:50
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

.@michihito_t 人材としては、もしちゃんと食べていける職場が常にあれば、集まってくる人は若手含めてけっこういると思うし、知ってる範囲でもいるのですが、雇用がないのが現状です。

2011-12-15 13:12:28
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

潜在的ニーズは確実にあるはずなんですよね。この変化に備えていきたいですね。RT @michihito_t: @hirakawah 問題は業界が日本の政策調査史上が固着化している点ですが、インターネットに不慣れな世代が一気に引退し始めるこれから20年で劇的に変わるはずです。それまで

2011-12-15 13:14:06
megumeru @megumeru

@hirakawah @michihito_t 資金調達のあり方も考えていきませんと。

2011-12-15 13:14:23
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

大学の准教授クラス以上の人材を多く揃えると、確かに10億はかかりますね。RT @tutiya: @hirakawah 100人で7、8億は安すぎるのでは? 1人1千万(社会保険など含めて)用意しないと。10億というとNASの事業収入の半分くらい? 税金というわけにはいかないでしょ

2011-12-15 13:27:28
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

.@tutiya 因みにNASを含めたNational Academies全体では、この資料(古いですが)http://t.co/ZO5uwg0h によれば99年で約1億9,200 万ドル(約215 億円 1ドル=112 円)、内約1億6,000 万ドルは連邦政府機関からですね。

2011-12-15 13:30:24
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

大変難問ですが、それなしには動きませんからね。RT @megumeru: @hirakawah @michihito_t 資金調達のあり方も考えていきませんと。

2011-12-15 13:34:04
megumeru @megumeru

@hirakawah @michihito_t ファンドレイズはどの組織にとっても避けられない物です。

2011-12-15 13:35:35
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

因みにこの国は、与党(その時は自民)がシンクタンク作ろうとして、確か年間2000万程度しか予算を用意できず、あっというまに潰れたような国である。専門的な知識生産は肉体をもった人間が時間と手間と体力と費用を使ってやるのだという当たり前のことが無視されすぎ。

2011-12-15 13:36:16
Syun Tutiya @tutiya

@hirakawah http://t.co/DQD4L83m だと、2009/10は政府とのコントラクトで$242M、Fees and pubsで$20Mです。まあ、日本の7大学を除く大規模国立大学(教員1千人規模)の病院収入を除いた予算額より大きいというわけですね。

2011-12-15 13:37:14
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

なんだか別の惑星の話のようです RT @tutiya: @hirakawah 2009/10は政府とのコントラクトで$242M、Fees and pubsで$20Mです。まあ、日本の7大学を除く大規模国立大学(教員1千人規模)の病院収入を除いた予算額より大きいというわけですね。

2011-12-15 13:39:40
仁英 @wild_pon_chan

平川先生@hirakawahのツイートを見ていても、専門家だけで科学者組織が何とかできると思っている様な気がする。専門性と対極にある一般性の必要性を理解しなければ、平川先生が例として挙げるNASに近づくのは、難しいだろう。ジェラルドワインバーグならライト点いてないね。と言うかな

2011-12-15 13:44:56
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

.@wild_pon_chan 強調してませんでしたが、アカデミーの運営部門の専門スタッフには、一分野の深いが狭い専門性ではなく、複数の分野や、科学や技術が置かれた社会的文脈を俯瞰し、異分野・異領域を横つなぎできるような「媒介的専門性」がより強く求められると思います。

2011-12-15 13:51:24