カース・オブ・エンシェント・カンジ、オア・ザ・シークレット・オブ・ダークニンジャ・ソウル #6

翻訳チームによるサイバーパンク・ニンジャ活劇小説「ニンジャスレイヤー」リアルタイム翻訳 (原作:Bradley Bond-san & Philip Ninj@ Morzez-san) ニンジャスレイヤー公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 続きを読む
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

第2部「キョート殺伐都市」より 「カース・オブ・エンシェント・カンジ、オア・ザ・シークレット・オブ・ダークニンジャ・ソウル」#6

2011-12-18 23:30:40
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「そうだ、俺が知りたいのはそれだ」ダークニンジャは、マルノウチ抗争の夜に殺し損ねたあの男に対して予想だにせぬ殺意を覚えつつも、サンダーフォージに問うた「お前は知っているな、平安時代にハガネ・ニンジャがいかなる最期を遂げたかを。そして古き漢字の呪いを。俺が知りたいのは、それだ」 1

2011-12-18 23:47:20
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「ハガネ・ニンジャよ、我が酷薄なる主よ!やはりそれを問うか!」サンダーフォージは苦悶した「……しかし答えましょうぞ。全ての秘密を。カツ・ワンソーの肉体が滅びた後、何が起こったのかを。何故このサンダーフォージめが、二重に呪われることとなったのかを!」 2

2011-12-18 23:52:05
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……ヌンジャの肉体が滅び、そのソウルが黄金立方体へと吸収された後、まだワンソーの死を知らぬ東軍西軍のニンジャたちの間で、戦いは続いていた。その喧騒の中で、ハガネ・ニンジャとハトリ・ニンジャは、カツ・ワンソーのソクシンブツめいた骸を見下ろしていた。ここで、新たな悲劇が起こった。 4

2011-12-18 23:57:28
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ハトリは、宿敵カツ・ワンソーの邪悪なニンジャソウルの一部が、どういうわけか妖刀ベッピンの中に囚われたことを察知していた。そこで彼は、この危険すぎるカタナをワンソーの死骸とともに滅ぼそうとしたのだが……ハガネ・ニンジャはこれを拒んだ。そしてカタナを抜き、ハトリを斬り殺したのだ。 5

2011-12-19 00:04:32
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誰にも見られることなく裏切りを成したハガネ・ニンジャは、ハトリとワンソーの死体とともにフジサンを去った。妖刀ベッピンを担いで。そして他の六騎士に対しては「総大将ハトリはカツ・ワンソーによって殺された」と欺き、ハトリ・ニンジャを神聖なるシュライン「シックスゲイツ」で弔ったのだ。 6

2011-12-19 00:15:47
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この暗い真実が解き明かされ、六騎士の一人であるソガ・ニンジャが彼を失墜させるまでの間、ハガネ・ニンジャは六騎士の頂点に立ち続けた。すなわち、全ニンジャの頂点である。暗黒時代は終わり、平安時代が訪れようとしていた。。 7

2011-12-19 00:27:42
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一方、カジヤ・ニンジャはどうなったのか?彼はバトル・オブ・ムーホンが起こった時、ワンソーの怒りを避けるように、自らの鍛冶場で武器を鍛えていた。だがカツ・ワンソーが滅びた時……ヌンジャ殺しのカタナを鍛えた彼の頭にワンソーの声が響き、永遠なる反省の呪いが降りかかったのだ。 8

2011-12-19 00:44:44
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

それは、永遠の罪の意識にさいなまれながら生き続けるという呪いであった。ハトリの娘ベッピンへの想いに衝き動かされて衝動的に魔剣を鍛えたカジヤ・ニンジャは、内心、それが本当に奥ゆかしく正しい行いだったのか不意に恐ろしくなり、鍛冶場に隠れていたのだ。呪いはそんな彼を大いに苦しめた。 9

2011-12-19 00:48:50
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

彼にとって唯一の救いは、東軍が勝利し、ハトリの娘ベッピンが生き残ったことであった。そこで彼はハガネ・ニンジャのもとを訪れ、正式に主従の誓いを立て、ハトリの娘と吊り合うだけの地位を得ようとした。カジヤは内心、ハトリ本人に仕えることを望んでいたが、ハトリはもう死んでいたからだ。 10

2011-12-19 00:54:59
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

だが、おお、ナムアミダブツ!何たる悲恋か!カジヤ・ニンジャがドゲザして主従関係を結ぶべくヘーアンキョ・キャッスル天守閣を訪れると、ハガネの玉座の横には、ハトリの娘ベッピンが妃として正座していたのだ!ニンジャ大戦の勃発前より、ハガネ・ニンジャと彼女は恋仲にあったのである! 11

2011-12-19 01:05:23
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「このカタナにかけて誓え」冷酷なるハガネ・ニンジャは、妖刀ベッピンを掲げながら言い放った。ショッギョ・ムッジョ!だがカジヤ・ニンジャは、怒りも悲しみも露にせず、ただドゲザし、事を荒げることなくハガネに忠誠を誓った。それが彼女の幸福のためなのだと、ひたすら自分に言い聞かせて。 12

2011-12-19 01:12:14
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

だが数年が経つと、ハガネ・ニンジャの行動が常軌を逸し始めた。彼のハガネ色の瞳には、妖刀が放つ光のような、紫色の輝きが宿り始めた。彼はさらなる力を追い求め、また少しでも気に食わぬことがあれば側近のニンジャさえ殺した。しかもハイクを詠む名誉すら与えず、必ず心臓を貫いて処刑した。 13

2011-12-19 01:22:38
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

心臓から生き血を啜るたび、ベッピンに宿るニンジャソウルの力は強まっていった。この妖刀は、殺した者のニンジャソウルを吸収していたのだ。最初にそれに気付いたのは、名をサンダーフォージと改めたカジヤであった。サンダーフォージは、そんなジツをベッピンに込めたつもりはなかった。 14

2011-12-19 01:28:31
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

恐らくは、妖刀ベッピンがカツ・ワンソーを滅ぼした時に、意図せずに備わってしまったジツであろうと考えられた。妖刀が強まるたびに、ハガネ・ニンジャ自身のカラテも強まり、実際すでにハトリのそれを超えていた。ハガネの目的は、さらに力を得て、自分自身が新たなヌンジャとなることだった。 15

2011-12-19 01:34:39
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

恐らくは、妖刀ベッピンがカツ・ワンソーを滅ぼした時に、意図せずに備わってしまったジツであろうと考えられた。妖刀が強まるたびに、ハガネ・ニンジャ自身のカラテも強まり、実際すでにハトリのそれを超えていた。ハガネの目的は、さらに力を得て、自分自身が新たなヌンジャとなることだった。 15

2011-12-19 22:04:44
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

だがハガネ・ニンジャの支配は長くは続かなかった。他にも城を構える六騎士のうち、特に権謀術数に優れていたソガ・ニンジャが、謎めいたジツなどを使ってハガネ・ニンジャの暗い秘密を暴いたのだ。彼がハトリ・ニンジャを殺していたこと、そして妖刀ベッピンに宿っている危険すぎる力を! 16

2011-12-19 22:15:12
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

---「そしてハガネ・ニンジャよ、あなたは妖刀を背負ってヘーアンキョ・キャッスルから逃げ出したのです」サンダーフォージは腕の一本を、洞窟の隅に置かれたハニワへと伸ばす。それを叩き割り、何枚もタリスマンが張られた大きなヒョータンを取り出した。すでに妖刀は1本の形に戻っている。 17

2011-12-19 22:21:43
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「それは何だ」「ジツで保存した人間の生き血です。遠い昔の」サンダーフォージは口で蓋を外し、すでに空気を焦がすほどの湯気を発するベッピンの刀身に黒い液体をかけた。「真水で鍛えた鋼鉄は、一見強く、しかし弱いのです。真の魔剣を鍛えるには、怨念や殺意の篭った生き血が必要なのです」 18

2011-12-19 22:33:54
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

Ssssssssss……ヒョータンからかけられた血は、コブラめいた音を立てて一瞬にして蒸発し、鍛冶場の中を異臭で満たした。ベッピンの刀身に刻まれたカタカナや漢字の奥で、一瞬だけ、拍動するように紫色の光が光った。「何度も繰り返します」サンダーフォージは再びハンマーを振るう。 19

2011-12-19 22:34:36