分析装置は「ポンパ」じゃないよ

宇治金時 @uzikin

分析装置はテレビや電灯じゃないし、テレビや電灯はそれだけのすごい工夫がされているというお話。

宇治金時 @uzikin

普段分析屋さんやってて思うのは、皆カタログスペックをものすごく信じるのなあって事です。わたくしははなから信じません。同僚（あまり向いてないと思う）から怒られるレベル。

宇治金時 @uzikin

また、使う際にテレビや電灯みたいに点灯すれば即そのスペックが100%発揮され、しかも故障率が鬼のように少ないと思っている人も多い多い！多少理系でもそう思ってる人は多いのです。

宇治金時 @uzikin

テレビや電灯は、点灯したらすぐ使えるのは実はものすごい工夫を重ねに重ねてああなっていて、コストは実はすごいのです。そして検査もものすごく沢山やっている。工場の人も多いし、検査の手順も分かっているだけにすごく構造が良くなっている。

宇治金時 @uzikin

それがあの値段ってのはひとえに数の力です。対して分析装置はまったく数が出ません。まして最新鋭の装置の不具合なんて、作った人もあまり分かってないんですよ。あと、あまり使われない装置もそうなんです。

宇治金時 @uzikin

昔の話をするとぶいぶい言われるかもしれませんが、昔は電灯が100%の明るさを出すのには平気で10分近く点灯してなきゃいけなかったし、テレビだってラジオだって安定するのに時間がかかってたんですよ。

宇治金時 @uzikin

その基本構造はまったく変わってなくて、工夫をして早く使えるようしてはいますが、根本はやはり安定するまで点灯してしばらく待つってのがあらゆる機械には優しいのです。真空管が小さな部品に変わって行ったとはいえ、ね。

宇治金時 @uzikin

PCなんか自分で工夫する人はこの話はちょっと腑に落ちるんじゃないかと思うのですが、これが分析装置となるととたんにすぐ点灯すぐ100%性能を求めちゃうのがちょっと面白い所。

宇治金時 @uzikin

わたくしが15分待ってというとちょっと突っかかられることもしばしば。分析装置って数出ないし、すぐ点灯して使う事をコストに反映させるニーズを、微量で正確に量らせろニーズが凌駕することがほとんどなのですよ。

宇治金時 @uzikin

まああまり微量を分析出来るのもピーキーでわたくし装置としてはあまり好きではないんですけどね。不特定不定形多数分析すると装置の方がオーバーフローして分析出来ない事が多発するので。

宇治金時 @uzikin

定量下限値は自分の分析条件で算出するものであって、カタログスペックを丸出しして「どや」ってものでは無いんですよ。まして標準物質がほとんど入手出来ない物に対してそれをするのは非常に危険です。

宇治金時 @uzikin

テレビや電灯のカタログスペックは、そのうちらの分析条件に匹敵する条件も裏にあるのですが、まあ数が出ていてコストに反映が少ないのと、比較する物好きがそんないないので（暮しの手帖とかありましたけど）特段使えない限り不具合が無い訳です。

宇治金時 @uzikin

対してこちらは依頼してくるお客様にいい加減な事をして、商品回収させて大損させるなんて事は出来ませんから（場合によっては倒産レベルですよ！！）カタログスペックなんて妄信しちゃ駄目なんです。信じて参考にはするけど、必ず確認をする。

宇治金時 @uzikin

また合格させればいいんでしょっていう態度だと、他の政府機関とかが分析して検出されて大騒ぎってのもよくある話。分析ってのは色んな所から再検証があるのはデフォなんですよ。

宇治金時 @uzikin

まして、最近ホットな放射線関連はもっとゆらぎのある装置ですんで、素人危険っとゆーても過言ではない。お役所もそうなので、下手な装置掴まされたり下手な装置の結果で振り回されたりします。悪質なのは分かっててやる所もあるのです。

宇治金時 @uzikin

日々工夫をし、コストも膨大にかけているテレビや電灯の感覚で分析装置を捉えると色んな事で困るので注意しましょう。そして、そういう家電の類の工夫も振り返ってみると使い方とか見直すきっかけになるといいなあ、で〆ます。