IAEAやICRP、WHO、UNSCEARの関係
- uchida_kawasaki
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1)一般の方には、IAEAやICRP、WHO、さらに国連のUNSCEAR(放射線の影響に関する国連科学委員会)の関係がとてもわかりにくいと思いますので、以下に私見をまとめます。まず、①IAEA(国際原子力機関)は151か国の参加国からなり、国連とは独立した国際機関ですが、
2011-12-30 23:17:182)原子力の平和利用に関して、WHO(世界保健連合。国連の専門機関のひとつ)と1959年に協定を結んで、原子力や放射線に関する研究や利用、統計についてはIAEAが行うことになりました。この協定のため、エイズや感染症などのようにWHOが主体的に放射線に関する医療に積極的に
2011-12-30 23:29:093)関わることはできなくなりました。IAEAが原子力の平和利用(原子力発電)について推進する立場であるのはよく知られていますが、国連やWHOがともすれば拠出する国の事情に左右されて資金難に苦しむのに対して、潤沢な予算と人的資源を持っているのが特徴といえます。IAEAとWHOの
2011-12-30 23:35:204)関係については、スイステレビが、長年WHOに携わったFernix医師の発言http://t.co/ffj7gPtu (1分25秒)と元WHO事務局長の中島宏博士の発言(4分50秒)を報道していますのでぜひご覧ください。特に中島WHO事務局長の証言は、なぜWHOがチェルノブイリ
2011-12-30 23:45:415)事故で主体的な報告書を出せなかったかを証言しています。次に、UNSCEAR(アンスケア:放射線の影響に関する国連科学委員会)ですが、ここは学術的に放射線の影響に関する調査を行う機関で、ICRP勧告の元になるデータを集めているところです。本来であればこの組織がもっと有名になって
2011-12-30 23:50:516)一般の人に広く知られてもいいはずなのですが、なぜかそのデータを解釈し、評価してガイドラインなどの勧告を出すのが、英国のNPO法人にすぎないICRP(事務局本部はカナダ)の役割になっています。またUNSCEAR自体も、100%公正無私というわけではなく、チェルノブイリ事故では
2011-12-30 23:57:277)IAEAの見解とまったく一致した報告を行っていたことは記憶にとどめておくべきだと思います。http://t.co/3ETsBqz3 (2001年キエフの国際学会でのUNSCEARの発表:0分8秒から。英語のみですがすみません。不器用でうまくつけられないのです^^;)
2011-12-31 00:05:018)私は低線量被曝に関するICRPのリスク設定の再検討は歓迎すべきことだと思います。NHK番組はICRPがガイドラインが設定するまでの実態を明らかにしたことはスクープだし、今後ICRPがよい方向に向かうかもと期待しています。以上、私見ですので間違いあったらご指摘ください。^^
2011-12-31 00:12:159)補足です。UNSCEARの2008年のレポートのまとめ(日本語)を紹介します。http://t.co/8occQovc ICRPを通して発表されてきたことと同様ですが、32ページに「1945‐2005年における核実験による世界中の一人当たりの実効線量推定値」の図があり、
2011-12-31 00:24:4110)この資料が、田原総一朗氏が朝生で「昔の核実験では今の線量の100倍だったんだ!福島は大したことない!」と上杉隆氏に熱く語ったソースになっているかもしれません。(違ったらごめんなさい^^;)ですが、勿論この図はチェルノブイリのデータは入っておりません。^^; 以上です。。
2011-12-31 00:28:16