現代詩/ラップ/サイファー その可能性

高橋源一郎氏の発言に詩人・佐藤雄一氏が応答。現代詩を「外部」にひらく可能性としてのラップ、サイファー。追いきれていない部分があるので、みなさま編集していただけるとうれしいです。
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2010-05-27 20:42:04
佐藤雄一(Sato Yuichi) @yy_sato

@takagengen 真摯な挑発感謝します。挑発で返すのが礼儀と思います。ぼくは現代詩手帖賞あがりなので、悪い意味でコテコテの現代詩の人間でしょう。そして、現代詩=四国リーグ(外から注目されるのは変則フォームの若い女の子だけ)というようなお話正しいと思います。でも、(続く)

2010-05-27 19:50:56
佐藤雄一(Sato Yuichi) @yy_sato

@takagengen 高橋さんのそれに対する処方箋は間違っていると思います。「外部」とおっしゃいましたが、それこそ、ぼくが道端でフリースタイルしているラッパーにまじってみて感じたことは、詩が口語をとりいれてサバイブするなどというヴィジョンはぬるいということです。むしろ(続く)

2010-05-27 19:51:17
佐藤雄一(Sato Yuichi) @yy_sato

@takagengen  ラップにも現代詩にもまったくおなじように共通する詩学をとらえ、それを実践することが重要と思いました。その詩学とは一言でいえば「それを受け取った人間が(たとえ3秒でも)詩人になれる作品だけが詩だ」ということです。そして、(続く)

2010-05-27 19:52:04
佐藤雄一(Sato Yuichi) @yy_sato

@takagengen それが詩が「外部」につながる最善の方法だと思います。川上さん、大江さんの作品は個別にとても印象的です。かつ、それらをライトでポップな詩として「外部」に売り込みたい高橋さんの真摯さには敬意を表します。しかし、現実的には売れない。川上さんですら、(続く)

2010-05-27 19:52:22
佐藤雄一(Sato Yuichi) @yy_sato

@takagengen 詩としてパッケージされたがゆえに、一万部に全然届かなかったと聞きます高橋さんのおっしゃる「外部」にはたして届いているのか。それは中原中也賞詩人という、新しい島国(にみえてしまう)ジャンルをつくっているだけではないのか。あるいは(続く)

2010-05-27 19:52:42
佐藤雄一(Sato Yuichi) @yy_sato

@takagengen 『新潮』に掲載される、風花のような文壇まわりが集まる場で話題になる、というのが『外部』に伝わることでしょうか。そうだとすれば、それはどうしても純文学というもうひとつのへゲモンに屈服しろといっているように聞こえます。もちろん(続く)

2010-05-27 19:52:57
佐藤雄一(Sato Yuichi) @yy_sato

@takagengen 文学には、貫ジャンル的なオーソドキシーがまだあり、現代詩はそのようなオーソドキシーを演出することに無頓着すぎる。でも、単純なパイの少なさでいえば現代詩、純文学は50歩100歩です。一方(続く)

2010-05-27 19:53:17
佐藤雄一(Sato Yuichi) @yy_sato

@takagengen 当事者以外には(おそらく現代詩以上に)あんまりリアルでない俳句というジャンルは、しかし、1000万人とさえいわれる当事者がいる。そして経済的に潤っている俳人も多い。なにが「外部」という問題は相対化されると思います。そして(続く)

2010-05-27 19:53:30
佐藤雄一(Sato Yuichi) @yy_sato

@takagengen HIP HOPを例にとると一番わかりやすいと思います。リアルと呼ばれるラッパーの共通点として、「リリックが暗記される」「そのラップを聴いてラップをはじめる子が多い」ということがあります。自分と違う人間の頭に、自分のリズムを忘れらないようにし、(続く)

2010-05-27 19:54:57
佐藤雄一(Sato Yuichi) @yy_sato

@takagengen リリックを覚えさせられる、あるいは、もうひとり別のラッパーを生み出すことができる、そういうラッパーがリアルでハードコアということでしょう。逆に時代の風俗や口語に表層的にこびたラッパーはストリートではワック(偽物)と呼ばれる。そしてラップというスタイルが、

2010-05-27 19:55:50
佐藤雄一(Sato Yuichi) @yy_sato

@takagengen 世界中の各言語で根付いて、 風化の激しい口語とは違い、続々と新しい世代に受け継がれているのは、前者のハードコアのように、他者への翻訳に耐えられる「詩のアルゴリズム」、つまり「アルゴリズム」としての「リズム」が強力だからだと思います。たとえば、

2010-05-27 19:56:09
佐藤雄一(Sato Yuichi) @yy_sato

@takagengen たまたま、浅田彰氏にswanky swipe ,鬼、といったハードコアのラップをおすすめしたら、非常に面白がってくれました。これがセルアウトにはないハードコアの外部への翻訳可能性だと思います。そして、その「詩のアルゴリズム」は(続く)

2010-05-27 19:56:34
佐藤雄一(Sato Yuichi) @yy_sato

@takagengen ラッパーの集まるサイファーがあれば、どこでも、無料で鍛えることができる、そして自分のリズムが他者に翻訳できているかすぐ確認できる。それがHIP HOPの強みだと思います。そして、それは詩そのものの本質でもある。紙がない時代から、(続く)

2010-05-27 19:57:02
佐藤雄一(Sato Yuichi) @yy_sato

@takagengen 連綿と詩は続き、それこそ、「芥川賞創設で詩は滅ぶ」と菊池寛にいわれた現在でさえ残っている。その驚異的なサスティナビリティーは「それを受け取った他者を詩人にす」る「詩のアルゴリズム」ゆえだと思います。(続く)

2010-05-27 19:57:24
佐藤雄一(Sato Yuichi) @yy_sato

@takagengen そして、これは現代詩にも応用できると思います。というより一度ためしてみました。新宿中央公園で無料、オープンマイクの朗読会をしてみたのです。そこには、ストリートにいるラッパー、現代詩手帖に書くような詩人、黒瀬 珂瀾のような歌人、高柳克弘のような俳人、(続く)

2010-05-27 19:57:39
佐藤雄一(Sato Yuichi) @yy_sato

@takagengen 間宮緑のような小説家、文芸誌詩誌の編集者、シネフィルの映画監督など100人以上あつまりました。そして自分と違うリズムの表現者に自分のリズムを翻訳できるか試してみた結果、ギャラリーから自発的に生まれて初めて詩人として朗読した人もでてきました。詩が(続く)

2010-05-27 19:59:14
佐藤雄一(Sato Yuichi) @yy_sato

@takagengen 詩人をつくったのです。わたしは、詩がタダで手軽にすごくうつくしいものをつくれるという美質が、口伝えにでも伝われば、HIP HOPのように全国各地でサイファーがひろまるのでは、ともくろんでいます。「現実の人間」を「詩人」に変えていくこと

2010-05-27 19:59:27
佐藤雄一(Sato Yuichi) @yy_sato

@takagengenそしてその連鎖が、向上心をもって日本語で詩を書く人間を、たとえば20万にすれば、川上さんの詩集も売れる、詩誌や文芸誌も結果的に栄える。そして、なにより、獄中のジュネやラッパーのように、ほぼ言葉しかもたない人が「詩人」としての自己を超人的に誇れる。

2010-05-27 19:59:40
佐藤雄一(Sato Yuichi) @yy_sato

@takagengen もちろん、いまのところ、それは誇大妄想です。が、手応えはあります。ここまで一方的に持論ばかりでしたが、違和感多々あると思います。そして、図々しさを承知でいえば、高橋さんにサイファーに来ていただいて、そこで詩についての考えの違いなどの決着をつけたいのです。

2010-05-27 20:00:14
佐藤雄一(Sato Yuichi) @yy_sato

@takagengen 次回は6月6日(カンパ300円、大学生以下無料。詳細はhttp://d.hatena.ne.jp/CAMPCYPHER/20100515です)、次次回は7月10日(藤井貞和氏や、エストニアから来日した詩人も参加)。それ以降毎月第一土曜に開催しています。

2010-05-27 20:00:54
佐藤雄一(Sato Yuichi) @yy_sato

@takagengen 詩壇人でも文壇人でもなく、詩人としてお互い言葉を出せる場となることを願っております。長文乱文お詫びするとともに、ここまで読んでくださったこと心から感謝申し上げます。(記:佐藤雄一)

2010-05-27 20:01:10
@saru_at_P

RT連発すんません。佐藤さん(@yy_sato)の一連の熱い呟きに呼応させてもらいたいと思います。ラップが詩であるということはしばしば忘れられがちです。ラップはヒップホップという文化の一要素であり、歌唱法であるとされている。しかし、ラップは詩でもある。 

2010-05-27 22:00:14
@saru_at_P

リズムの上で、韻律を奏でながら、自分自身の単語倉庫の中から、必死に言葉を選び出し、並べることで、なにかを作り出す。そうした作業を佐藤さんは「詩人になる」という美しい言葉で形容しています。もちろん、そこでいう「詩人」とは一体なんであるのか。そういう問題は常につきまといます。

2010-05-27 22:02:52
@saru_at_P

ヒップホップという文化の面白さに、ヘッズという存在があります。ヘッズは、リスナー以上プレイヤー未満。ラップやブレイキングに没頭することを楽しみ、そうした没頭のみを自分達の存在証明としている人々。そうした人々の存在こそがヒップホップという文化を支えている。

2010-05-27 22:05:59