周辺的なものたち[Kanon問題2001]
2009年1月に、先達のご意見を拝聴したいと思い「Kanon問題」でググッたときは、上位100件くらい見てみたけど、Kanon検定!クイズに答えて君はKanonをよく理解しているね!的な意味でのKanon問題しか見つからなかったですね。あくまでボクの記憶ですが。
2010-05-19 00:40:51しかし「本当はどっちだったか」方面の話にはなんだかなーともにょらざるをえない。とはいえボク自身の展開もなんだかなーともにょらざるをえない。さらなる跳躍こそが…待ち望まれる……!
2010-05-19 00:45:22たとえば「ときメモ」の爆弾というシステムは、選ばれなかった女の子の不幸を可視的そして物質的に表現しているシステムである(例の系譜の先祖だ)。爆弾が爆発した場合は、「女の子が傷つけたという噂が流れてる」と文章で表現されるように、傷ついて(傷つけて)いるわけだが、
2010-05-19 00:58:20かといって爆発しなかった場合に、彼女たちは何も傷ついてない・少しも不幸でない・嫉妬すらしてない、などと思うプレイヤーはいないだろう。彼女たちはその瞬間には傷つく一歩手前まで現実に達していて、それの解消=爆弾の解体は取り繕ったデートでしかないのだ。つまり根本的解決は図られていない。
2010-05-19 00:59:47そして熟練したプレイヤーでない限り、あるいは当初から戦略を練ってプレイしない限り、ほとんど全てのプレイにおいて、爆発を止めること自体は難しくないが、彼女たちの爆弾は確実に生じる。「殆ど毎プレイ爆弾に出くわす」という構成なのが重要なところである。
2010-05-19 01:03:19「不幸の上に幸福が成り立っているからそれを享受しよう」なんて話ではなく、かの爆弾は、彼女たちの不幸(の芽)なのに、プレイヤーには障害物に近い扱いであった(ただし心情次第で位は変わるが)。誰かの不幸や悲しみや傷は確かに存在していて、それと分かるよう作られている、にもかかわらず。
2010-05-19 01:09:44結果的には選択が誰かの悲しみを運ぶとはいえ、不幸を見定めろ、誰かを傷つけたことを認識しろ、お前の選択は人を悲しませることもあるんだ、ということをまったく主張しないシステムとテキストであった。本筋の裏で、外周で、邪魔者に近く、障害物と同意で、流れていく。
2010-05-19 01:13:36だから逆説的にその埋没した罪悪感を、埋没しているからこそ、愉しめる作りになっているんじゃないか――とか思うんです。よりゲームとして楽しませるための仕組みのひとつ。自己認識している罪悪感を人は(なかなか)楽しめませんが、自分でも認識していない罪悪感は楽しむことができます。
2010-05-19 01:15:49んー。自覚していない・認めていない愉しみが享楽だという享楽理論は、自分はそんなこと思っていないという否定に対して「思っていたら享楽にならないんですよ!」と返せる最強理論っぷりが、逆にとてつもない頭の悪さをアピールしていてなんかすげえダメだw
2010-05-19 01:25:33子供の頃の、風邪引いて親に寝ていなさいと云われたのにこっそり楽しむ(普段は面白くないし観ることもない)昼の教育テレビとか。あれが面白いのは、禁止条項に反するのだけど、しかし病人という免罪符を持っていて、そして免罪符の有効範囲の出来事である、ということに非自覚的(否認的)な点。
2010-05-19 01:28:39知ってるか?遡及的過去生成は3つに分けられる。SF的な他世界解釈の生成、精神分析・心理学的な心的現実としての生成、ドゥルーズ・ベルクソン的な潜勢的なことの生成、この3つだ。あいつは―――
2010-05-20 00:11:40拡充すると「マルチシナリオゆえの問題」という所があるんじゃないかにゃ。もしこの世にKanonが存在しなければ、他のゲームで問題になっていた可能性があるかといえば、あるのではないだろうか(たとえば、http://anond.hatelabo.jp/20071214114537)。
2010-05-20 00:20:37心的に収まりきってはくれないし、潜勢性に収まりきってはくれない。なにせ「等価値の」別のお話では、それらは現実であり現勢性であるのだから。それらを後退する力を持っている。遡及(ry がSF的なそれとしての面ばかりで語られることが多いのはそういった点とか。
2010-05-20 00:30:31対し、一度も現実になっておらず一度も現勢化しなかった話(たとえば秋子さんのほにゃららとか)は、空想や妄想や想像の領域をはみ出すことなく語られる。翻れば、えっと、そういうことです。
2010-05-20 00:33:33なんか身近でKanon問題とか議論してる人が居るので横から眺めていたんだけど、人間ってのはいろんな考え方があるものだとつくづく感じた
2010-05-20 23:21:13今ではある程度過去遡及説について客観的に見れるようになった気がするが、それでもこの説については一生理解できないと感じている
2010-05-20 23:36:28カント先生によると「自由意志が存在する/しない」っていう問いは『どちらも正しい』けど、「空間や時間は有限/無限である」って問いは『どちらも間違い』なんだそうですよ。
2010-05-25 22:48:22