「けいおん!」論争

映画研究者 大久保清朗氏(kiyoakiokubo)のWEB上での『映画 けいおん!』批評(http://d.hatena.ne.jp/SomeCameRunning/20111203)の内容について、Twitterで映画ブロガーk.onodera(kmovie)が批判をしたことに端を発した論争と反応のまとめ。
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小野寺系 / Kei Onodera @kmovie

「けいおん!」もそうだけど、大久保清朗さんのアニメ批評は的をはずしすぎてるよ。「輪るピングドラム」を語るときに、「銀河鉄道の夜」も「南極物語」まわりの考察も無視し、最近読んだ「虚無への供物」を持ち出してきて、誰か納得する人がいるのだろうか。分からないものは書かなきゃ良いのに。

2012-01-03 23:05:26
大久保清朗 Kiyoaki Okubo @kiyoakiokubo

@kmovie コメントありがとうございます。正面から作品に向き合わない、横やりを入れるような印象を持たれるのも仕方のないものだと思います。ひとつの見方として読み過ごして頂ければ。逆に、『けいおん!』でも『ピンドラ」でも何か興味深い考察がありましたら、ご教示下さい。

2012-01-05 00:42:49
小野寺系 / Kei Onodera @kmovie

@kiyoakiokubo 大変無礼な書き方をしてしまい申し訳ございません。文筆のプロであり優れた教育者だと思っておりますので、あえて批判的な表現をしてしまいました。両作品の考察については、私も寡聞にして存じておりませんが、今後自身のブログなどで書きたいと思っております。

2012-01-05 01:01:57
小野寺系 / Kei Onodera @kmovie

@kiyoakiokubo また「ピンドラ」に関しては、ご自身で「まとまらない」と言及しておられたので、批判するのは勇み足だったと思っております。お目汚し失礼致しました。

2012-01-05 01:18:37
小野寺系 / Kei Onodera @kmovie

@kiyoakiokubo 例えば、「けいおん!」は所謂オタク層をターゲットにした萌えアニメで、その作劇は、オタク層の視聴者の欲求に応えたものだという視点を無視したことに違和感を覚えた次第です。個人的には、最近のクリエイターがそういう安易な作品を作ることに憤りを覚えています。

2012-01-05 01:10:49
@yukaring88

大久保清朗の、批判への対応の仕方がすごくスマートでかっこいい。本当の大人はこういう風に返すんですね。

2012-01-05 20:15:48
大久保清朗 Kiyoaki Okubo @kiyoakiokubo

@kmovie 『けいおん!』の需要層を看過しているというご指摘は他の方からも頂きました。私は『けいおん!』を現象としてではなく作品として語りたかった。アニメが作品として成立するためには必ず受け手の欲望が考慮されているのですが、そうした欲望から作品を救い出したかったのです。

2012-01-06 01:14:59
小野寺系 / Kei Onodera @kmovie

@kiyoakiokubo 表層的アプローチをとられたというのは分かっているつもりですが、「けいおん!」の最も特異な点は、「処女性の徹底防衛」であり、それが要請するルールに従い作劇が進行する以上、それへの言及を意図して避けつつ作品の本質に迫るということが可能とは私には思えません。

2012-01-06 01:54:09
大久保清朗 Kiyoaki Okubo @kiyoakiokubo

@kmovie 処女性の徹底防衛! たしかに『けいおん!』で異性の恋愛が排除されているのですが、それがこの作品の「最も特異な点」でしょうか。『らき☆すた』や『日常』もさほど強調されていないと思うのですが。

2012-01-07 16:10:52
小野寺系 / Kei Onodera @kmovie

@kiyoakiokubo 幾度ものお返事感謝致します。強調されてないというより、もうすでに、処女への脅威がタブー視され、独自進化した貞操コードの適用が常態化されています。去勢されたような男しか出てきませんし、少女の恋愛感情や性欲はロボトミー切除されてます。これこそ特異でしょう。

2012-01-07 19:56:48
小野寺系 / Kei Onodera @kmovie

@kiyoakiokubo それはやはり、キャラクターを商品として売る手段に他ならず、自然なドラマづくりを犠牲にしてまで、コードを堅持することが優先されているのは明白だと思います。作り手は、どちらかを選べと命令されれば、迷わず「本質ではない方」のドラマ部分を切り捨てるでしょう。

2012-01-07 19:57:39
小野寺系 / Kei Onodera @kmovie

@kiyoakiokubo 無論、「赤毛のアン」にそのような不自然な縛りはありません。もともとの志が違っているのだと思います。「けいおん!」の、購買層にひたすら都合の良いような媚の売り方が、ドラマ部分にまで影響を与えているのを鑑みると、同列に並べられる作品ではないと思っています。

2012-01-07 20:01:03
大久保清朗 Kiyoaki Okubo @kiyoakiokubo

@kmovie こちらこそ何度もお返事頂けて恐縮です。もっともなご意見だと思います。『けいおん!』が、キャラクタービジネスによってさまざまな制約を受けていることは確かだと思いますし、またあの「けいおん!」の物語が「自然なドラマづくり」とは言いがたいというご意見にも同意します。

2012-01-08 10:14:23
大久保清朗 Kiyoaki Okubo @kiyoakiokubo

@kmovie ただアニメにおいて、ハリウッドのヘイズ・コードのような「独自進化した貞操コード」なるものがあるとして、必ずしもそうした制約が『けいおん!』にマイナスに作用してはいないと思うのです。むしろそうした制約を逆手にとって、きわめて洗練した表現に行き着いたように思います。

2012-01-08 10:20:44
大久保清朗 Kiyoaki Okubo @kiyoakiokubo

@kmovie 一例を挙げるなら、アニメオリジナルシナリオである第1期番外編の「冬の日!」の律ちゃんです。澪がポストに入れた歌詞をラブレターと勘違いして、こっそり前髪をおろして恥じらう姿は「萌え」を想定してるでしょうが、同時に「少女の恋愛感情」を見事に表現していると思うのです。

2012-01-08 10:28:16
大久保清朗 Kiyoaki Okubo @kiyoakiokubo

@kmovie 『赤毛のアン』について付け足すと、そもそも女の子のおしゃべりがえんえん続き、アニメらしい飛躍や運動にとぼしく、実写向きの題材をアニメ化することそのものが「不自然な縛り」だと思います。一部のファンを意識して作品作りをする点はどちらも変わらないのではないかと思います。

2012-01-08 10:36:46
永瀬恭一(一人組立) @nagasek

あと @kiyoakiokubo 氏が展開してる @maeda_yoshitaka 氏とのピングドラム論争、 @kmovie 氏とのけいおん!論争は面白い。対立する立場間でこれだけ喚起的な議論がされるのはtwitterでは珍しいのではないか。

2012-01-08 23:35:09
永瀬恭一(一人組立) @nagasek

僕はピングドラムについては比較的 @kiyoakiokubo 氏よりの見方、けいおん!に関してはやや @kmovie 氏的な感想なのだが、いずれにせよ両方の作品を再見したくなる意見交換で、興味ある人は是非議論を追ってみてほしい。

2012-01-08 23:37:56
小野寺系 / Kei Onodera @kmovie

@kiyoakiokubo 作品の中で、世界や人間の本質・真実を描こうとする作り手の姿勢に私は共感します。「赤毛のアン」の慎ましさは、他から要請された縛りでなく意図された結果だと思いますし、一部ファンを相手にしてる印象も受けません。普遍的価値観が作品に息づいていると思っています。

2012-01-09 07:34:46
小野寺系 / Kei Onodera @kmovie

@kiyoakiokubo かつてヘイズ・コードやロマンポルノの制約がありながら本質を描き得た作品というのは、制約を反動、または逆手に利用する姿勢が可能にしたと思います。ご指摘の律っちゃんの描写に私は胸を打たれないのですが、「けいおん!」にはそこまでの覚悟や意思を感じないのです。

2012-01-09 07:41:05
@yukaring88

@kmovie 意見が違うことばかりを主張しても仕方ないのでは?何か新しい作品のみかた、気付けなかった細部を提示する評論文を、大久保さんと同じように発表してみてはいかかがですか。

2012-01-09 19:35:38
小野寺系 / Kei Onodera @kmovie

@yukaring88 はじめまして。ご存知ないかと思いますが、私もブログをやっておりまして、個人的な優先事項を片付けたら、早いうちに「けいおん!」については書くつもりです。そのことは大久保さんにもすでにお伝えしております。

2012-01-09 19:45:52
大久保清朗 Kiyoaki Okubo @kiyoakiokubo

@kmovie 「一部ファンを相手にしてる印象」を受けるかどうか、「覚悟や意志」がある(という印象を持つ)かどうか、という印象論となると、どうしても議論が抽象的になってしまい、このままだと、たとえば「冬の日!」に胸を打たれた/打たれない、とお互いの立場の固持になってしまいます。

2012-01-09 18:36:35
大久保清朗 Kiyoaki Okubo @kiyoakiokubo

@kmovie ご理解頂きたいのですが『けいおん!』と『赤毛のアン!』では時代と場所から主人公の性格までさまざまな相違があり、それゆえ見たときの印象も違うことは承知しております。

2012-01-09 18:41:17
大久保清朗 Kiyoaki Okubo @kiyoakiokubo

@kmovie 当たり前だと思われるでしょうが、批評でなすべきは、「印象」を単純になぞることではなく、ときに多少強引な操作をしてでも、その作品の見過ごされがちな細部から思いがけないものを発見し、それを提示することです。「隠すこと」を通し『けいおん!』を論じたのもそのためです。

2012-01-09 18:51:21