双葉住民の声を集めて――福島大双葉調査とその周辺
- myriel_june
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今日はふくしま復興支援フォーラム第4回の、丹波さんによる双葉八町村全世帯調査の結果報告を聴いてきました。メモ替わりにだらだら書きます。場所はチェンバおおまち3階、14時から16時まで。35人ほどの参加でした。年齢はばらばらですが、やや高めのひとが多く、女性は4人。
2012-01-28 17:01:29ふくしま復興支援フォーラムのWebはこちら。
http://www5a.biglobe.ne.jp/~tkonno/FK-forum.html
飯舘や浪江から避難された人も、何人も参加されていました。丹波さんも、あとフォーラムの中心の鈴木浩さんも浪江の復興会議のメンバーなので、そこで声をかけてたのか、浪江の方が何人かいらっしゃいました。
2012-01-28 17:03:05最初のほう、メモを取っていなかったのですが、本題に入る前に丹波さんが協調していたことを、いくつか拾い書きします。まず、中央と現地との意識の乖離の問題。原賠審を一度も福島でやってこなかったとか、今回も首長を東京に呼びつけようとして批判されて郡山でやったとか。
2012-01-28 17:06:15強調点2つめ(さっきのは誤字です、すいません)。調査に至る経緯。時と共に増加していますが、3万人以上の県外避難者がいた。現在は6万人以上。しかし実態が分からない。県で調査をしてくれと言ったが、県は自分たちは把握していない、把握しているのは市町村だと。
2012-01-28 17:08:35そこで双葉郡の町村に声をかけたら、どのみち自分たちは全部もとの土地を離れている、どうせなら県外避難者だけでなく全員やってくれと言われて、この調査になったのだと。実際、福島県の避難者は県内外、国外にもちらばっています。家族で離れて生活している人も。
2012-01-28 17:10:43受け入れ自治体も、努力してくれているところはありますが、制度的に保障されていない。あくまでも「配慮します」。子どもの就学前検診も、やってくれる自治体もあるけど、住んでいたところへ戻ってというところもある。(住民票を移していないなどはそうなります。)対応が異なる。
2012-01-28 17:12:10離れて生活している家族と月何度か会う費用の問題、住居や子どもの教育、収入源、その他どんな困難を抱えているのか、どんな気持ちで生活しているのか。それを把握するための調査だった、ということ。
2012-01-28 17:13:16続きです。また、受け入れ自治体もだんだん疲れてきている。財政的にもそうだし、公営住宅を提供している自治体も、自分たちの地域にもとから居住している人にも提供しなければならない。そういうリソースの限界がある。(特に山形県は1万数千人を受け入れているので、たいへんでは。)
2012-01-28 17:17:21さてここから本題です。ただし、調査そのものについて、概観することはやめておきます。配られた資料は、震災復興研究所のHPからダウンロードできます。 http://t.co/qcc7g2Qo
2012-01-28 17:20:16なお原賠審で丹波さんが双葉調査について話した時の記録が、文科省のサイトに掲載されていますので、こちらもあわせてごらんください。
http://ow.ly/8JxFh
まだ単純集計が終わっていない段階で開催されたのが、「ふたばはひとつ」シンポジウム(2011/10/02)。こちらで丹波さんが、自由記述を少し紹介しています。
http://togetter.com/li/195538
このほか、記者発表や関西学院大のフォーラムでも、データをまとめた橋本摂子さん(福島大学行政政策学類)と一緒に報告をしています。
調査のポイント。調査票本体は世帯主に回答してもらっている。ただし、もともと一つの世帯がわかれて生活している場合は、両方に調査票を送っている。(基本的に自治体の広報を送る対象に送付)これだと若い層の意見が落ちてしまうかも知れないので、「若者票」をつけた。13~39歳対象。
2012-01-28 17:22:43結果として、世帯主に訊いた関係で、50代、60代男性の回答が多くなっている。大まかなその他の属性として、20年以上双葉郡に居住しているという人が多い。大都市部で転居が多い階層とはかなり異なる意識を持つことが予想される。「ふるさと」を簡単に捨てられない。
2012-01-28 17:24:37こういう「ふるさと感覚」の違いがあることを理解しようとしないと、移住しない、あるいは「戻りたい」という気持ちを持つことも理解できなくなる。この点、結果を受けとめる側の問題として指摘がありました。
2012-01-28 17:26:30次。若い世代になると、仮設にほとんど入っていない。全体で1割程度か。多くは借り上げ住宅にいる。結果としてかなり居住地が散らばってしまっている。また、浪江だと南相馬などにもいる。回答を見ると、職場や学校の関係でそこにいるのではないかと思われる。元々の生活圏がそのあたりということ。
2012-01-28 17:29:01仕事の変化。資料ではスライドナンバー20から。会社勤めの人は、現在3割が無職。自営業は6割、パート・アルバイトの場合は四分の三。不安定な職の人が職に就けていない傾向。なお現在福島県の有効求人倍率は0.7ぐらいで、これは震災前の0.5より高い数字。
2012-01-28 17:31:41ただし、求人の多くは建設・土木で、パート層(おそらく女性が多い)とミスマッチ。会社でオフィスワークをしていたという人にも合わない仕事。ここもこれからの課題。
2012-01-28 17:32:46三宅島の例。避難地に母子が残る傾向。子育て世代では、だいたい帰島したあとの人口は、女性1対男性2。現在の双葉でももおそらくある話。今後これも課題となる。
2012-01-28 17:35:22若者票の話。調査票を作っている時、赴任1年目の担当者と「若者っていくつまで?」という話になった。「20代ぐらいですかねえ」という1年目の人。「そんなわけないだろ、青年会とかいうと、40代50代もいる」。さすがに40代はということで、30代までに。そこで中高生の声も拾っている。
2012-01-28 17:37:08若い人は、双葉に「帰るつもりはない」という回答が多い。(34歳以下で半分程度だったかと。)ところが「(帰れるなら)いつまでも待つ」という回答も多い。この矛盾はなぜか。むしろ高齢のほうが早く帰りたいという回答をしている。これは理解できる。
2012-01-28 17:38:37自由回答で見ていると、中高生が「将来は仲間と一緒に生まれた土地へ戻って、ふるさとを取り戻すために働きたい」と答えていたりする。そういう気持ちにどう答えるのか。無視できることではない。簡単ではないが。
2012-01-28 17:40:18いわゆる「セカンドタウン構想」について。簡単に口にする人がいるが、回答を見ていると、双葉郡に隣接しているところで、という今後の希望が非常に多い。(※広野で目立つ。これはおそらくいわきに隣接しており、現在もいわき市などで生活している人が多いからかも。先ほどの浪江の例も)
2012-01-28 17:42:03調査とは別な話だが、今回仮設住宅についてはかなりがんばった。通常は仮設の発注はプレハブ会社の協会に出す。これは大手メーカーで東京に本社がある。そこを福島県内に本社があるところに半分出すようにして、5500ぐらいの受注があった。地元にお金と雇用がくるようにした。
2012-01-28 17:43:56