もぐ さんのごみ焼却場のはなし

もぐさんのごみ焼却場の話が面白かったので、勝手にまとめさせていただきました。 こういう社会インフラって、オレたちは当たり前のように享受しているけど、それを成立させるために専門家がいろいろ考えて苦労しているんだな~。おもしろい。( ・∀・ )
106
@mogmemo

さて、函館に行ってたのは美味しい食べ物たべたり青函連絡船を見に行くためではなく、全国都市清掃会議(全都清)の研究・事例発表会があったからであります。参加した雑感をぼつぼつメモ。

2012-01-29 10:02:55
@mogmemo

廃棄物の研究してるひとは廃棄物・資源循環学会かこの全都清の発表会に参加することがおおくて、特に全都清の方は行政の方の参加が多いです。だからタイトルに事例・研究発表会と(事例)がついて、行政の人が自分のところの取り組みを発表しやすい場となってます。

2012-01-29 10:04:36
@mogmemo

初日に聞いていたのは熱回収・灰溶融・焼成のセッションで、このセッションは時代によってずいぶん名前がかわってきたんですよね。昔は焼却・ガス化溶融とかそんな名前の時もあったような。

2012-01-29 10:10:32
@mogmemo

つまりいまのごみの焼却でのホットトピックは熱回収ということです。熱回収というと熱を発電に回すか熱としてそのまま利用するかなわけですが、去年くらいまでは発電効率をいかにあげるか?という発表の方が多かったように思う。

2012-01-29 10:13:23
@mogmemo

なぜなら高効率のごみ発電をするなら焼却炉建設の補助金率をあげるよ、という方針を環境省が出したからです。でもごみ発電の発電効率はどんなに頑張っても大型炉で20%程度、オランダの何千t/日みたいなモンスター炉でも30%程度で火力の発電効率にはおよばない。

2012-01-29 10:15:41
@mogmemo

だから、今年の発表は高効率発電そのものよりは、発電した後の低い熱も使って熱回収効率を上げましょうという発表が多いように感じました。

2012-01-29 10:18:08
@mogmemo

高度経済成長期にごみ焼却炉や中間集積所を作る必要があったとき、杉並区の住民が建設に反対、それを処分場が立地する江東区の住民が怒って、杉並のごみ収集車の搬入をバリケードをつくって阻止するという事件があったわけです。

2012-01-29 10:30:03
@mogmemo

日本もオランダみたいな大きい炉を作ればいいじゃない、という意見もあるはあるのですが、なかなかそうもいかなかった理由を説明するには東京ごみ戦争 http://t.co/whtb9BON のお話にさかのぼります。

2012-01-29 10:21:34
@mogmemo

そうした東京ごみ戦争を通じて形成されたのが「自区内処理の原則」というもので、自分のとこでだしたごみは自分のとこで焼却・処分しなさいよというもの。それが今の日本に焼却炉が多い主な理由の一つとなっています。

2012-01-29 10:33:49
池田香代子 ケストナー『ぼくが子どもだったころ』 @ikeda_kayoko

杉並ゴミ戦争を主導した一族は中央線開設に反対した筋金入り。蒸気機関車の煙埃が田畑に落ちるというのが反対の理由でしたRT @mogmemo: 高度経済成長期…杉並区の住民が建設に反対、それを処分場が立地する江東区の住民が怒って、杉並のごみ収集車の搬入をバリケードをつくって阻止…

2012-01-29 10:43:48
@mogmemo

特定しないwいや、一方で本気でまじめに環境問題に取り組む市民の方もいて、事件の経緯と共に環境問題とは、合意形成とは、という論考をまとめた「東京ごみ戦争」という立派な冊子が残っていたりもしますです。 @kakko_gu @ikeda_kayoko H家かN家かA家かw

2012-01-29 10:52:53
池田香代子 ケストナー『ぼくが子どもだったころ』 @ikeda_kayoko

HもNもAもハズレ。新旧の住民が協力し真剣に勉強したのですRT @mogmemo: …事件の経緯と共に環境問題とは、合意形成とは、という論考をまとめた「東京ごみ戦争」という立派な冊子が残っていたりもしますです。 @kakko_gu @ikeda_kayoko H家かN家かA家かw

2012-01-29 10:55:27
@mogmemo

さて東京ごみ戦争以降、狭い国土に小さい焼却炉がたくさんある、という状況に変化をもたらしたのが皆さんご存知0の年代後半のダイオキシン問題です。

2012-01-29 10:55:54
@mogmemo

普通のごみを燃やしただけでダイオキシンという猛毒の化学物質がでる、という事実は当時学生だった私にも結構ショックでした。あれで世間が焼却炉を見る目がさらに変わったというか、冷たくなったんではないでしょうか。

2012-01-29 11:07:09
@mogmemo

国はダイオキシンを発生させないために800℃以上の高温で24時間連続運転しなさい、排ガスは高度処理しなさい、というガイドラインを出し、それに対応して各県は広域処理計画を作成、焼却炉の統廃合とバグフィルタの設置がすすみました。

2012-01-29 11:10:40
@mogmemo

ダイオキシン問題は、焼却炉への認識だけでなく、ごみ問題そのものに対する市民の皆さんの意識も変えたように思います。ごみは減らしてできるだけリサイクルしようという意識が高まりました。それがのちに施行される容器包装リサイクル法にもつながるわけなんですが、それはまた別のお話。

2012-01-29 11:24:08
@mogmemo

で、ダイオキシン問題のときにできたごみ焼却炉の排ガス基準というのは、「とにかくダイオキシンの発生量を減らすに越したことはない」という考えで当時の削減技術でこれならいけるだろうという基準なんですよね。健康影響を考慮すると基準はもっとゆるくなるはずでした。

2012-01-29 11:36:18
@mogmemo

それでも、焼却炉周辺の皆さんの不安はぬぐえなかった。ダイオキシンは超微量なのでダイオキシン自体を測るには排ガスを長時間フィルタに引き込んでそのフィルタからダイオキシンを抽出して測らないといけません。つまり連続モニタリングができない。

2012-01-29 11:39:39
@mogmemo

だから測るときだけダイオキシンが出ないように気をつけてるんじゃないのとか、引き込み時間が短いんじゃないのとか、不信感をもっている方には言われちゃうわけです。そのため当時は代替物質で連続モニタリングする技術研究がホットトピックになってました。

2012-01-29 11:42:19
@mogmemo

というわけで、今の放射性物質と焼却をめぐる議論と、ダイオキシン問題をめぐる議論ってものすごく相似形なんですよね。ミサワ風に言うと「見たわ―、この議論10年以上前に見たわ―」っという気持ちを持ってるごみクラスタのみなさんは多い。

2012-01-29 11:47:02
@mogmemo

逆に言うとダイオキシン問題を経てなお、ごみの焼却に対する不信感をぬぐえていないということでもあって、課題として真剣に取り組まなければならない点でもあるわけです。

2012-01-29 11:49:21