電気自動車と共に by @Hirokazu_Hirano

@Hirokazu_Hirano さんのEV関連tweetを @artmas01 が勝手にまとめさせていただきました。
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平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

「電気自動車と共に 1990年〜1992年」   #EV

2010-05-25 03:57:11
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

時の流れは早いものだ。電気自動車の仕事を最初に始めてから20年が経過した。この間、中断することなく電気自動車に取り組んできた。

2010-05-25 03:57:26
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

ちょうどその頃、別の大手自動車会社の人に言われた。「うちの会社には、あなたの様に、電気自動車をやろうとする、勇気のある人間はいませんよ。」趣旨は分っていた。技術的な挑戦の勇気ではない。リスクの高い商品を作ろうとする、会社内の立場上の危険性への忠告だった。

2010-05-25 03:57:42
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

電気自動車の仕事は、会社の指示で始めたわけではない。自らのテーマとして決めた。1900年に米国にいたときに、突然、電気自動車の動きが巻き起こった。カリフォルニア政府が電気自動車の法律を作った事と、GMが新しいプロトタイプを発表したからだ。

2010-05-25 03:57:57
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

しかし、私は電気自動車の時代が来るとは、すぐには信じられなかった。新しい事にトライする、これがアメリカの特徴だし、政府も、まず法律を決めてから論議をするというのがアメリカ流である。実際、1970年代までの電気自動車のトライアルは、時代を変えること無く終わっていた。

2010-05-25 03:58:10
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

しかし、90年の動きは違ったもののように見えた。確信を得るために、米国でかなり多くのキーパーソンと会った。学会のパネラーも積極的に引き受け、日本企業が排除されていた団体、会議体も入会の正当性を交渉して受け入れてもらったりした。

2010-05-25 03:58:22
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

2年弱の調査を経たとき、連邦政府、自治体、電力会社、自動車会社、電池メーカー、研究機関等、コンタクトパースンのリストは800人以上に上った。

2010-05-25 03:58:35
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

アメリカの複雑で、多種多様なスピリットの中に、トライをするという精神と「開拓のため継続」して努力をするという精神があると考えている。学生時代に読んだマックスウェーバーの「プロテスタンティズムと資本主義の精神」という本の中心は、開拓と子孫への継承という精神であったと解釈している。

2010-05-25 03:58:44
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

米国において「開拓のための継続」は電気自動車の継続の原動力だったと思う。70年代以降も、米国においては、電気自動車、燃料電池、様々な電池研究が継続していた。国家的なエネルギ政策のための調査は組織的かつ厳密に行われて、それが明確な形で公表されていた。

2010-05-25 03:59:03
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

約2年間かけて、意見交換をしている中で、エネルギ、空質、経済変革の面から、ガソリン自動車が長期的に見て、どうしようもない変革の状況にきていることを切に感じた。

2010-05-25 03:59:35
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

90年に始まった電気自動車の背景には、単なるトライでもブームでもない、石油の時代の終焉と自動車の革命的な変革が横たわっている事を知った。

2010-05-25 03:59:41
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

そして、この認識が、私が電気自動車の一本道を踏み始める最初の原動力となった。

2010-05-25 03:59:54
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

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2010-05-27 00:21:51
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

[本当に必要な充電は? 答えは6kwの普通充電] #EV

2010-05-27 00:24:36
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

電気自動車の壁の話をする前に、電気自動車の欠点のひとつの充電時間について私見を述べてみよう。この問題は急速充電機という形で、比較的昔に開発が進められていた。

2010-05-27 00:24:48
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

電気自動車用の急速充電機が世の中に出現したのは1991年である。日本の研究者が新しい電気自動車FEVと、直流の超急速充電機と専用バッテリの開発を行った。20年前であるが、超急速充電機と車はきれいにデザインされていて、今の充電機より先進的な感じがする。

2010-05-27 00:24:57
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

このシステムは5分で40%充電可能という従来の常識を覆すものだった。仮定は、超急速充電スタンドに立ち寄る人は、容量が半分を切ったら充電スタンドで充電を開始する。80%まで充電するとして40%充電できればいいことになる。この時間が5分ならばガソリン並みだということだ。

2010-05-27 00:25:10
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

この超急速充電機はBusiness WeekでJolt Chargeと書かれ、アメリカを揺るがすことになった。日米自動車戦争と言われていた時代である。アメリカが進んでいると安心していた電気自動車の領域で、日本がアメリカをJolt「アメリカの自動車メーカを震撼」させたというのだ。

2010-05-27 00:25:58
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

まず、超急速充電機を信じてもらえるのに時間がかかった。マスコミの取材が矢継ぎ早に来るのだが、開発者に聞いてから答えると言っても、世間に火をつけてしまった以上、すぐに答えないと「うそ」だと書かれてしまう恐れもあった。綱渡りのインタビュが続いた。

2010-05-27 00:26:28
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

最終的には日本から車を運んで、メディアの目前で実験をして、CNNが放映したから信じてもらえた。

2010-05-27 00:26:40
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

急速充電機は高い安全性を要求される。このため、市販レベルの製品を作って、市場での実証実験を経て、標準化しなければ使用することはできない。米国の充電の標準の話は入り組んでいるので、又別に説明するが、日本も、アメリカも急速充電機の開発が開始された。

2010-05-27 00:26:51
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

日本は早く実証実験をするため、90年代の半ばに国家プロジェクトとして50kwの急速充電ステーションの設置が始まった。このための標準が作られ、電気自動車と急速充電機を使った実証実験が始まった。しかしこの標準は、日米で標準化が合意されたら、その標準と置き換えることになっていた。

2010-05-27 00:27:27
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

今のCHAdeMOと呼ばれる50kwの急速充電機は、このときの標準を元に作られた仕様である。基本的にはコネクタ、急速充電機の考え方は当時の標準を踏襲している。この15年間に通信技術等、時代遅れになった部分は変更されている。

2010-05-27 00:27:42
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

90年代半ばは、アメリカでも急速充電競争が始まった。大きいことはいいことだということで、信じられないものが出てきた。GMは135kwのインダクティブ充電機の実験を行うし、クラスラーは、250kwの急速充電機を作って米国横断キャラバンを行った。

2010-05-27 00:27:53
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

今、温故知新で20年前の急速充電技術が、最新の電気自動車に搭載され、脚光を浴びている。しかし私は日常生活で使うことを主目的とする電気自動車にあっては、急速充電は本当の回答ではないと思っている。

2010-05-27 00:28:11