平川克美 @hirakawamaru さんの和田誠の「反原発ポスター」についてのつぶやき
ラジオデイズでの伊坂義夫、山口啓介の二人の美術家との鼎談で交わされた和田誠の「反原発ポスター」についてのつぶやきです。
平川克美
@hirakawamaru
本日の、伊坂義夫、山口啓介の二人の美術家との対話。大変スリリングで面白いものになりました。視聴数も2500を超える盛況で、お二人とも喜んでおられました。
2012-02-11 00:39:48
平川克美
@hirakawamaru
そのなかで、ネット上で賛否かまびすしい和田誠の「反原発ポスター」を取り上げました。ぼくは、このポスターに感激したひとりです。これは、現代の「聖母子像」だと感じたのです。
2012-02-11 00:45:59
平川克美
@hirakawamaru
絵画は、どこまでいっても現実の前では、「現実的」には無力です。このディレンマをどのようにしたら乗り越えられるのか。難しい問題です。
2012-02-11 00:47:06
平川克美
@hirakawamaru
しかし、現実には、なにもできない、何をしても無力でしかないという局面はいくらでも僕たちの生活の場面で遭遇しているわけです。そんなとき、ひとは何が出来るのでしょう。
2012-02-11 00:48:43
平川克美
@hirakawamaru
おそらく、和田誠さんの芸術的直感が行き着いたところは、ただ「抱きしめる」ということだったのではないか。ぼくはこのポスターのように、抱きしめ、抱きしめられることしかできない気持ちが確かにあるのだ、その気持ちを一枚のポスターが多くの人たちを媒介するのだと思います。
2012-02-11 00:52:55
平川克美
@hirakawamaru
芸術が現実の前で無力だということこそ、芸術の力であるはずです。現実も芸術の前では無力であるべきだからです。だから、このポスターが弱者を傷つけるとか、感傷では現実は変えられないという批判ほど的外れなものはないと思うのです。
2012-02-11 00:56:57
平川克美
@hirakawamaru
震災の後、ぼくはそれ以前と同じように、毎日スーパーで大根や人参を買って介護している父親のための晩飯をこさえる日々を送っていました。ほとんど生活を抱きしめるといった日々だったのです。
2012-02-11 01:14:19
平川克美
@hirakawamaru
ただ抱きしめることだけしかできないという経験は、誰にでもあるだろうと思います。そのときひとは自分の無力をも抱きしめているはずです。和田母子像は、そんな経験と共振するみごとなポスターだと思います。
2012-02-11 01:20:28