「1万人でわけたら誰かひとり死にます」という表現は不適切
- iamdreamers
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はじめに
こういう https://t.co/3Lm215iF 無茶苦茶なことを言う人がいるので、確率の基礎知識(中学校レベル)のことを呟いてみる・・・
2012-02-11 18:23:08上で引用したツイートはこちら
セシウムは醤油とは違います。醤油を一気にたくさん飲むと死にますが、大勢に分けて少しずつ飲むならだれも死にません。おいしいです。しかしセシウムはそうなりません。ひとりを殺す量が確率的に決まっています。その量をひとりで飲めばその人が死にます。1万人でわけたら誰かひとりが死にます。
2012-02-10 08:50:35この纏めの趣旨 その1
上のツイートの「1万人でわけたら誰か一人が死にます。」は『必ず』一人『だけ』が、というわけではない、ということを説明したいのです。
注意
早川先生の「1万人でわけたら~」発言はLNT仮説が正しいと仮定した上での発言と思われます。そのため(LNT仮説の正当性に異論はありますが)この纏めではLNT仮説は成り立つことを前提にします。
こんな薬物を仮定しておく
こんな薬があると仮定する。①100mgを一気に飲むと100%の確率で中毒を起こす。②1mgを飲むと1%の確率で中毒を起こす。つまり、飲む量を1/nにすると中毒になる確率も1/nになる。(実際にはこんな都合のいい薬はありませんっ!)
2012-02-11 18:24:27③この薬を1人で100mg飲むと、その人は中毒を起こす。これは正しい。④この薬を1人で1mg飲むと、1%の確率で中毒を起こす。これも正しい。⑤この薬を100人が1mgずつ飲むと、100人のうち誰か1人が中毒を起こす。これは間違い。
2012-02-11 18:25:24その理由をこの纏め http://t.co/T8jNQ6dT でロシアンルーレットを例に使っているので、通常のロシアンルーレットの適用が誤りであることも含めて、説明する。
2012-02-11 18:30:11上のツイートのリンク先はこの纏めです。
この纏めの趣旨 その2
通常のロシアンルーレットに当てはめることは不適切である、ということを説明したいのです。
ロシアンルーレットで無理矢理説明
通常のロシアンルーレットは、リボルバー式拳銃に弾丸を一発だけ込め、複数人が順番に銃口を自分に向けて引き金を引く。ここで、使用する拳銃を三連装リボルバーとし、3人が参加すると仮定する。(三連装リボルバーがあるかどうかは本題でないので突っ込まないように(^^))
2012-02-11 18:31:22ロシアンルーレットの間違った適用法
通常のロシアンルーレットは、一丁の拳銃を3人で順番に使うので、3人のうち1人に弾丸が当たる確率は、100%である。しかし、これを先の毒に当てはめるなら、100mgの薬瓶を一つと100mgの水瓶を二つ用意して、3人で一気に飲むのに等しい。
2012-02-11 18:32:40ロシアンルーレットの正しい?適用法
100mgの薬を3人で分けることに適用するなら、一発だけ弾丸を込めた三丁の拳銃を用意し、3人で別々の拳銃を自分に向けて使用しなければならない。ここで、3人をA氏、B氏、C氏として1人に弾丸が当たる確率を計算してみる。
2012-02-11 18:34:05A氏だけに当たる確率は、A氏に当たる確率=1/3 × B氏に当たらない確率=2/3 × C氏に当たらない確率=2/3 の計算結果なので、4/27 になる。
2012-02-11 18:36:56同様に、B氏だけに当たる確率=4/27、C氏だけに当たる確率=4/27 である。とすると、誰か1人に当たる確率は、4/27+4/27+4/27=4/9≒0.444 なので約44%になる。
2012-02-11 18:39:05ちなみに、誰にも当たらない確率は 2/3×2/3×2/3=8/27≒0.296 なので約30%であり、同様に、2人に当たる確率は約22%、3人全員に当たる確率は約4%になる。
2012-02-11 18:41:20一般式
F(n) は n人に弾丸が当たる確率、pは拳銃から弾丸が発射される確率(=1/3)、mは参加人数(=3)、x^y は xのy乗、 C(x,y)は母集団xからyを取り出す組み合わせの数(詳細はWikipedia http://t.co/uOogv3Ha 等を参照)を示す。
2012-02-11 18:46:03