APMoA館長による「ロダンのブロンズ作品について」

ロダンの鋳造作品の典型作例と識別方法について。
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豊田市博物館の開館を準備してる人 @masa7878

ロダンのブロンズ作品について(その1):ロダン作品として全国各地の美術館等に収蔵されている作品は数多くあります。それらのなかにはロダンが自分の作品として認めたことが明確なものから、歿後の鋳造、それも近年のロダン美術館による鋳造まで様々なものがあります。典型作例と識別方法について。

2012-02-19 20:33:12
豊田市博物館の開館を準備してる人 @masa7878

ロダンのブロンズ作品について(その2):ロダンが生前に自身の鋳造作品として確認したことが明確なもの。新潟市美術館《花子のマスク》は、ロダンがモデルとなった花子さんに直接贈ったもの。素晴らしい鋳造ならびにパティナ(着色)の仕上がりです。

2012-02-19 20:36:35
泰井良 静岡県立美術館 @youki0904

@masa7878 ロダンの場合、フランス政府が12体まで鋳造することを認めています。生前鋳造は、この限りではなく、考える人は、21体鋳造されています。

2012-02-19 20:39:27
豊田市博物館の開館を準備してる人 @masa7878

ロダンのブロンズ作品(その3):雑誌『白樺』との交流の中で、ロダン自身が、白樺に贈った3点の作品。《ロダン夫人》《或る小さき影》など。これらの作品は白樺美術館からの永久寄託作品として大原美術館で保管され公開されています。3点の造形の広がり、濃密なパティナ、必見の作品です。

2012-02-19 20:41:18
豊田市博物館の開館を準備してる人 @masa7878

ロダンのブロンズ作品(その4):ロダンはある時期から特定の鋳造所で作品を作るようになります。鋳造銘は「Alexis Rudier.Fondeur.Paris」アレクシスはロダンが最も信頼した鋳造家。国立西洋美術館の松方コレクションの多く、愛知県美の《歩く人》がこの鋳造銘。

2012-02-19 20:47:24
豊田市博物館の開館を準備してる人 @masa7878

ロダンのブロンズ作品(その5):「Alexis Rudier」の後、1952年から1970年代まで「Georges Rudier.Fondeur.Paris」という鋳造銘が使われるようになります。作例は、国立西洋美術館の前庭にある《カレーの市民》、名古屋市博物館の《考える人》など

2012-02-19 20:57:00
豊田市博物館の開館を準備してる人 @masa7878

ロダンのブロンズ作品(その6):「Alexis Rudier」の後、1952年から1970年代まで「Georges Rudier.Fondeur.Paris」という鋳造銘が使われました。作例は、国立西洋美術館の前庭にある《カレーの市民》、名古屋市博物館の《考える人》など

2012-02-19 20:58:14
豊田市博物館の開館を準備してる人 @masa7878

ロダンのブロンズ作品(その7):Georges Rudier鋳造所の時代から、ブロンズ鋳造作品にはロダン美術館の管理銘と鋳造年が刻印されるようになります。「Ⓒ By Musée Rodin 19@@」と記されていて、鋳造年までがわかります。全国各地の美術館で収蔵されています。

2012-02-19 21:05:17
豊田市博物館の開館を準備してる人 @masa7878

ロダンとブロンズ作品(終り):ロダンだけでなく、多くの彫刻家のブロンズ作品は、その制作上の特性から、作家自身の死後も没後鋳造が一般的に行われています。版画でいえば「後摺り」。そのオリジナル性について様々な意見がありますが、扱いは慎重であるべきでしょう。少なくとも意識しなければ…

2012-02-19 21:09:45
豊田市博物館の開館を準備してる人 @masa7878

はい、限定数は12で、厳密には1~8とⅠ~Ⅳで区別があります。国立ロダン美術館は、管理責任と品質について保証しています。@youki0904 ロダンの場合、フランス政府が12体まで鋳造することを認めています。生前鋳造は、この限りではなく、考える人は、21体鋳造されています。

2012-02-19 21:14:38
泰井良 静岡県立美術館 @youki0904

@masa7878 静岡県立美術館のロダンも大半が没後鋳造です。アレクシス・リュディエによる生前鋳造は、2点のみです。生前鋳造は、主に砂鋳造であり、当館のは臘型鋳造です。ブロンズの鋳造年も、キャプションに明記すべきかもしれません。

2012-02-19 21:21:23
豊田市博物館の開館を準備してる人 @masa7878

@youki0904 そうですね。以前、メトロポリタン美に行ったとき、キャプションには制作年と鋳造年が併記されていました。できればそうした方がよいと思います。ただ、日本の近代彫刻はもっと複雑で、鋳造年のわかるもの少なく、館の展示での情報として統一できないので当館でも悩みの種です。

2012-02-19 21:27:08
豊田市博物館の開館を準備してる人 @masa7878

@youki0904 砂型鋳造と蝋型鋳造では、鋳造の仕上がり、特に表面の質感にかなり違いがありますね。また、ロダンではありませんが、近年ではガス型鋳造、樹脂型鋳造と、型取りに技術的な習熟が少なくてすむ方法が導入され、その結果としてブロンズの仕上がりにもかなりの違いが出ています。

2012-02-19 21:32:14
泰井良 静岡県立美術館 @youki0904

@masa7878 一時、鋳造問題で、鋳造の時代と方法の違いを、鋳造の良し悪しに結び付ける考えがありました。おっしゃるように、私も鋳造方法の違いは、表現の違い、芸術的感性の違いの問題だと考えます。

2012-02-19 21:37:00
豊田市博物館の開館を準備してる人 @masa7878

そうですね。でも、そのことが没後鋳造の問題にかかわるのではと思います。RT@youki0904 一時、鋳造問題で、鋳造の時代と方法の違いを、鋳造の良し悪しに結び付ける考えがありました。おっしゃるように、私も鋳造方法の違いは、表現の違い、芸術的感性の違いの問題だと考えます。

2012-02-19 21:44:16
泰井良 静岡県立美術館 @youki0904

@taktwi まだ2週間ありますので、ぜひ、お越しください。東京にも巡回しますが、静岡県立美術館でロダンも一緒にご覧ください。

2012-02-19 21:46:16