ガントレット・ウィズ・フューリー #4

翻訳チームによるサイバーパンク・ニンジャ活劇小説「ニンジャスレイヤー」リアルタイム翻訳 (原作:Bradley Bond-san & Philip Ninj@ Morzez-san) ニンジャスレイヤー公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 続きを読む
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

第二部「キョート殺伐都市」より:「ガントレット・ウィズ・フューリー」 #4

2012-03-01 14:01:11
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

(あらすじ:バトルテンプル「ボンジャン・テンプル」のボンズ、グノーケが、ある日ニンジャとなって破戒。テンプルの宝具を奪いボンズを殺戮して逃走、ヤクザキング「イヴォーカー」となった。彼を追うのは同門のレッサーボンズ、アコライトことカンツァイ。何の因縁か、彼もまたニンジャ化した。)

2012-03-01 14:05:30
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

(彼は今、我らがニンジャスレイヤーとともにイヴォーカーの所在を突き止め、その危険なアジトへ突入した。正面突破だ!彼らに待ち受けるはブッダ城伝説にちなんだバトル関門!唸れ伝説のガントレット!殴れカラテ!敵をやっつけろニンジャスレイヤー!セイヤッサーボンジャン!ボンジャンハイ!)

2012-03-01 14:08:51
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」アコライトのジャンプキックが巨大なオブツダン扉を叩き開いた。二人は立ち止まることなく突入する。背後には気絶あるいは負傷して戦闘不能、あるいは死んだボンズヤクザ兵達が横たわる。「悪いが容赦はせん。ボンズの眼前であってもだ」ニンジャスレイヤーはアコライトに言った。 1

2012-03-01 14:15:04
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「わかっています。私に貴方を責める資格は無い」アコライトは答えた。そして前方の敵を睨んだ。ここは四角く広いバトルルーム、奥にはやはり今くぐり抜けた扉と同じオブツダン扉があり、堅く閉じられている。扉の上には「反省点」と書かれたショドー額縁。その下には番人たる敵がいる。 2

2012-03-01 14:17:56
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「命知らずってのはテメェらか!」身長3メートルの巨大スモトリヤクザが威圧的に四股を踏んだ。袴の腰にはシメナワを巻き、上半身は裸、顔はニンジャ頭巾で覆われている。ナムサン……スモトリヤクザであり尚且つニンジャなのだ!「ドーモ、マストドンです。お前ら、壁のシミになる。張り手でな」 3

2012-03-01 14:23:19
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ドーモ、アコライトです」「ドーモ、ニンジャスレイヤーです」二人はオジギを返した。「壁のシミになるのが実際誰なのか、30秒で明らかになる」ニンジャスレイヤーが言った。「私がやります」アコライトは彼を留めた。「このバトル形式でニ対一は卑怯と感じます。私が倒します」 4

2012-03-01 14:29:27
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「卑怯?」ニンジャスレイヤーは腕を組んだ。「人数がか」「ハイ。どのみち、ここで私が敗れるようでは到底イヴォーカーには歯が立たない。彼はかつて私の師範であったわけなのですから」「なるほど、そう言う事ならば、見ていよう」「ハイ!」「ブフーッ!」マストドンが唸った。「ナメんなよ!」 5

2012-03-01 14:33:41
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

実際、ニンジャのイクサにおける人数の多い少ないは礼儀作法とは関係の無い話だ。マストドンも彼ら二人をそのまま相手にするつもりであったはず。単なる無慈悲な殺し合いにおいて武術試合めいたアコライトの戦闘価値観はやや異質であったが、ニンジャスレイヤーはそれを尊重した。 6

2012-03-01 14:39:48
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ドッソイ!ドッソイドッソイドッソイ!」マストドンが左右の張り手を繰り出しながら突進する!まさにそれはバッファロー殺戮辺境武装鉄道めいた恐るべき攻撃!「ドッソイドッソイドッソイドッソイドッソイ!」「ボンジャン!イヤーッ!」 7

2012-03-01 14:42:55
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「グワーッ!」ナムサン!アコライトの踏み込みながらのボンジャン・ポン・パンチは、その出がかりを稲妻めいたマストドンの張り手にインターラプトされてしまった。よろめいた彼にそのまま逆の手の張り手が叩き込まれる!「グワーッ!」吹き飛び、壁に大の字で叩きつけられるアコライト! 8

2012-03-01 14:45:32
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ブフーッ弱敵!」マストドンが勝ち誇った。背中から蒸気機関車めいて水蒸気化した汗が噴き上がる。「次はテメェだニンジャスレイヤー=サン!」「否、まだだ」ニンジャスレイヤーは腕を組んだまま否定した。「うるせェーッ!ビビり上がってんじゃねえぞォ!」「まだだ。これは忠告だ」 9

2012-03-01 14:48:55
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ウゴゴーッ!」マストドンは無視してニンジャスレイヤーへ張り手突撃開始!「イヤーッ!」その真横から弩めいた勢いで飛び蹴りが繰り出され、マストドンの横面を直撃!「グワーッ!?」キリモミ回転しながら倒れるマストドン!「貴方の相手は私です!」アコライトは中腰に構え、口の血を拭う! 10

2012-03-01 14:51:45
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「私のカラテに至らぬところがありました。次は必ず貴方を倒します」アコライトは曇り無き眼で巨大な敵を見据える。「ブフーッ!」マストドンが怒りに顔を上気させる。「ナメんじゃねえーッ!俺はニンジャだ!」そして再び張り手突撃だ!「ドッソイ!ドッソイドッソイドッソイドッソイ!」 11

2012-03-01 15:00:07
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

やはり恐るべきバッファロー殺戮武装鉄道めいた突進攻撃!3メートル巨体から繰り出される張り手と前進は速く重い!「ドッソイドッソイドッソイドッソイドッソイドッソイ!」「ボンジャン!」アコライトは軸足を踏みしめる!そして……繰り出す!「イヤーッ!イヤーッ!」「ドッソイグワーッ!?」12

2012-03-01 15:08:44
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ゴ……ゴウランガ!同じ事を繰り返すばかりのマストドンに対し、アコライトのそれはまさに反省から生み出された適応のカラテ!踏み込みながらの最初の一撃は拳の裏でマストドンの張り手を弾き逸らし、逆の手は抉りこむようにマストドンの腹部に突き刺さった!張り手突進攻撃敗れたり! 13

2012-03-01 15:11:49
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「オゴーッ!?」マストドンが両目を飛び出さんばかりに見開く!アコライトは既に張り手を弾いた手を次なる攻撃準備に入らせていた。「ボンジャン!イヤーッ!」さらにボンジャン・ポン・パンチだ!「グワーッ!」3メートルの巨体がくの字に折れ曲がり、吹き飛んでオブツダン扉を開き壊す! 14

2012-03-01 15:15:57
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「勝負あった!」アコライトはザンシンし、息を吐いた。「まだだ」ニンジャスレイヤーが言い放った。「オゴーッ!」マストドンが嘔吐吐血しながら地面をのたうち回る。ガントレットを嵌めたニンジャのカラテが二度もジャストタイミングで直撃したのだ。内臓破裂、助からぬ!「カイシャクせよ!」 15

2012-03-01 15:20:07
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「……」アコライトは己の拳を見た。ニンジャのイクサ……!「わかりました」彼は息を吸い込む。「オゴーッ!オゴーッ!」マストドンがのたうち回る。「わかりました……」ニンジャスレイヤーはアコライトを凝視した。二秒後、彼はマストドンへ向き直りざま、スリケン二枚同時投擲!「イヤーッ!」16

2012-03-01 15:25:37
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「アバーッ!」マストドンの両目にニンジャスレイヤーのスリケンが突き刺さる!「サヨナラ!」爆発四散!ニンジャスレイヤーは既に歩き出していた。「気にせずともよい」彼は振り返らず言った。「異常は私だ」「……!」アコライトは言葉を見出せぬまま、その後を続く。 17

2012-03-01 15:30:47
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

……次なる部屋もやはり同様のバトルルーム!奥のオブツダン扉に掲げられた「注意点」のショドー。その下で待ち構えるは、モヒカン飾りのついた鉄兜メンポ、裸の上半身に鋲打ちクロスベルトを装着したニンジャ!「ドーモ。マニプルです」古代ローマカラテの構えを取る! 18

2012-03-01 15:37:03
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ドーモ。アコライトです」「ドーモ。ニンジャスレイヤーです」二者はアイサツに応えた。マニプルは構えを取りながら、摺り足で間合いを近づける。「先に言っておくが俺はバウンサー時代無敗。ニンジャ相手にもな」マニプルは顔全体を覆うカブトメンポの奥からくぐもった声を放った。 19

2012-03-01 15:51:05
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「古代ローマカラテは魔技。全身の骨を折り殺してやる。死に際、貴様らは俺に哀願する。いっそ殺してくれとな」ニンジャスレイヤーはジュー・ジツを構える。眼光がぶつかり合う。油断ならぬ相手だ。「私にもウォームアップの時間を貰おう」アコライトに言った「先に行け。次の敵を倒しておけ」20

2012-03-01 15:51:13
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ハイ」アコライトは素早く頷いた。「わかりました!」そして奥の扉めがけて駆け出す!ニンジャスレイヤーはマニプルが追撃できぬよう、回り込むように足を運んだ。「オヌシの相手は私がしよう、マニプル=サン」ニンジャスレイヤーは言った。マニプルは嗤った「自信満々の態度が哀願に変わる」21

2012-03-01 15:54:37
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」アコライトは飛び蹴りでオブツダン扉を粉砕破壊!廊下を疾走する!背後に二者の戦闘を残し、彼は駆ける!「見るがいい、これが古代ローマカラテ……」マニプルの声が遠ざかる。前方に昇り斜面!さらに、ナムサン、見上げれば、その坂を転がり落ちてくるものあり!炎に包まれた樽だ!22

2012-03-01 16:02:50