伊東乾@itokenstein氏のリスク談議…正しく怖がる放射能…線量の『適切な』使い方

>シーベルト単位の数字も線量係数の類も統計込みで自然科学の量じゃないんですね。臨床のための便利、目安の数字で科学的に一意、確実な量ではない。安全・確実を論じる根拠に本来的になりえないと考えます。早めに危険を察知し予防するための指標。
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Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

遠く離れて想いの中で祈る事も大切と思います。が、いま自分自身が色々な意味で自由に動く事が出来、リスクだってかなり正確に評価可能で、行っても大丈夫と確信がもてても行かない、というのは、僕には自己欺瞞と思われて。実際、故郷から避難しておられる方と一緒に回って全く考え方が変わりました。

2012-03-04 11:48:45
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

では何が変わったのか。個別の知識が増えたとか、そういう事じゃないんです。我が事、として一人称複数で共有する腹の底。実際に、防禦しながらですが自分も一緒に一定線量浴びながら、一つ一つの事実と等身大の自分と向き合うというのは、いわば世界の見え方が180度変わるような意識の側の変化。

2012-03-04 11:52:25
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

区域内の被害状況や放射能汚染、衛生などを調べる方は多く居られ、貴重な仕事と思うと同時に、たぶん、今回の災害で廃絶の危機にあるお祭りや神楽、仏様や民謡、昔話なんかに焦点を合わせて現地に入る人は、まだ殆どいないと思います。半年前ならまだその時期ではなかったかもしれない。今は出来ます。

2012-03-04 11:55:37
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

人にはそれぞれ本気になる発火点というのがあると思う。僕の場合寺社や祭儀、歌や笛や踊りなど大地に足の触れたものまで辿り着くと火がつきます。福島第一原発直近にも「野馬追」を筆頭に素晴らしい祭りや歌がある。それがいま流され無くなりかけている。自分本来の仕事で、これを知って何をすべきか。

2012-03-04 12:00:29
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

@taeko_H 例えば「野馬追」の場合、このためだけに地域で200頭ほど馬を飼っていたそうですが、維持できなくなっているようです。代々お役が決まっていて、甲冑などは大半が個人蔵の本物、それが津波で流された方も多いようで、まず実態の全貌を知るところからと思っています。

2012-03-04 14:43:08
平野 妙子 @taeko_H

@itokenstein 想像以上の被害に胸が痛みます。地域の再生には祭事・神事を抜きにしては魂が入っていないようなものと思います。資金面の補助もまず実態の調査からですね。

2012-03-04 14:47:55
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

被災地で子供に線量バッジを持たせるのを「残酷」と述べる人を見かけた。一体何をどう勘違いすると、こういう風説になるのか、確認の要を感じる。実際には子供が熱っぽい時ヤマ勘でなく体温を測る、などと同様、必須不可欠な基礎だけれど「写真撮られると魂抜かれる」みたいな誤謬があれば困った事だ。

2012-03-04 16:03:56
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

線量計というのが、何か特殊な場所だけで必要と誤解していないだろうか?僕は福島往復出張で主要な被曝量増加が東京と郡山の往復で記録されていたことから、いま東京での日常生活をモニタして記録している最中。事故以来、どこにいてもリスクはありうると覚悟して、しっかりモノを見据えるべきと思う。

2012-03-04 16:07:00
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

同時に、線量計の値がいったい何を意味するのか、機器ごとに違う測定原理の確認、なんらかの係数を掛けられて入るはずで、その誤差評価など、より足元の部分をきちんとする要を感じる。瓦礫の線量などで意味をなさない数値をもって怒っている方も見たが、僕はまず正確な汚染実態を知りたいと思う。

2012-03-04 16:09:33
oko🇺🇦🕊️ @okorinbos

安全だけど念の為なら残酷ではないと思いますが。安全かどうか分からないのにと思っている…となると、どうでしょうか?“@itokenstein: 被災地で子供に線量バッジを持たせるのを「残酷」と述べる人を見かけた。一体何をどう勘違いすると、こういう風説になるのか、確認の要を感じる。

2012-03-04 16:50:21
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

@okorinbos 例えば都内の意外な所で線量が高かったりし、そんな危険性など微塵も知らずに子供たちも親も平気で生活している、という状態があったら、それは何なのでしょう? 残酷とかそういう述懐以前に、さっさと対策を建てないとダメージが蓄積します。

2012-03-04 17:43:07
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

自分が今いる場所が安全だと思いたい、気持ちは分かります。しかし現実には、かなり広範囲に亘って安全か否か分からない地域があり、そこで生活し続けなければならない人が子供からお年寄りまで相当数ある。そこでなすべきことは、自分の生活被曝量を知ること。月当たりの値が高ければ対策を立てること

2012-03-04 17:48:12
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

当たり前の話ですが、一週間とか一ヶ月とか、比較的短い期間あたりの被曝量が見積もれれば今後ここに1年5年10年居住した際のリスクに一定の見通しが立ちます。また同じ地域でも住居の内外、どんな建物か等によっても結果は違ってきます。そういう一つ一つから考えてゆくのが大切ではないでしょうか

2012-03-04 17:52:41
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

どこに危険があるかは分からない。でも早期発見、早期対策が取れれば、体へのダメージは一定以内に留める事ができるだろう。そういう意識で、私自身も、また私のプロジェクトで現地出張してもらう人達にも、現実的に可能な範囲で安全対策に努めるようにしています。

2012-03-04 17:56:20
@6cm

@itokenstein 子供に持たせる意味あるんです?別に建物とかに取り付けても良いのでは?むしろその方が正確なデータが取れると思います

2012-03-04 18:24:38
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

シンポジウムではありますが3月11日14時46分は追悼も行う考えです。短い黙祷のあと、今週の福島第一原発20キロ圏内のありのままをお目に掛けるべく考えています。やはり現実を直視する所から議論を始めなければ、浮ついた話になってしまうでしょう。および追悼ではピアノを弾くつもり。

2012-03-04 20:23:55
zumi @stadtmauer

もう少し理科に疎い人にも教えてください。生活被曝量は空間線量+しているであろう内部被曝の合計ですか?@itokenstein そこでなすべきことは、自分の生活被曝量を知ること。月当たりの値が高ければ対策を立てること。

2012-03-04 20:39:58
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

@stadtmauer 正確なことは専門診療科目の医師にお尋ね頂ければと思いますが、モニタリングポストの空間線量の値即、外部被曝量とは限らないので、あくまで目安ということになると思います。被曝は大別して外部被曝と内部被曝に分けて対策を立て、その合計を生活総被曝量と考えると思います

2012-03-04 20:55:52
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

@mne_l その人個人が一日の生活の中でどこでどれだけ被曝したか、それだけが、その人のその後の診断や、労災適用などの場合の基礎資料になります。「私の体」「うちの子の健康」を大切に考える、という事です。場所の線量で診断は出来ません。

2012-03-04 21:03:59
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

@okorinbos 私のラボでは現地出張にあたって空間線量計、積算計とバッジ、3つを併用するようにしています。おのおの用途が異なり、全部併用して安全を守るとともに、万が一の被曝の折には労災など家族のためにもきちんと責任の取れるシステムの準備が大切、と私は想います。

2012-03-04 21:06:36
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

たぶん強調していいと思うのは、被曝に関連して健康への影響を論じる話はみんな「何々モデル」と書いてある事。実効線量係数とか臓器ごとの等価線量係数の類はどういう統計に準拠したかで自分や家族のケースに合うかどうか全く不明と最初から分別して見るべき数字。**だから安全、なんて指標じゃない

2012-03-04 21:12:38
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

これを強調すると理学部頭と批判される事があるけれどシーベルト単位の数字も線量係数の類も統計込みで自然科学の量じゃないんですね。臨床のための便利、目安の数字で科学的に一意、確実な量ではない。安全・確実を論じる根拠に本来的になりえないと考えます。早めに危険を察知し予防するための指標。

2012-03-04 21:19:41
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

次回の「常識の源流探訪」は先週の福島原発20キロ圏内の写真を多く使った原稿を入れてあります。現地と連絡確認に時間をとったため、火曜日でなく水曜日の公開となりました。ぜひ今現在の福島第一原発至近地域の現状と現地の叫びを聞いて下さい。僕は単に代弁しているもので本当の声がここにあります

2012-03-05 23:09:17
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

あさって3月7日公開分から常識探訪「あれから一年正しく怖がる放射能」のシリーズを始めます。3.11にはお昼に書いた通りで慶応アートセンター・シンポジウムでも濃縮したお話を準備、翌週もまた福島出張を今日組みました。現地との緊密な連絡の上に立った真に意味ある仕事を目指したいと思います

2012-03-05 23:13:16