- toshihiro36
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倉澤治雄: ちょうど1年前、福島第一原発は炉心のメルトダウンが進行し、水素爆発を引き起こしました。原子炉内部の溶けた燃料は、高レベルの放射線によりロボットさえも近づくことができません。原発のゴミはいまだに手をつけられない状態です。
2012-03-12 13:41:58<ナレーション> 高い放射線を出す原発の残骸。危険がなくなるまでの時間は10万年以上。原発から出る危険なゴミをめぐり、激しい衝突が繰り返されてきた。行き場のない高レベル廃棄物。ホンネは隠されていた。地下数100mそこに原発のゴミを閉じ込めておけるのか。
2012-03-12 13:48:46<ナレーション> モンゴルの広大な大地。日本の廃棄物はここに捨てられるのか。 原発ゴミをどこに処分するのか。堂々めぐりが繰り返される。 映像にノイズを走らせる強烈な放射線。
2012-03-12 13:54:06<ナレーション> 原発を続けるにしても、すぐ止めるにしても、10万年以上どこかに隔離しなくてはならない、原発ゴミを。行くも地獄、戻るも地獄。
2012-03-12 13:57:22<ナレーション> 原発事故で溶けてしまった核燃料。それをどう扱えばよいのか。30年以上前に事故があった、アメリカのスリーマイル原発を訪ねた。川の中州にある原発は2つの原子炉のうち、1つは今も稼働中だ。
2012-03-12 14:08:44<ナレーション> 1979年、この場所で機械の故障と人為ミスが重なり、核燃料が溶け落ちるメルトダウン事故が起きた。しかし福島第一原発と違って、原子炉本体や建物は今も原形をとどめていた。そんなスリーマイル原発事故でも、溶け落ちた核燃料の取り扱いは厄介で、取り出しに10年かかった。
2012-03-12 14:13:53<ナレーション> 人が近づけば即死するほど高い放射線を出すロボットを使って遠隔操作で取り出した。核燃料の残骸は鋼鉄製の容器に入れられ、3000キロ離れたアイダホ州まで列車とトレーラーで運ばれた。核燃料の残骸が保管されているアイダホ国立研究所。
2012-03-12 14:21:01<ナレーション> 連邦政府の原子力関連施設で敷地の広さは東京23区を超える。商業用だけでなく、軍事用の原子力関連施設も並んでいる。 あちこちに核燃料を運ぶ容器が置かれていた。
2012-03-12 14:25:08<ナレーション> 核燃料の残骸は厳重に管理されていた。武装した兵士が2度にわたってボディーチェック。度重なる交渉の上、貯蔵庫を撮影することが許された。日本のテレビ局が撮影するのは初めてだという。
2012-03-12 14:31:32<ナレーション> 厚さ60cmのコンクリート製の貯蔵庫には鋼鉄の容器が収められ、核燃料の残骸はその中に入っている。万一異変があれば、中を開けて確かめられるよう、丸いハッチも付けられていた。
2012-03-12 14:38:26<ナレーション> ここに置かれてからすでに20年、内部の計器で放射線量や水素を常に監視しなければならない。事故の後、核燃料の処理を行った中心人物を訪ねた。レイク・バレット氏、NRC(アメリカ原子力規制委員会)の幹部として陣頭指揮にあたった。
2012-03-12 14:45:31バレット氏: 福島第一原発はスリーマイルよりずっと処理が難しい。なぜならスリーマイルでは溶けた核燃料は1つだけで圧力容器にとどまった。福島第一原発では溶けた核燃料は3つで、圧力容器の底を突き破った。建物も水素爆発で破壊された。
2012-03-12 14:50:36<ナレーション> 近くの町まで50キロ以上離れたアイダホ国立研究所。不測の事態があっても、住民への影響が少ない。それに比べ日本にはこうした施設はなく、福島第一原発の核燃料をどうするかもまだ決まっていない。
2012-03-12 14:53:34倉澤: 今回の事故で世界を震撼させたのが、4号機の使用済み燃料プールです。原子炉は停止していましたが、プールに保管されていた大量の使用済み核燃料は冷却機能の喪失により温度が急上昇しました。
2012-03-12 14:58:00