福島のテレビ局ベテラン報道記者大森さんによる魂の雄叫び
私は原発には反対だ。記者になった29年前から一貫して反対だったし、決定的だったのは'89年1月に福島第二原発3号機で起きた再循環ポンプ破損事故だ。水中軸受(はずみ車みたいなもんだ)が溶接部から落下した事故で、INESではレベル2と評価された。(続く)
2012-03-17 16:29:19当時問題にされ、今も事故の概要としてまとめられているのは、「落下した軸受が突起物で削られ、約30キロの金属片が圧力容器内に流入した」と言う点だった。他社は連日その問題を報道し続けた。でも私はこの事故の本質はそこにはないと思った。(続く)
2012-03-17 16:30:07もともと圧力容器内には、配管から剥れた金属片など年間で60キロ程度の異物が溜まる。30キロ加わったところで大差ない。悲痛な顔で謝罪した那須翔社長(当時)も、内心では「ここに焦点が当たってる間はセーフゾーン」とほくそ笑んでいたと思う。(続く)
2012-03-17 16:30:42再循環ポンプは、配管で支えられた不安定な状態で固定されている。いわば「浮いている」ようなものだ。100キロの軸受が落ちた衝撃は、例え満たされた水による抵抗があったとしても相当なものだったはずだ。(続く)
2012-03-17 16:31:52中心がずれて落下すると言う可能性もあった。その場合、重心がずれたまま回転を続け、遠心力が増大して行くことも想定される。実際、計器が「再循環ポンプ振動大」の警報の中、出力を落としながらもしばらく運転が続けられた。(続く)
2012-03-17 16:32:32落下の際の衝撃、遠心力、いずれも配管の大口径破断を招く可能性があったと考えている。配管が破断した場合、今回同様に「冷却材の喪失~空焚きによる燃料溶融」に至る可能性もあっただろう。(続く)
2012-03-17 16:33:47この事故以降、私の「反原発・東電不信」のスタンスは堅固なものとなった。だが今、声を大にして言いたいのは「反原発への思いと、今回の事故による放射線の影響、ひいては健康への影響を混同してはいけない」と言うことだ。(続く)
2012-03-17 16:34:47「空間線量×時間」との机上の計算ではなく「実際の」外部被ばく量を示すバッジ、内部被ばく量を示すWBC、経口量を示す陰膳調査、吸入量を示す大気中の降下量、明らかになりつつある数値は全て「健康被害はまずあり得ない」ことを裏付けている。(続く)
2012-03-17 16:35:22言葉は悪いが、「ラッキーなほど」被ばくしていない。チェルノでは土壌の汚染でゾーニングして、避難させた。福島市にはそのゾーン2やゾーン3のところが点在しているが、実際の被ばくはチェルノの当該ゾーンよりケタ違いに低い。それも1ケタじゃない。(続く)
2012-03-17 16:36:05ロシア(旧ソ連)は昨年の報告書で「最大の見込み違いは土壌汚染の割合で移住させたこと」としている。さらに移住によるストレスなどがはるかに大きな損失をもたらした、と総括している。福島よりはるかに大きな被ばくをしたロシアがだ。(続く)
2012-03-17 16:36:37私が親しく付き合い、信頼する放射線衛生学者が(超反原発)昨年、ウクライナの担当大臣に「土壌汚染の度合いで避難させたことが一番の失敗だった。福島にはこうしたことのないよう頼む」と言われたとのことで、これはロシアの総括と一致する。(続く)
2012-03-17 16:37:12ようやく連ツイも結論に近づいて来たが、福島県外から危険を訴える方々に考えていただきたいのは、「貴方がたのツイートが福島に住む人や福島を後にした人に、どれだけストレスを及ぼすか」と言うことだ。(続く)
2012-03-17 16:38:46善意で言ってくださる人も多いだろう。だが、福島に住む我々にはむしろそれが心を乱し、ストレスになることもある、と言うことに気づいていただければ幸いだ。(続く)
2012-03-17 16:39:50福島に住む者は、放射線の影響に対するリテラシーは総じて高いレベルにあると思う。以前赤提灯で飲んでいたら隣の席で「バンダジェフスキー論文は妥当か否か」を議論していた。赤提灯でこんな飲み話が出る地区は他になかろう。(続く)
2012-03-17 16:40:34それでも、外からいろいろ言われるとストレスになる。「29年来反原発かつ今の状況はラッキー」の私すら、そうしたツイートや報道を見るたび「ああ、これでまた福島県に住む人の平均余命が○分縮んだなあ」と考える。これが今の私の最大のストレスです。(了)
2012-03-17 16:41:11@yard_1957 私は、福島をより悲惨なところにすることで反原発運動を推し進めようとするならばそれは違うと思っています。私は原発には反対ですが、それと今福島で検証されつつあるデータを冷静に見ることは矛盾しないと思っています。
2012-03-17 16:46:03地元放送局のかたの冷静なツイートを読んで、なんだかほっとした。あとは、新聞社は安易に講演会の後援をしないでねと言っておこうっと。
2012-03-17 17:03:10「私が親しく付き合い、信頼する放射線衛生学者」伝聞情報でいろいろなものが台無しになる例。 http://t.co/fwLOrnNk
2012-03-17 18:50:13.@yard_1957 「最大の見込み違いは土壌汚染の割合で移住させたこと」としているという「ロシア(旧ソ連)」の「昨年の報告書」はどこで見られますか? 初歩的な質問でしたらすみません。 http://t.co/fwLOrnNk
2012-03-17 18:53:29@yard_1957 どうもありがとうございます。リンク先では「事故処理にあたった最初の数年において見込み違いだったのは、以下のことである」とありますが、「最大」という言葉はないですね。 http://t.co/Usw8L4cX
2012-03-17 20:07:04@yard_1957 あと、「土壌汚染の割合で移住させたこと」という文もうまく見つかりませんでした。テキスト読むのがヘタですみません。「1988年以降に人々の大規模な移住プログラムが実施された」とはありますが、「最大」との関係不明瞭です。 http://t.co/Usw8L4cX
2012-03-17 20:10:08@kuratan ああ、そうですねえ。。私の見ていた文書のこの部分に下線が引かれていたこと、そして「親しくしている超反原発の放射線衛生学者」がこの点を強調していたことにより、自分で「最大の」と思っているのですね。反省。それから土汚染の反省については。
2012-03-17 20:22:54引用したサイトの「本文」から20行目(私のPC表示で)のところですね.これも「親しく付き合っている放射線衛生学者」の聴いて来たことと一致してたので書いたのですが。こう言うのって、実名の「私が聞いた」では「伝聞」になってしまうのでしょうか. @kuratan
2012-03-17 20:30:09