#shuppan 永江朗 「出版文化論」 ブックオフと出版文化 #bookoff #bunkou
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永江:私は35歳の時に編集者をやめて、フリーになったんですが、それは徹夜がきつくなったからてすね。だから出版とか目指してる方は体力をつけて下さいね。
2010-06-07 14:54:30永江:就活はまあ勝ちぐせをつけるのは大切ですね。ずっと落ち続けてる人は負けるオーラが出ているので、まずはどこでもいいから内定をとっておけと。それから志望度の高いところを受けるというのは大切なことで、色んなところを受けて勝ちぐせをつけておくというのが良いんじゃないかなと思います。
2010-06-07 14:58:42永江:本題に入る前にレポートの話をすると、現在の出版状況をあげて、自分なりの解決策を論じて下さい。その際大切なことは、面白いことを書くことです。つまらない正論より、間違ってる面白い論に良い点を付けます。
2010-06-07 15:00:59永江:それでは本題。今日はブックオフの話をします。ブックオフは現代日本の出版状況問題点を逆手にとったビジネスで、日本の読書文化を論じるのに避けては通れません。
2010-06-07 15:03:16永江:ブックオフ登場→1990年、相模原に第一号店。ヒントは中古ピアノとマツキヨ。当初からFC展開を想定。TSUTAYAなどとの提携。ハードオフ、キッズ、スポーツなど、多様な展開。
2010-06-07 15:05:54永江:最初のヒントがピアノというのは面白くて、60年代にピアノブームがあって、廃れて、家庭の場所塞ぎになってて困ってるという状況があったわけですね。で、それを買い取って売り始めた、と。それを発展させて、もっと他に「捨てにくいけど邪魔なもの」を探して行くと、本に行き着いたわけでね。
2010-06-07 15:09:47永江:04年に東証2部上場。05年に、1部に指定変更。現在917店舗、海外にも展開し始めると、急成長した会社ですね。しかし07年に当時の経営者である坂本孝がスキャンダルを起こし、少し駄目になるんですが、これは経営には関係ないものだったので、問題はそんなになかったそうです。
2010-06-07 15:14:00永江:現在のブックオフの売り上げは481億円で、そのうち本の売り上げは300億円程度と言われています。これは新刊の定価に換算すると、およそ1000億円程になります。
2010-06-07 15:15:49永江:ブックオフは出版業界では古本屋とは呼ばれません。早稲田や神保町の古書店と差別化し、半ば侮蔑的な意味を込めて、新古書店、あるいは新古本屋・中古古本屋と呼ばれています。
2010-06-07 15:18:10永江:なぜブックオフの登場は衝撃的だったのか。ある時は日本の出版文化を破壊する、と攻撃されることもありますが、それまでの出版文化とどう違ったのでしょうか。
2010-06-07 15:19:49永江:ブックオフの新しさ→古本からリサイクルへ。リサイクルという言葉によって、本を売るということに対してプラスのイメージを作り上げた。
2010-06-07 15:21:18永江:半額と100円均一。そして明朗な会計が成す、信頼感。従来の古書店は書店員の独断で会計を行っていた。これはユーザーに対して安心感を売んだ。その他の本と同基準で文庫や新書などを買い取り始めたのもブックオフが初めて。
2010-06-07 15:26:19永江:本の清潔さというのを詳しく話すと、ブックオフでは買い取った本をアルコールで拭いてから、きばんだ表面を薄く削ることできれいに見せるということがマニュアル化されている。
2010-06-07 15:29:08永江:今まではユーザー視点の新しさを見てきたが、出版業界から見ると、マニュアル化した仕入れ、本の内容ではなく、新しいかどうかきれいかどうかで売り値を決めること、マーチャンダイズの放棄、中古本であることがあげられる。
2010-06-07 15:31:57永江:マニュアル化した仕入れはそれまでの書店員のような本の体系化した知識や熟練した技術などを必要としない書店員を生み出し、入ったばかりのアルバイトでも本を扱えるようになった。これによって人件費の大きな削減が可能ねなった。
2010-06-07 15:34:50永江:内容ではなく、新しさで値段をつけるようになったのは、それまでの出版文化のアイデンティティであった、著作者へのリスペクトがないという点で、業界に衝撃を与えた。
2010-06-07 15:36:23永江:ブックオフはどこの街に行っても同じような本が並ぶ。これはユーザーの趣味に合わせて品を揃えるというマーチャンダイジングの放棄である。
2010-06-07 15:37:49永江:リサイクルというのはエコであることが環境にいいというイデオロギーにうまく乗った。私は欺瞞だと思うが、それは多くの人々に、ブックオフを利用することが環境に優しいことをしている、というプラスの意識を与えた。
2010-06-07 15:42:18永江:ブックオフへの肯定的評価としては、本に触れる機会が増えた、本購入の選択肢が増えた、入れ替わりの激しい新刊市場の補完的役割、既存の古書店への入門的役割、などが挙げられる。
2010-06-07 15:44:42永江:他には、文庫などに価値を与えた(まんだらけとの共通性)、立ち読みできる環境、新刊書店より品揃えがいい、そして、安直でクズのような新刊が増える中で、ブックオフ価格が適正価格なのではないか、という声がある。
2010-06-07 15:47:39