石川卓磨・宮下さゆり「似て非なるもの」展 公開対話ツイート

石川卓磨・宮下さゆり「似て非なるもの」展 at TALION GALLERY 2012.4.7 - 2012.5.2 http://www.taliongallery.com/ 関連: 宮下☓石川☓蔵屋 ギャラリートーク関連 - Togetter http://togetter.com/li/295140 続きを読む
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本日より、石川卓磨と宮下さゆりによる「似て非なるもの」展を開催いたします。オープニングレセプションは18:00から20:00までとなります。ぜひともお誘い合わせのうえお越し下さい。詳細→http://t.co/aiVcLkWe

2012-04-07 16:37:28
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先週土曜日にオープンしました、石川卓磨・宮下さゆり「似て非なるもの」展(5月2日まで) 本展覧会の二人のアーティストに、このギャラリー公式アカウントを使い、展示作品やその背景にある諸問題について、ツイッターで言葉を投げかけ合い、公開の対話を重ねるという試みを行いたいと思います。

2012-04-13 21:47:33
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この公開対話で、本展覧会の謎を読み解くための手がかりや、今月28日に開催のトークイベントの伏線となる内容が見つかるかもしれません。真摯なメッセージの応酬にご期待ください。(この公開対話ツイートには、〈001: 石川卓磨より〉というように、すべて冒頭に通し番号と名前を付記します。)

2012-04-13 21:48:41
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ちなみに本展覧会名は、ともにメタ絵画、メタ写真的なアプローチを行う二人のアーティストにおいて、志向性が断絶/持続するときの対照から、視覚文化をめぐるネットワークが複雑化する今日の状況下で、「見る」ことと「見える」ことの異同を想起するために、ギャラリーディレクターが付けたものです。

2012-04-13 21:50:11
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公開対話ツイートは、明日から始まります。楽しみにお待ちください。

2012-04-13 21:51:11
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〈001: 石川卓磨より〉それでは、宮下さんとの「似て非なるもの」展を巡って、対話を始めたいと思います。自らの作品について語ることは野暮だとも言えるかもしれないけれど、映画や小説などは、作品を発表すると制作者は様々な場所でその作品についての発言が当たり前のものとして求められます。

2012-04-14 14:43:58
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〈002: 石川卓磨より〉ここでは単なるプロモーションを越えて、お互いの作品を付き合わせながら制作者同士の生産的な対話できたらいいなと思います。さて、冒頭のアナウンスでご説明いただいたように、確かに僕と宮下さんはともにメタ絵画、メタ写真的な視点が組み込まれていると思います。

2012-04-14 14:45:14
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〈003: 石川卓磨より〉この部分から話を広げていこうと思います。まず僕の作品の前提から。僕は制作と受容が結ばれているところにある。僕が学生時代にコンテンポラリー・アートを学ぶ手段は、展覧会を観に行くか、あるいはネットが普及していない状況なので美術カタログや雑誌を見ることでした。

2012-04-14 14:51:24
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〈004: 石川卓磨より〉英語が得意でもなく、仏語、独語、伊語になるとほぼ全くという自分は、限られた情報を照らし合わせながら、カタログや雑誌に載っている写真を作品分析の手立てにしました。多くの絵画、彫刻、オブジェ、インスタレーション、ビデオの作品を写真によって研究したのです。

2012-04-14 14:52:59
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〈005: 石川卓磨より〉すると、雑誌やカタログで示された写真を見ていくだけでも結構多くのことを知ることができることに気がつきました。そして写真を見て作品を推理する感覚、また作品を見たときの感覚を想像力で補填することは、作品を見たときに得る感覚と異質ではあるが同等の興奮がある。

2012-04-14 14:54:35
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〈006: 石川卓磨より〉僕にとって、写真のメタジャンル性と暗号性の出発点は、そのような実感から出発しています。それと折り返すようにジョセフ・アルバース、ロバート・ラウシェンバーグやエドワード・ルッシェ等に代表される絵画制作と関係づけられるように撮られた一群の写真/史がある。

2012-04-14 14:56:38
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〈007: 石川卓磨より〉そして写真史を振り返ること、と書いてしまうとひどく美術史や写真という領域内部に閉鎖されているように感じると思いますが、そういう眼差しを持ちながら現代の風景と向き合っていくことは、無時間的でも、政治的空間を消去するようなニュートラル場とも考えていません。

2012-04-14 14:58:15
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〈008: 石川卓磨より〉SNS、フリッカーやブログ、グーグルなどの画像検索システムなどにより写真を介したネットワークの可能性は拡張し始めている。そこでは写真のいわゆるリニアな時間感覚は解体され新たなアクチュアリティが現れていると感じます。僕の関心はそういったものの考察でもある。

2012-04-14 14:59:00
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〈009: 石川卓磨より〉大変長くなりましたが、僕の問題意識が絵画と違いある程度の普及や共有がされていないので、最低限の提示の必要性を感じました。では宮下さんはメタ絵画性と言われた時どのようなことを感じますか。絵の中のテーブルとそこに描かれる影の図像は画中画とも捉えられますね。

2012-04-14 14:59:16
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〈010: 石川卓磨より〉一方で、メタ絵画性と言われて宮下さんは抵抗を感じるところもあるかもしれない。そこらへんも含めて、まずはお聞きしたいと思いました。

2012-04-14 15:00:46
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<011:宮下さゆりより>私は自分の作品を語る時に、不得手なもので、いつも何か言葉にする度に何かを切り捨てているような気がしてなりません。でも今回は対話のような形を取ることで、作品の一義的な答えではない、言葉が得られたらと思っています。

2012-04-14 17:57:47
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<012:宮下さゆりより>さて早速ですが、先程の石川さんの連投にはたくさんの興味深い点があったのですが、まずは最後の問いかけにお答えしようと思います。私の作品を[メタ絵画]と呼ぶと、私の作品は鉛筆のドローイングですから、ペインターの方には怒られてしまうかもしれません。

2012-04-14 18:07:36
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<013:宮下さゆりより>石川さんが指摘して下さったように、画中画のような構造をしている限りにおいて私の作品はメタ的です。なぜそのような構造を選んでいるかといえば、何を描けばいいんだろう?という自問自答の末の答えだからです。

2012-04-14 18:19:05
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<014:宮下さゆりより>つまり私は描かれたイメージが、その紙なりキャンバスなりに描かれている必然性が欲しかったのです。もっと言えば、フレームの内側の世界に、です。これが私が画中画のような構造を描くおおきな理由です。

2012-04-14 18:37:18
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<015:宮下さゆりより>さて石川さんが写真について語って下さったなかで、美術を学ぶことからというお話はなるほどと思いました。石川さんの写真はカメラを構えることからではなく、見ることから始まっているのではないかと思っていたからです。

2012-04-14 18:44:47
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<016:宮下さゆりより>更に言えば、タイトルと写真との繋がりによって、写真自体に所属するのではなく個々人の観賞者のなかに[読み]の空間が生まれる、ように思います。先程ネットワーク空間においての写真の在り方という言葉も出されていましたが、それ限らず

2012-04-14 18:53:44
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<017:宮下さゆりより>展示空間などでも、写真と他の要素(言葉は作品の一部なのでしょうか)との関係もお聞きしたいです。と、話を拡げるだけになってしまいましたがここで一旦区切ります。

2012-04-14 18:59:59
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〈018:石川卓磨より〉宮下さん返信ありがとうございました。返信をつなげやすいようにまずは僕の作品への質問からお答えしていきます。僕の作品は、プリント自体ではなく個々の鑑賞者が読解する空間に存在するというのはその通りです。この個別性という問題は、写真の特性でもあります。

2012-04-17 22:15:07
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〈019:石川卓磨より〉展示空間の問題ですが、僕は以前のように写真をインスタレーションはしていません。ただ、展示空間と映画館の対照性は基本としてあるかもしれない。オーソドックスな展示は、会場が明るく、作品は止まっており、観客が歩きながら、自由なタイミングとリズムで作品を観ていく。

2012-04-17 22:15:53
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〈020:石川卓磨より〉映画は会場が暗く、作品は動いており、観客は拘束され上映時間は固定されている。僕の写真は、身体を動かしながら再生される(記憶によって断片が結ばれる、あるいは切り離される)ものを考えています。それは高島屋の展示での写真とテキストの関係でもある。

2012-04-17 22:16:40