はやぶさの予算とJAXA広報についての笹本祐一さんのつぶやき

はやぶさの予算や広報について笹本祐一さんがつぶやいていましたのでRTしようと思いましたが、少し長めでしたのでまとめました。
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笹本祐一 @sasamotoU1

買ってこいって言ったの、パンじゃなくて弁当だろう。 RT @hologon15 パシリに10円渡して「パン買って来い」って奴ですね。 @maka_fusigi つ『はやぶさ後継機仕分け、枝野氏「工夫求めただけ」』 http://bit.ly/cjICc0

2010-06-15 10:20:39
笹本祐一 @sasamotoU1

厳しい予算で特撮映画作って当てたら、続編はさらに予算絞られるってよく聞く話だが、やっぱり予算絞って現場にしわ寄せ行かせた奴はその苦労を理解しようとも聞こうとらせずに「おれの手柄だ」ってことにするんだろうなあ。はやぶさ2の予算の話。

2010-06-15 10:27:44
笹本祐一 @sasamotoU1

はやぶさの広報がしっかりしていた、なんてことは実は全然無い。イトカワ着陸の時のことを思い出して欲しい。あのとき松浦のはやぶさブログhttp://bit.ly/aKjfKTがなかったら、我々はどれだけのことを知れただろうか。そして、あの時は広報に的川先生がいた。

2010-06-15 10:32:16
笹本祐一 @sasamotoU1

イトカワ着陸の時の広報は、それまでのJAXAの広報とうって違って大量の情報を公開した。進行中のミッションの情報がその手法からトライアンドエラーに至るまであれほど詳細に広報されたことはない。そして、それを実現させたのは喋りたがらない川口教授を説得した的川先生である。

2010-06-15 10:35:14
笹本祐一 @sasamotoU1

当時の総理大臣が新聞記者に「はやぶさのイトカワ着陸について」質問されたら「え?なんの話」なんてことがあって、責任追及を恐れた補佐官が情報は先に内閣府に上げてから広報、なんて指示出しをしたそうな。的川先生「XX補佐官の方針で広報出来ませんって言うことになります」ってやったって。

2010-06-15 10:37:25
笹本祐一 @sasamotoU1

つまり、あの時にはJAXA広報に全ての情報を出す覚悟を決めた的川先生と、報道側に徹底的に付き合う覚悟を決めた松浦がいて、そのおかげで我々ははやぶさの活躍をつぶさに見ることが出来たのである。松浦のはやぶさブログはボランティアにより英訳され、世界中に廻ったという。

2010-06-15 10:39:02
笹本祐一 @sasamotoU1

マスコミの体制だってそれほど変化してるわけじゃない。しかし、はやぶさ着陸の時は一ヶ月以上の長期ミッションに同じ記者が何回も取材に来るから、記者の理解度が一日ごとに高まっていった。まあ、現場の記者が事象を理解して記事を書いてもデスクは旧態依然でよくわからないって話もあったけど。

2010-06-15 10:41:40
笹本祐一 @sasamotoU1

もともとはやぶさの飛行は日本より海外での注目度が高く、着陸取材の時に訪れた相模原の管制室の廊下の壁には日本語の記事の十倍くらいの海外記事がコピーされて張り出されてあった。

2010-06-15 10:44:11
笹本祐一 @sasamotoU1

その昔、堀江青年の太平洋単独ヨット横断を、日本の報道は正式な出国許可をとっていないことを理由に非難した。到着先のサンフランシスコ市長から名誉市民に迎えられてから手のひら返して称賛したって前歴がある。つまり、マスコミは今も昔も成し遂げられた偉業の価値を自分では判断出来ない。

2010-06-15 10:48:14
笹本祐一 @sasamotoU1

そして、残念ながら広報はそうした報道機関にニュースを伝えることだけが自分の仕事だとしか考えていない節がある。イトカワ着陸の時に広報にいた的川先生は、定年退官でいまは広報にはいない。

2010-06-15 10:49:48
笹本祐一 @sasamotoU1

広報は、報道ではなく本当に情報を伝えるべき国民に直接広報することを考えなければならない。今はネットでその手段がある。あと必要なのは、何を広報すべきか、何を宣伝すべきか判断する見識と決断力である。

2010-06-15 10:53:00
笹本祐一 @sasamotoU1

でないと、JAXA広報はほんとは宇宙開発が嫌いで、少しでも自分の仕事に責任を取らされるのが嫌だから、積極的に世間が注目するような情報を自分からは発信したがらず、だからはやぶさの後継計画についても喋りたがらないとか思われちゃうぞ。

2010-06-15 10:55:55
笹本祐一 @sasamotoU1

それを日本の技術の変態力って持ち上げて喜んでるのも今の風潮。@ yshimoyama @sasamotoU1 必死の思いでどうにかすると「やればできるじゃん、次はもっと安くな」ってなるんだよね。

2010-06-15 10:57:18
笹本祐一 @sasamotoU1

はやぶさの運用は、トラブルに見舞われる前から中の人が「自分の羽根を抜いて機を織るような」というくらい負担の大きいものだった。睡眠不足や疲労によるトラブルを嫌ってシフト勤務を徹底しているJPLの連中が目を剥くようなハードな職場。

2010-06-15 10:59:06
笹本祐一 @sasamotoU1

さて、そんなハードな職場に降りかかるトラブルを現場の知恵と勇気と努力と根性だけで切り抜けて実績を上げ、世界的な成功を収めた計画の後継を、どの面下げて「もっと工夫を求めた」のか、じっくり説明してもらおうじゃないか。

2010-06-15 11:00:30
笹本祐一 @sasamotoU1

そして、JAXA広報にも、なぜはやぶさ2の計画に予算が付かないのか、進まないのか、はやぶさを支持してくれた国民に説明する義務があるとおもうのだがどうだろう?

2010-06-15 11:03:20
笹本祐一 @sasamotoU1

宇宙関係の話の最後に。的川先生の専門、なんだか知ってる?

2010-06-16 14:04:09
笹本祐一 @sasamotoU1

的川先生の専門は軌道工学。あれはまだ90年代、宇宙研の取材をしていた時、ある人に「的川先生は広報のために研究を捨てたからねえ、かわいそうなんだよ」と言われて胸を衝かれたことがある。

2010-06-16 14:07:20
笹本祐一 @sasamotoU1

的川先生の広報は余人を持って代え難い。だが、同時にあれほどの広報は余技で出来ることでもない。宇宙研の、そして日本の宇宙開発の顔として活躍した的川先生がもし自分の研究に専念出来ていたら、どれほどの果実が収穫出来ただろうか。

2010-06-16 14:09:31
笹本祐一 @sasamotoU1

そして、的川先生がいなかった場合の日本の宇宙開発の広報がどうなっていたか考えると、先生が広報をしてくれた幸運に感謝すると同時に申し訳ない気分になる。

2010-06-16 14:11:31
笹本祐一 @sasamotoU1

たとえば多数の研究所を抱えるNASAでは、予算削減が掛かると真っ先に強化されるのは広報なんだそうである。「我々はこんな重要なことをしている!」と対外的に宣伝し、やるべきことをやる場を固めるためにいちばん出来る奴が廻されるそうな。

2010-06-16 14:12:59
笹本祐一 @sasamotoU1

JAXAも、ほんとだったら毛利衛を広報のトップに据えて大々的に攻勢を掛けるくらいの体制が必要なんだと思う。プロの広報が知らしめるべきことを知らせてくれさえいれば、一介のSF作家が私費で徒手空拳で取材を続ける必要なんかなかったんだから。

2010-06-16 14:15:39
笹本祐一 @sasamotoU1

そして、広報が直接大衆を相手にする方が、宇宙ジャーナリストだの作家だのが語るよりはるかに影響がでかいはずなんだから。

2010-06-16 14:16:38
笹本祐一 @sasamotoU1

最近10年、ネットのおかげで宇宙ファンの数も増えたしレベルも大幅アップしたのに、広報もマスコミも旧態依然ってのがそもそもの問題なんだろなあ、これ。

2010-06-16 14:30:55
笹本祐一 @sasamotoU1

広報はマスコミしか見ておらず、マスコミは彼らが規定する一般大衆しか相手にしてない。だから、もっと知りたい、見たいというファンは無視される。ツイッターではやぶさやイカロスくんが喋るようになって、直接行なわれる広報も出てきたんだから、マスコミももっと踏み込んで欲しいものである。

2010-06-16 14:32:44