東大宇航研から宇科研への歴史(東大先端研・菅原琢特任准教授tweetまとめ)

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菅原 琢 新刊『データ分析読解の技術』重版御礼 @sugawarataku

JAXAの前身の文部省宇宙科学研究所は,昔は先端研のある駒場第2キャンパスにありました.東大の宇宙航空研究所が文科省に移管して出来たのが宇科研で,宇科研に行かなかった一部が工学部附属境界領域研究施設に移行し,ここを事実上改組して作ったのが先端研.

2010-06-14 02:03:06
菅原 琢 新刊『データ分析読解の技術』重版御礼 @sugawarataku

先端研20年史を作ったとき,東大宇航研から宇科研への歴史を調べました.そこからすると,Wikipediaの宇科研(http://bit.ly/bQJZ5E)の記述はバイアスがあることがわかります.第2工学部(今の東大生研)から連なるものとして特定の立ち位置から書かれています.

2010-06-14 02:10:28
菅原 琢 新刊『データ分析読解の技術』重版御礼 @sugawarataku

(続き)宇航研の前身は,組織と場所はともに東大航空研です.ここに,生研のロケット関係のグループが合流し,宇航研に改組されました.ちなみに,航空研は,戦後直後GHQの指示で航空技術の研究が抑制されていたため,一時期東大理工学研究所となっていました.

2010-06-14 02:17:00
菅原 琢 新刊『データ分析読解の技術』重版御礼 @sugawarataku

(続き)東大宇航研の歴史は暗い部分がありました.日本の宇宙開発は,宇航研だけでなく科技庁の航空宇宙技術研究所でも行われ,表向きは科学用と商用,背景としては固体燃料と液体燃料という技術(派閥)に別れ,予算等で争っていました.つまり,政治の舞台です.

2010-06-14 02:31:23
菅原 琢 新刊『データ分析読解の技術』重版御礼 @sugawarataku

(続き)宇宙開発をめぐる綱引き,あるいは国家予算の配分を巡る泥試合のため,宇航研は政治に巻き込まれます.特に,ロケット開発の中心であった糸川英夫教授がスキャンダルに巻き込まれ,大きな打撃を受けます.国会でも取り上げられ,最終的には糸川教授は職を辞し,ロケット開発からも離れます.

2010-06-14 02:37:56
菅原 琢 新刊『データ分析読解の技術』重版御礼 @sugawarataku

(続き)宇科研が打ち上げたはやぶさが訪れた小惑星イトカワは,もちろん糸川教授にちなんだもの.いろいろな執念が感じられます.それを美談と取るか,醜いと感じるかは別にして,宇宙開発にも「人間」が強く反映しているということを,改めて強く認識した次第です.

2010-06-14 02:46:42
菅原 琢 新刊『データ分析読解の技術』重版御礼 @sugawarataku

(続き)なお,この宇航研の話は20年史にも若干書かせていただきました.踏み込んではいませんが. http://bit.ly/9oNm1v

2010-06-14 02:58:15