選択の自由の選択/アーティストが自分の天性とどう付き合うべきなのか

モーリー氏の選択の自由の選択/アーティストが自分の天性とどう付き合うべきなのということに関するツイートまとめ
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モーリー・ロバートソン @gjmorley

「IT革命とソーシャルネットのおかげで、俊二に情報が共有され、国家や企業などの大きな権力による情報操作がしにくくなる」という期待に世界中の人達、とくにインテリ・学者・アーチストが賭けてきたようなところがあると思います。しかし個々の中にある「怠慢」を乗り越えられず…

2012-04-23 15:45:55
モーリー・ロバートソン @gjmorley

極左であれ極右であれ、大衆迎合とスケープゴートの排除をセットにした甘い話に釣られやすい人達が、かえって増えたのではないだろうか?そう考える今日この頃です。自分の前に選択肢が増えたときに、個々の人が果たして一番「正しい」考え方や行動を選ぶのか?

2012-04-23 15:48:34
モーリー・ロバートソン @gjmorley

↓一番簡単で責任を負わない選び方、言い換えれば悩まなくて済む選択をするという習性が人間性の奥にあるのかもしれません。悲観的な世界観に偏った見方かもしれませんが、変な方向に誘導されないように自由意志に対する「強制」がある程度必要なのだろうか?としばし、疑ってしまっています。

2012-04-23 15:50:04
モーリー・ロバートソン @gjmorley

↓たとえば子供を叱ることができず、お友達感覚で居続ける親がどのような結果を生み出すのかということにも通じるかと。希なケースとして「しつけを一切しないのに、自分で道徳心を身につけた殊勝な子供」がいる可能性もある。でも強制を極力排除した環境で幼い子供を育てたら…多分カオス。

2012-04-23 15:51:49
モーリー・ロバートソン @gjmorley

↓居酒屋で気持ちよくなって新入社員に語る上司のような物言いになりたくないので、ほどほどにしますが、「自由」の大切さは強制されて初めてわかるもの、という側面があるかもしれません。自分を律して、人としての道義に叶った選択ができて初めて「補助輪」が取れる。それまでは「しつけ」が必要。

2012-04-23 15:53:35
モーリー・ロバートソン @gjmorley

こっちの英文記事にもそんな内容が。「貧困な国の多くの人は、将来生活が向上する可能性がほとんどないと考えている。したがって先進国が援助を与えても、効果を成さない場合が多い。しかし直近で生活改善の見込みがあると、より合理的な行動が見られる」 http://t.co/24pCGRYd

2012-04-23 15:58:37
モーリー・ロバートソン @gjmorley

↓といった感じで「移民排斥」と「ユーロ脱退」「反米」が詰め合わせになった公約に投票が集まるフランスの現状をおもんばかっています。一回現実逃避を始めると、その見方を助長する情報は歓迎し、冷や水を浴びせるメッセージには悪意を覚えてしまう。思いこみを自分で認められない。

2012-04-23 15:56:00
モーリー・ロバートソン @gjmorley

↓記事ではストレスに関連して分泌される「コルチゾル」というホルモンにも言及。このホルモンは貧困層で多く検出される傾向があり、刹那的な衝動を抑えにくくなる作用があるとのことです。貧困層のステレオタイプを強調するというよりも、根源にある「希望が見えない」状況の描写だと思いました。

2012-04-23 16:01:56
モーリー・ロバートソン @gjmorley

↓ポピュリズムに乗ってしまいたくなる、そんな自分のもやもやした気持ちを抑えるには「大衆扇動で約束されたことは99パーセント反故にされる」ということを経験するのが一番の薬かも。その苦い薬を飲むまでは、半永久的に甘い言葉に期待してしまう。そんな性が人の心にはあるのかもしれない。

2012-04-23 16:03:25
モーリー・ロバートソン @gjmorley

「だから私は妖怪人間になった!」というナレーションでしめくくるのが昭和のアニメ。オートバイに乗った主人公の後ろ姿、そして大都会の空撮。「お わ り」

2012-04-23 16:04:34
モーリー・ロバートソン @gjmorley

↓「提クレ」が流れているテレビ画面に申しわけありませんが、ここでさらに番組は延長、もう少し考えを補足します。前回の #blockfm 深夜の番組で「アーチストは一般人よりも一人あたりの影響力が大きい。それは表現という魔力を持っているからだ」といった発言をしましたが、その続きです。

2012-04-23 16:09:43
モーリー・ロバートソン @gjmorley

↓確かにミュージシャン・俳優・作家・タレントなどは、メッセージの論理構造だけではなく情動や5感に訴えかける技能をそれぞれの人が持っているとこに力があります。逆説的ですが、それぞれの強く打ち出された個性が受け手をトランス状態に陥れ、普遍的な感動を呼び起こすお仕事、と大ざっぱに規定。

2012-04-23 16:11:43
モーリー・ロバートソン @gjmorley

↓ただ、そのアーチストたちが最もポピュリズムの扇動に乗りやすいという側面も過去の歴史の中で繰り返されています。これはなぜなのだろう?と自分の恥ずかしい過去にも照らし合わせて最近よく振り返っています。推理を述べると、こうなります:アーチストは感動を伝えるために、まず自分が感動する。

2012-04-23 16:13:02
モーリー・ロバートソン @gjmorley

↓その感動は「余計な情報や悩みの排除」という過程をくぐることが多い。つまり「細かいことはいいから、真理を見つけたらまっしぐらに向かっていけばいいんだよ!」といった気質です。自分がその真理に向かって心を全開に出来ればエネルギーがほとばしってきて、自分を通して形になり、拡散していく。

2012-04-23 16:14:26
モーリー・ロバートソン @gjmorley

↓ただ、この「真理に感激」する道筋は自分だけに固有のものであり、隣にアシスタントがいたとして、説明してもおそらく再現できません。つまり自分の極めて主観的な経路を通して、最初の感激が生まれる。この領域が社会的な影響力と結びついた時にリスクが生じる。

2012-04-23 16:16:15
モーリー・ロバートソン @gjmorley

↓自分にとって「わかった!」ということが、必ずしも自分以外の人においては通らない場合があるからです。でも逆に「私の能力は誰も迷惑しない形でしか使ってはならない」と強く自分を戒めすぎると、今度はインスピレーションが湧かなくなり、むずむずしちゃう。そういう存在なのよ、アーチストって。

2012-04-23 16:17:28
モーリー・ロバートソン @gjmorley

↓つまりアーチストが調子が絶好調なのは、「みんながどう思うか、そんなことは知らん。私にとってこれが一番気持ちがいい答え!みんな見て、今日の『日刊あたし』!」という発信をしているとき。パフォーマンスアートの領域では、これがどんどんと濃縮還元していき、奇妙な振る舞いをするのが作品に。

2012-04-23 16:19:37
モーリー・ロバートソン @gjmorley

↓つまり、粗く言い切ってしまえばアーチストが自分の中に見つけようとする感動はドキュメンタリーの感動とは反対の方向性を持つ。ドキュメンタリーは「やらせ」を行わない限り、当初探していた内容は現場で見つからないものなので。つまり思いこみがどれだけ気持ちよく蒸留されるかがポイント。

2012-04-23 16:21:22
モーリー・ロバートソン @gjmorley

↓つまりアーティストは短絡した答えに魅力を見出し、自分の無意識が刺激され、どんどんと新しいイメージと「やる気」、存在意義を見出す傾向にある。だからポピュリズムに一番乗りしやすい。煽動しているときは、それ自体が社会を動かしている「アート」だから、とても楽しい。ロシア構成主義とか。

2012-04-23 16:25:09
モーリー・ロバートソン @gjmorley

↓ただここでギリシア悲劇のような矛盾も生まれます。ポピュリズムに乗って煽動表現を嬉々として行ううちに、次第に自分の閃きの源泉である個性がフェードアウトしていく。自分は煽動の道具になって、完全に飼い慣らされていく。イタリアで「未来派」を唱えたマリネッティもそういう運命を辿りました。

2012-04-23 16:27:02
モーリー・ロバートソン @gjmorley

↓最終的には「おばかさんのフランシーヌ」になってしまうのかもしれませんが、刹那的に気持ちよくなりたいという「アートなコルチゾーン」が分泌した結果、それに負けて完全に政争の道具になるまでに身をやつし、最後には利用したデマゴーグにも邪魔者扱いをされてお払い箱、のこの悲しさ…

2012-04-23 16:28:46
モーリー・ロバートソン @gjmorley

↓そこでアーチストこそが自覚すべきなのが、今の自分と「かわいそうなフランシーヌ」とは障子一枚で隔てられているのだということ。アートという情動に訴える表現力を持っている人は、そうそういません。魔法の杖を握っているようなものです。

2012-04-23 16:31:28
モーリー・ロバートソン @gjmorley

「見えた!これで気持ちよくなれる!」と思ったときにこそ「待てよ。自分が見ている現実を社会全体でも共有できるのだろうか?」と自ら冷や水を浴びてみる 勇気が必要です。才能があるアーチストにとって、それはとても、とても辛いこと。でも我慢しなさい!それでこそ本物の感動に至るのですから。

2012-04-23 16:33:23
モーリー・ロバートソン @gjmorley

↓以上です。読み返したら「瞬時に情報が共有」が「俊二に」になっていました。俊ちゃん、元気?アーチストは永遠にうぶであり続けたい。けど、大人の生活をするためには、我慢も覚えないといけない。誰が大人になったアーチストをしつけてくれるんだろう?

2012-04-23 16:38:19
モーリー・ロバートソン @gjmorley

↓追加訂正です。「コルチゾーン」を「コルチゾール」に。詳しくはこちら:http://t.co/GxyBY9oa ☆アーチストが天から受けた恵みとは、このストレス状態をくぐって向こう側に喜悦が見えるという能力。とにかく最後まで自分を信じるしかない!でも大人の面も忘れないでね。

2012-04-23 16:45:25