2012-05-09 16:09:41
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ICRP publ.103 甲状腺の名目リスク係数について

ICRP publ.103での組織荷重係数を設定する際の第1ステップである甲状腺の名目リスク係数についてまとめてみました。

「低年齢時の甲状腺被曝による生涯発癌リスクの増大について」
http://togetter.com/li/302060
by MAKIRIN1230
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  • ICRP publ.103では、
    http://t.co/ASOWpkpN の表の値について、約30ページにわたって解説されている。
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  • 名目リスク係数によるリスクの見積もり
  • http://t.co/ASOWpkpN
    全年齢集団における甲状腺の名目リスク係数は33だが、就労年齢集団(18~64歳)ではその値は9となっている。これは18歳未満の子供についてはその値は100程度になることを意味する。またこれらの値はDDREFを2として算出されている。
  • https://t.co/jvDTIAeO
    名目リスク係数が100というのは、その臓器の被曝量(等価線量)が100mSvの人が1万人いる場合、生涯でその臓器のがんを発症する人が10人増えるような値です。
  • 1MBqのI131を5歳児が経口摂取したとすると、その甲状腺等価線量は2.1Svになります。http://t.co/09h6uj8b p.21
    子供の甲状腺の名目リスク係数を100とするなら、生涯で甲状腺がんを発症する数が1万人当たり210人も増えるような線量です。
  • 1MBqのI131を成人が経口摂取したとすると、その甲状腺等価線量は0.43Svになります。http://t.co/09h6uj8b p.21
    その甲状腺の名目リスク係数を9とするなら、生涯で甲状腺がんを発症する数が1万人当たり約4人増えるような線量です。
  • https://t.co/jvDTIAeO
    https://t.co/7O0oFeco
    https://t.co/7QBVWP54
    幼児と成人では同じBq数のI131を経口摂取したとしても、生涯の甲状腺がんの発症リスクは前者のほうが後者より50倍程度大きくなることがわかる。
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  • 名目リスク係数の算出ステップ
  • ICRP publ.103での名目リスク係数の算出ステップ
    ①放射性関連がんについて、生涯がん罹患リスク推定値を決定する。14の臓器又は組織に対して、男性と女性の生涯過剰がんリスクをERRとEARの両モデルを用いて推定し、ついで、男女にわったって平均した。
  • ICRP publ.103での名目リスク係数の算出ステップ②線量・線量率効果係数(DDREF)を適用する。生涯リスク推定値は、DDREFを考慮して2倍だけ下方に調整された。
  • ICRP publ.103での名目リスク係数の算出ステップ③リスク推定値を集団間で転換する。各がん部位についての放射線リスクを推定するため、ERRとEARによる生涯リスク推定値の加重を定め、ベースラインの異なる集団で一般化するために合理的な根拠を提供した。
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  • (甲状腺の場合、ERRモデルとEARモデルによる生涯リスク推定値の加重は100%:0%とされているので、ERRモデルの推定値がそのまま採用されたことになる)
  • ICRP publ.103での名目リスク係数の算出ステップ④これらの重み付けされたリスク推定値は、7つの西欧人とアジア人の集団に適用され、平均化され、 http://t.co/ASOWpkpN に示される名目リスク係数を提供した。
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  • 名目リスク係数を算出する際に用いられたERRとEARについて
  • 名目リスク係数を算出する際に用いられたERRとEARは、男女それぞれについて被曝年齢と到達時年齢の関数とし、被曝時年齢に対しては指数関数で、到達年齢に対してはべき乗関数でフィッティングされている。
    ERR(性、被曝年齢、到達年齢)、EAR(性、被曝年齢、到達年齢)。
  • ICRP publ.103 甲状腺がん罹患率に基づくERRモデルにおける係数: 30歳での被曝による70歳での1Gy当たりERR 男0.53 女1.05、被ばく時年齢10年増加ごとのERRの変化 -56%、ERRが到達年齢の何乗で変化するか 0.00、女性と男性での比 2.00
  • 同 甲状腺がん罹患率に基づくEARモデルにおける係数: 30歳での被曝による70歳での1万人当たり年当たり1Gy当たり過剰数 男0.69 女2.33、被ばく時年齢10年増加ごとのEARの変化 -24%、EARが到達年齢の何乗で変化するか 0.01、女性と男性での比 3.36
  • 甲状腺の場合、ERRは到達年齢0.00乗で、EARは到達年齢0.01乗で変化するとなっているので、いずれも到達年齢にはほぼ依らないとされている。
  • https://t.co/GtOQ8Rwf
    被ばく時年齢10年増加ごとのERRの変化が-56%なので、20歳での被曝による70歳での1Gy当たりERR 男1.19 女2.39、10歳での被曝による70歳での1Gy当たりERR 男2.71 女5.42 となる。
  • https://t.co/UPxLUJHV
    同様に、20歳での被曝による70歳での1万人当たり年当たり1Gy当たり過剰数 男0.91 女3.07、10歳での被曝による70歳での1万人当たり年当たり1Gy当たり過剰数 男1.20 女4.03 となる。
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  • ERRモデルによる甲状腺被曝時年齢が0歳の場合の1Gy当たり10万人当たり年当たりの甲状腺がんの発症数の見積もり
  • アジア人男性の年齢別の甲状腺がん罹患率(10万人当たり1年当たりの症例数)
    0歳から49歳まで5歳間隔では、
    0.00、0.02、0.23、0.59、0.74、0.99、1.16、1.67、2.15、3.17
  • アジア人女性の年齢別の甲状腺がん罹患率(10万人当たり1年当たりの症例数) 0歳から49歳まで5歳間隔では、 0.00、0.18、0.55、1.54、3.26、3.84、5.74、6.78、10.45、13.31
  • アジア人男女平均の年齢別の甲状腺がん罹患率(10万人当たり1年当たりの症例数) 0歳から49歳まで5歳間隔では、 0.00、0.10、0.39、1.04、2.00、2.42、3.45、4.23、6.30、8.24
  • ERRモデルでは、
    0歳での被曝による70歳での1Gy当たりERRが 男6.15 女12.3。それぞれhttps://t.co/Ip5WU978
    https://t.co/8ZuFaBJc
    にかけることで、1Gy当たり10万人当たり年当たりの過剰な甲状腺がんの症例数が見積もれる。
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コメント

  • 原典を当たれと言われるかもしれないですが、名目リスク係数は実行線量ではなく等価線量を用いるものなんですか?
  • 名目リスク係数は各臓器の等価線量と実効線量を関係づける組織荷重係数を設定するために参考にしている値の一つです。
  • 参考にしているかどうかでえはなくて、名目リスク係数にかける値は等価線量を用いても良いのかを伺いたいです。一番上の表にある(がん/万人/Sv)のSvは実行線量のように思いますが、ヨウ素の場合は単純に全身被曝に換算しても意味は無いですし、その辺りどう扱うのかと。
  • 実効線量ではありません。名目リスク係数は、臓器が被曝した時、その臓器の等価線量(β線、γ線なら吸収線量に等しい)1Sv当たり1万人当たりの生涯でのその臓器の過剰ながんの発症数を見積もったものです。上でも回答したように、http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/09/09020305/02.gif の相対損害を参考に組織荷重係数を設定するための第1段階に必要なものが名目リスク係数です。 組織荷重係数を設定しなければ、実効線量は算出することはできません。
  • http://trustrad.sixcore.jp/water.htmlをみると実行線量に対しての値であるように見えます。全身で5.5×10-2/Svも良く見る値ですが、これとは別の係数なのでしょうか。
  • 基本的には原爆での影響評価を基にしていると思いますので、全身被曝かつGy≒Svで評価されているかと思います。相対損害は全身で1になる様に設定しているので、特に実行線量ありきでも問題ないように思いますがどうでしょうか?
  • 全く別のものです。何度も言いますが、実効線量というものを定義するのに必要な組織荷重係数を設定するための計算に名目リスク係数というものを用いています。吸収線量あたりからきちんと学び直した方が良いと思います。この話はきちんと基本から積み上げていない人には理解することは無理です。
  • いや、上に書いたように外部からの全身被曝の場合、組織荷重係数が無くとも被曝量は求められますよね。1cm線量当量を測定すればいい訳で、定義とは別に測定方法が存在します。組織荷重係数は全身被曝時における各臓器の寄与度と言えると思います。(なので組織荷重係数の和が1なのではないでしょうか?)
  • 全くの別物を全く同じ名前で呼ぶというのも不思議な話だと思うのですが、その辺りの事が記述されている資料などはご存じないでしょうか?
  • 防護量と実用量も混同しているようですね。ICRP publ.103を参考にしてみてください。http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/09/09020305/02.gif の表についても約30ページにわたって解説されています。各臓器の寄与度をどう決めるかという話です。
  • 分かりました。買って読んでみます。各臓器の寄与度をどう決めるかは全身被曝の結果、どの臓器にどの程度の発がんリスクがあったかというデータからなので、順序がおかしいように思います。
  • 全身被曝も必ずしも各臓器が均一に被曝するわけではありません。そこら辺も誤解しているようですね。各臓器が被曝した時に各臓器の生涯発がんのリスクを調べたものが名目リスク係数です。
  • 必ずしもどころか、まったく同じ線量で被曝することは無いでしょうね。それは理解していますよ。しかし、各臓器を個別に被曝させてリスクを計算することはできないので、全身被曝→同様(深部等は修正量)の被曝におけるリスクの差を算出→リスク係数→臓器荷重係数の順番じゃないですか?と言う事です。
  • 各臓器の被曝量(等価線量)を推定して、それを元にリスクを調べています。まぁ、1から勉強し直してください。そうすれば、https://twitter.com/#!/SkiMario/status/201321286889246720 この質問がいかに頓珍漢なものだったかがわかるでしょう。
  • 等価線量を推定してからリスク係数を調べるって、私、同じことを言ってますよ?
  • その推定された各臓器の等価線量とその臓器の生涯にわたるがんの発生数をの関係を調べたものが名目リスク係数です。あなたは、それが等価線量ではなく実効線量だと始めに主張していたわけです。支離滅裂な人を相手にする時間はないので、これ以上のコメントはお控えください。
  • おそらくSkiMarioさんのお話はGy≒Svを最初に持ってきたのがややこしくなる原因で、まず全身の吸収線量Gyによるガン死リスクがあり、これを名目リスク係数の推定により臓器ごとのリスクに換算したのが等価線量で、それらは最終的に全身でGy≒Svとなるように実効線量が定義された、ということかと。
  • SkiMarioさんは1Svの被曝といっても推定される各臓器の等価線量が一意的に決まらないことすら認識できていないので論外です。さらに、言っていることが自己正当化のためどんどん変わっていくので、こういった支離滅裂な学生さんは相手にしない方が無難です。 推定される等価線量には、臓器によるリスクの違いは考慮されていません。β線とγ線による被曝の場合は、等価線量は吸収線量(完全な物理量)に一致します。それ以外の放射線に対しては放射線荷重係数によって、放射線の種類によるリスクの違いは考慮されていますが。
  • 各臓器の等価線量が等しくなるような被曝をした時に、等価線量の値と実効線量の値が同じになるように(値が等しいだけで意味は違う)、組織荷重係数は規格化されています。
  • @SkiMario さんには頭が下がります