田植え前除染にまつわる農家の努力と不安と多少の問題点の話

こちら川俣町では今まさに田植え作業の真っ最中です。そんな中、町内の80代の農家の方とのおしゃべりで聞けた除染にまつわるいろいろな実際の話です。ちなみに私は農家ではありません。
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kon-beef @kon_beef

①農家の方から聞いた田植え前除染の話:昨年産の出荷用米では基準値をこえなかった川俣町だが、一部自家消費用のもち米から基準超の放射性セシウムが検出された事を受けて、全町で田んぼにゼオライトを撒くなど作付け前除染を行う方針を決定していることはすでにニュースにもなっている通りです。

2012-05-16 00:46:46
kon-beef @kon_beef

②しかしその実状はどうなっているかという話を農家の方からうかがいました。昨年12月に行われた県の除染デモではゼオライト散布後に30センチの反転耕を行うとされたが、大型機械が必要なこともあり小さい田んぼでは反転耕は無理ということで、その場合は出来る範囲で深耕しよく撹拌するという事だ

2012-05-16 00:47:42
kon-beef @kon_beef

③ゼオライトだけでなくカリ肥料なども多く入れることとされ配布が行われたのだが、福島県では大量に使うために調達が遅れて配布には時間がかかっている。農協にゼオライトが積んであっても配布は明日からなので明日来て下さいと言われた人もいたらしい。

2012-05-16 00:48:10
kon-beef @kon_beef

④田植え前の肥料等の散布がいつもに比べて量が増えたため手で撒くには追いつかず、慌てて息子さんがネットでいろいろ探して中古のブロードキャスターを調達した。ゼオライト散布については作業費用も出るが新しい機械を買うような余裕はとてもない。中古の器械を周りの農家と共有して使っているという

2012-05-16 00:48:35
kon-beef @kon_beef

⑤参考:ブロードキャスター http://t.co/x3A8hiu5 化学肥料が直接触れたりするのでボルトなど金属部分が腐食するらしい。息子さんがなんとか修理して使ったと言っていた。

2012-05-16 00:51:11
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kon-beef @kon_beef

⑥ゼオライト、肥料をもらう量は当然田んぼの面積に応じてなので申請が必要。ちゃんと除染を行った証明として作業前と作業後の田んぼの写真も取らなくてはならない。これも近所の人と協力してやっている。同じ角度から同じように撮らなくてはいけないので面倒。

2012-05-16 00:51:38
kon-beef @kon_beef

⑦しかも田んぼ一枚一枚ごとに写真が必要だということなので、役場も申請書をとっとくために専用の部屋が必要なんじゃないか、ともおっしゃっていた。

2012-05-16 00:53:37
kon-beef @kon_beef

⑧ゼオライトを撒いて土壌を撹拌したら田んぼに水を張るのだが、指導によると水を張って撹拌してから、一度水を抜けという。その際に下の田んぼにセシウムが流れるのを防ぐために水を抜く部分に袋などをつけてセシウムを吸着したゼオライトを濾し取るようにという指導もされているが、

2012-05-16 00:54:02
kon-beef @kon_beef

⑨実際にはそんなことやってられないと水抜きをしないで代かきしてそのまま作付けするケースも多いらしい。

2012-05-16 00:54:31
kon-beef @kon_beef

⑩また、畑に撒く分としてもゼオライトはもらえるが、それについては作付け証明は必要ないので畑を除染すると言ってゼオライトと作業費用をもらってきて実際には畑をやらない人もいる。そのためにゼオライトがスムーズに行き渡らなくなるのは問題だとおっしゃっていた。

2012-05-16 00:54:58
kon-beef @kon_beef

⑪作付け前の作業は大変だが、ここまでやっても実際に収穫されるまでは除染の効果が出るかはわからないという不安も大きいと言う。実際に去年は作付けしても大丈夫と言われたのに場所によっては予想以上のセシウムが出たことがそういった不安の根っこにはある。

2012-05-16 00:55:23
kon-beef @kon_beef

⑫たとえば同じ地域から1つでも基準値超が出ると他の農家にまで影響が出るのでプレッシャーだ。いつもなら5月の15日頃というのはだいたい田植えが終わってるもんだが、今田植えがすんでるのはかなり早いところ。自分のところでは25日以降ぐらいになるとおっしゃっていた。

2012-05-16 00:55:50
kon-beef @kon_beef

⑬穂が実るまで天候に恵まれるかは心配だが、そればっかりは天に祈るしかない。農家には共済制度があるが、前年までの実績で収穫が少ない農家は降りる金額が減るし自動車保険の等級のように共済をもらうと次からは降りにくくなるので共済があるからと言って手を抜く訳にはいかないとの事。

2012-05-16 00:56:45
kon-beef @kon_beef

まあ農家の方から世間話で聞いたのはこんなような事でした。県などから除染の指導を受けて実際に作業する農家としてはそのような感じらしい。こちらで米を作付けする生産者は当然ながら無為無策ではないということを少しでも知ってもらえたら、と思います。

2012-05-16 01:01:08