カーディス論文の信頼区間と発症予想ラインについて
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http://jnci.oxfordjournals.org/content/97/10/724.full.pdf
Risk of thyroid cancer after exposure to 131I in childhood
子供の時に放射性ヨウ素131を被曝したことによる甲状腺ガンのリスク
Elisabeth Cardis 国際ガン研究機関(IARC)
Journal of the National Cancer Institute, Vol 97, No. 10, May 18, 2005
1986年4月のチェルノブイリ原発事故後、汚染地域で子供の甲状腺ガンが大幅に増加しました。甲状腺に対する被曝のほとんどは、ヨウ素の同位体、とくにヨウ素131に起因するものです。私達は、ベラルーシとロシア連邦で、子供の時に放射性ヨウ素を被曝したことによる甲状腺ガンのリスクを計算するため、ケースコントロール研究を行いました。1998年までの甲状腺ガンの患者276人と、その276人に類似した1300人の対照者(両者とも事故の時には15才以下)を選んでいます。
個人ごとの被曝量は、事故時の居所や食事習慣から推定し、事故時にヨウ素が不足していたかどうか調査しています。
結果
子供の時に甲状腺が受けた被曝量と甲状腺ガンには、量に比例する強い関係。1グレイの被曝で甲状腺ガンは5.5倍から8.4倍。
1.5グレイから2グレイまでは、比例してガンが増加。ヨード不足の地域では、リスクが3倍。ヨウ素剤の投与で、リスクは1/3に。
甲状腺等価線量(mGy)
中央値
ベラルーシ 365mGy (356がヨウ素131)
ロシア 40 (39がヨウ素131)
最高値
ベラルーシ 10.2Gy
ロシア 5.3Gy
外部被曝線量
中央値 2.2mGy(0~98)
セシウムによる内部被曝
中央値 1mGy ( ~42)
年齢別等価線量
中央値 2才以下 400mGy
2-4才 365mGy
5-9才 124mGy
10-14才 43Gy
@leaf_parsley @MAKIRIN1230 甲状腺等価線量200mSv未満の領域では95%CIが1.0を含んでいます。この領域にたいしては今回のデータだけで話を進めるのは危険です。
2012-05-13 10:45:51@leaf_parsley @sushikubo case-contorol studyの欠点が挙げられています。 http://t.co/2gCttY1k
2012-05-13 10:53:30@MAKIRIN1230 @sushikubo @leaf_parsley 疫学pdf http://t.co/UhKXuHh2 この論文はケースコントロール=発症した人case=276名を探索。それに類似した発症していない人control=1300名を探してきた。
2012-05-13 11:17:32ありがとうございます。それらが上手くマッチングできていないと、おかしな結果をもたらすわけですよね。 @ytkhamaoka @sushikubo @leaf_parsley
2012-05-13 11:20:12@MAKIRIN1230 @leaf_parsley @sushikubo 276/(276+1300)のような議論は無意味。木原疫学 ch3各線量カテゴリの割合の比で議論。 最低線量カテゴリではオッズ比(16/276)/(138/1300)=0.548 -2999では2.82
2012-05-13 11:21:01@MAKIRIN1230 @sushikubo @leaf_parsley もちろんそうですよね。カテゴリ毎にオッズ比を算出すると確かに右上がり。これに各種の関数形をあてはめた。という方法なので、線量分布Fig1も原爆、福島(右下がり分布)と異なりちょっと高いところにピーク。
2012-05-13 11:30:06ご指摘ありがとうございます。276/(276+1300)が実際の発症率ではないので、それぞれの群の各カテゴリの占める割合に着目することが重要なんですね。 @ytkhamaoka @leaf_parsley @sushikubo
2012-05-13 11:36:31@MAKIRIN1230 @ytkhamaoka @leaf_parsley 各カテゴリーで計算したんですけど、Fig.2.の数値が出てこないですよね。どこが変なんでしょう。最も低い線量がリファレンスとあるので0~15を使用したのですが。 http://t.co/KzkbqmMt
2012-05-13 12:04:07@sushikubo @MAKIRIN1230 @leaf_parsley そういえば、そうですね確かに出てこない。最高線量と1Gyあたりでへこむという挙動は同じなので、referenceの取り方の違いだと思いますが。。。
2012-05-13 12:08:11@MAKIRIN1230 @ytkhamaoka @leaf_parsley 各カテゴリーで計算したんですけど、Fig.2.の数値が出てこない・・・。最も低い線量がリファレンスとあるので0~15を使用した・・・。(表中誤植訂正のため再送) http://t.co/V0UVG7Ar
2012-05-13 12:11:08@MAKIRIN1230 @ytkhamaoka @leaf_parsley しばらく離れます。ありがとうございました。
2012-05-13 12:13:00@MAKIRIN1230 @leaf_parsley @sushikubo 原爆データでのthyroid cancer "incidents"のERRは10代被曝、30才のとき4程度.それと類似した係数になっています。 http://t.co/399TtpEu
2012-05-14 08:42:48@leaf_parsley @MAKIRIN1230 @sushikubo また、ヨウ素剤をのんだ人はリスクが1/3になるそうです(p.728およびTab4)
2012-05-14 08:43:19@leaf_parsley @MAKIRIN1230 @sushikubo 疫学pdf http://t.co/UhKXuHh2 のBelslow Vol. Iがまるまるcase-control法についてまとめています。ちょっと手強いですが何かわかればTwします。。。
2012-05-14 08:44:10@MAKIRIN1230 @leaf_parsley @sushikubo 訂正です。オッズはp/(1-p)なので(16/276)ではなく、(16/276)/[1-(16/276)]。(138/1300)についても、同様に計算し、比をとったものがオッズ比。
2012-05-15 18:24:25@MAKIRIN1230 @leaf_parsley @sushikubo 疫学pdfに追加した上田、小牧 http://t.co/UhKXuHh2 p.11にあるようにマッチングのないケースコントロール法では、これを使うことができる。
2012-05-15 18:25:05@MAKIRIN1230 @leaf_parsley @sushikubo ただし、この論文では、患者ごとに年齢、性別、地域が類似した非患者を最低4名マッチング(p.725)。マッチングしたペアに注目する。
2012-05-15 18:25:45@MAKIRIN1230 @leaf_parsley @sushikubo 年齢、性別、地域は同じなので、発病有無は被曝有無(とその他観測できない変数)によると考えることができる。これを上田、小牧p.7左下のように集計。患者=case,対照=control。
2012-05-15 18:26:02@MAKIRIN1230 @leaf_parsley @sushikubo 非対角項の比がオッズ比になる。論文には、このマッチング情報が与えられていないので、我々が再計算することは不可能。上田、小牧は1対1マッチング、被曝有無という簡単な例。
2012-05-15 18:26:19@MAKIRIN1230 @leaf_parsley @sushikubo 論文では1300/276=4.7。患者によってペアの数が異なる。このような場合には、疫学pdf Chongsuvivatwongのp.180 にあるようにコントロール数毎に集計。線量カテゴリ毎にOR算出。
2012-05-15 18:26:48@MAKIRIN1230 @leaf_parsley @sushikubo このようにして算出されたのがFig2のOR。これは線量区間毎にORが独立していることを暗黙のうちに前提。これを線量の関数と考えて推定したのが、各種の曲線。
2012-05-15 18:27:01