【虚構】 虚構新聞騒動を巡る坂本義太夫教授の見解 【虚構】

京都大学で虚構報道心理学を研究している坂本義太夫教授による、一連の騒動についての解説。
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坂本義太夫 @SakamotoGidayu

虚構新聞をめぐる騒動について、あえてコメントするならば、本来社主が目指していた『「虚構新聞」という媒体を通じた作者と読者の読み合いゲーム』が成り立たなくなってきたのだよね。元来社会を混乱させようとか、釣られた「情弱」をバカにするとか、そういう意図で作られたサイトではない。(続く)

2012-05-16 02:21:52
坂本義太夫 @SakamotoGidayu

社主の例えを借りれば「教室の隅っこで2、3人で楽しんでたのを、クラスリーダーに見つかってしまい、不本意にもクラス中からの注目を浴びてしまって困惑している」状態。図らずもメジャーになってしまって、今までのやり方ではいけないと変な力が入ってしまったのだろう。(続く)

2012-05-16 02:26:44
坂本義太夫 @SakamotoGidayu

昨今、政治風刺の記事が増えたのは、この種の文章に目新しさがあったのか、読者からの評判が良かったことも一因らしい。「バウムクーヘン天日干し」のような創作記事より、風刺型パロディのほうが書きやすいとも言っていた。「量に傾いて記事の質が落ちた」という指摘も強ち間違いではない。(続く)

2012-05-16 02:32:38
坂本義太夫 @SakamotoGidayu

今回の諸処批判に対し、あえて弁護するなら「実名の使用」は公人の範囲に留まっているし、これが駄目なら各種メディアの風刺画も制限されるべきではないかと思う。昨今流行の「風説の流布」は辞書にもあるとおり、有価証券の価格変動を目的とした行為なので、虚構新聞はこれに当たらない。(続く)

2012-05-16 02:36:54
坂本義太夫 @SakamotoGidayu

心配なのは、この種の批判がネットにおける言論の多様性を萎縮させないか、ということだ。仮に今回の件で虚構新聞が閉鎖した場合、「風刺であれ何であれ、やはり政治家を実名で叩くのはまずい」という空気が生まれ、ネット言論の風通しが悪くなる可能性はないだろうか。(続く)

2012-05-16 02:46:02
坂本義太夫 @SakamotoGidayu

そもそも「嘘をついてはいけません」というフレーズ自体、小児病的・楽天的すぎやしないか。ネットであれリアルであれ、そもそも社会とは「清濁併せ呑む」である。嘘のない世の中などない。出所不明のデマではなく、出所の明らかな虚構新聞はまだ「ゲーム」の範囲だと私は思う。(続く)

2012-05-16 02:54:39
坂本義太夫 @SakamotoGidayu

長くなったのでこれくらいにしておくが、私は「ネットにおける言論の多様性」を何より重視する。それは真実も嘘も全て含めて言論として尊重したい。虚構新聞の進退は社主の判断に任せるが、数の圧力で表現を圧殺する世の中になるのは、ネットでもリアルでもご勘弁願いたい。

2012-05-16 02:58:02