鳥取・県立高校での漫画学科設置について

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読売新聞オンライン @Yomiuri_Online

県立高の漫画学科、設置反対64%…進路が不安 http://t.co/aKaZQYMe

2012-05-20 12:11:06
信濃川日出雄 2月ichiyo&少ギ新刊 @shinanogaw

さっきのニュース、いろいろ問題あるけど一番はもし仮に漫画コースで一流の講師陣が漫画をちゃんと教えたとして、身に付くであろう能力の汎用性を社会が理解していないことだと思うんだ。漫画家になる以外に、漫画コースを出た生徒をどう採用していいのか一般企業の人には想像ができないことだと思う。

2012-05-20 12:30:04
信濃川日出雄 2月ichiyo&少ギ新刊 @shinanogaw

それは歴史的に漫画家がダメ社会人としての姿をおおいに世間に晒してきた結果なんだ。だから漫画学科で漫画家以外にもコンテンツ産業に関わる基礎を学ぶとか言ってもなんの説得力もないんだよ!メディア学科とかの名前にしたほうがいいんでないの。

2012-05-20 12:31:28
信濃川日出雄 2月ichiyo&少ギ新刊 @shinanogaw

芸術コースのある高校がありますが、芸術の分野だって食っていくのはなかなあ大変。でも芸術の基礎を学ぶという意味では将来的に幅がひろがるのでいいことだと思う。漫画コースもそういう意味では、漫画の基礎をみにつけることで映像やマスコミや芸能の分野に…というあたりに説得力がないんだよなぁ

2012-05-20 12:33:49
信濃川日出雄 2月ichiyo&少ギ新刊 @shinanogaw

プロ漫画家になって、たくさんのプロ漫画家に会って思ったことは、へんな人生送ってる人は、やっぱり面白い漫画を描くってことなんだ。面白い漫画を描くためにへんな人生を送れとは言わないけど、ちゃんとした人生を送ってるだけじゃ、一歩はみだした視点は持ちづらい。そこまで教えられるかな?

2012-05-20 12:37:18
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

承前)そもそも、芸術系は食えるのが一握り、というのは前提としても。例えば、映画という世界的にも大きな市場で、歴史も長くあり、芸術から娯楽にポルノまで受け幅が広い表現手段があっても、大学の映画学科を出た人間が監督になってヒットを飛ばすアメリカと、日本では差がありすぎる。

2012-05-20 13:44:29
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

承前)日本の文科省は、大学は学問研究の場として、就職に直結した内容を嫌う。象牙の塔の住人も、それを是とする部分があるし。それでも、映画は構造分析の本が多数出され、脚本についても良書が多数翻訳されてはいる。原書に挑戦してもいい。漫画の場合、ちと状況が違う。

2012-05-20 13:48:43
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

承前)例えるなら『映画の撮り方』という本を買ったら、カメラや照明や道具作製の説明はたっぷりで、脚本や演出の技術はほとんない・あっても質量共に足りないという。まぁ、撮り方だから嘘じゃない。で、名監督が『映画撮り方入門じゃありません』という良心的な本を出しても、さほど評判にもならず。

2012-05-20 14:04:10
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

承前)自分らの本の場合は、需要の高い作画技術から切り込んで、将来的に脚本や演出にも踏み込む算段で始めたけれど。現実問題として、一般人どころか漫画家志望者ですら、絵が描ければ漫画が書けると思っている。残念ながら、それはイコールではない。漫画家も感覚や暗黙知の次元で創作してるし。

2012-05-20 14:12:31
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

承前)日本には漫画の研究者は結構いるじゃないか、という意見もあろう。確かに彼らは研究者だがコーチではない。野球で言えば、バットのこの位置にこの角度で当たるとバックスピンが掛かって飛距離が伸びるのでホームランになる…と分析はできても、ではどうやって当てるかの方法論は、生み出せない。

2012-05-20 14:21:34
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

承前)そもそも王さんですら、俺の打球がなぜ伸びるかわからん、と言ってるわけで、打撃は感覚的なもの。一本足打法以前から、王さんは長打力はあった。だが確実性がなかった。そこでタイミングを取るために一本足打法に荒川コーチと取り組み、その中で日本刀での紙切りなども取り入れた。

2012-05-20 14:26:55
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

承前)トスバッティングも、思いついたコーチは凄い。統一球に対応する前捌きを意識するよう、後ろからのトスを工夫するなど、コーチの役割は重要。球の見切りが早かった江川智晃にバスター打法を提案した中西太さんのように、何人も大打者を育てた名伯楽もいる。でも、コーティングは少人数制が基本。

2012-05-20 14:31:42
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

承前)芸術表現とは本来が徒弟制で、弟子の得手不得手を見抜き、最適の指導を模索するもの。大学のゼミ的な形での個別指導に可能性があるが、そもそも授業形式で大量生産で、ノウハウがどこまで蓄積されているか、疑問。拙著は絵を教えるにしても、基礎としてこれぐらいは抑えようよ…という提案。

2012-05-20 14:38:55
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

承前)映画学科なら基礎として教えられるイマジナリー・ラインについてすら、知識として知らない指導者は多いし、漫画家はこれも感覚的に処理している。けっこうな売れっ子なのにグチャグチャのイマジナリー・ラインの漫画家も多い。アニメではそこを飛び越える時のノウハウが蓄積されているけれど。

2012-05-20 14:44:19
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

承前)ところで、作家の安部譲二さんはプロボクサーでもあったけれど、キックボクシングのリングにも上がっている。キックブームの時、ボクシング関係者は鼻で笑った。なんだ、あの不恰好なパンチは。コンビネーションどころかワンツーすらまともにできていない、コレなら楽勝と転向した者が多かった。

2012-05-20 14:53:18
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

承前)ところがそのボクサーが、不格好で洗練されていないはずのキックボクサーのパンチの前に沈んで行った。蹴りという要素が入るだけで、技術は別物になる。体系が変わる。戦術も変わる。漫画の絵も同じ。総合格闘技の選手は、ボクシングや柔術を個別に学びながらも、総合用にアレンジする。

2012-05-20 14:57:42
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

承前)漫画も同じで、絵画の技術を取り込んでも、そのままでは使えない。物語を見せる、という目的に従い、漫画の絵は演出と不可分一体(扉絵は除く)。拙著の人体デッサンも、絵画としての正確さや表現力ではなく、記号としての絵と演出がセットになる部分を抽出した。四角輪郭法はその清華である。

2012-05-20 15:03:30
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

けっきょく、技術としてノウハウがあって、才能にあまり左右されず身につくのは、アシスタントに必要とされる技術なんだけど。これですら、大学の卒展とか行くと、基礎的な事ができていない人間が過半数。2年なり4年なり、何やってたんだと思う。背景は手間隙愛情。

2012-05-20 15:15:15