Ib小話まとめ

@aetyelrab

(ギャリメア)深く寝て、起きた。「あら、おはよう」目を擦るわたしに笑いかけてくるその人。目下にうっすら隈が浮いていて…ああ、そうか、昨日わたしが起こしたんだっけ、と思い出す。「…おはよ」それを気にしても居ない様子のギャリーに、わたしは微妙な気分。本当、ばかみたいに優しいんだから。

@aetyelrab

(ギャリメア)叩き起こされた夜中。ベッドの上に座るアタシは、そんなアタシの脚の上に座るメアリーを見下ろしている。人を起こしておいて、さっきから、一度として喋らない子。…変な時間に起きちゃって、きっと寝れないんでしょう。…眠くなるのはいつ？ …まあ、いいけれど。付き合ってあげるわ。

@aetyelrab

(三人)長時間の運転は、あんまり得意じゃない。慣れてないってせいもあるし、ちょっと怖いし。「…あら、寝ちゃってるわ」後部座席に座るイヴとメアリーの姿が、ミラーに映って見える。さっきまであんなに騒いでたのに、もう。思わず、くすっと笑いながら、確り前を見据えた。…さあ、もう一頑張り。

@aetyelrab

(イヴギャリ)だってだって、嫌でしょ普通。腕に針がささるのよ血管に刺さるのよ気持ち悪いし痛いししかも血ィ取られるのよ嫌でしょ普通、だって。「…さん、お入りください」呼ばれるアタシの姓。息が詰まる。「ギャリー…怖くないよ」付き添ってくれてるイヴの手を握って。「が、頑張ってくるわ…」

@aetyelrab

(ギャリメア)そうね、知らなきゃ良かった。アンタが絵なんだって、アタシが知らなきゃ、合流した後も三人でいれたかしら？アタシは後ろからぐっさり、だったのかしら。ああ、いっそ、それでも良かったかもね。「やだ…！」叫び、伸ばされる、手。ああ、痛い、痛いわ。胸の奥が、とてもとても、痛い。

@aetyelrab

(メアギャリ)きすしてよ、なんて言ってみたところで、ギャリーがハイドウゾ、って答えてくれることはない。だけどね、気をつけたほうがいいよ？ ほら、今まさに、ソファの上でむぼーびに寝てる。「ん、…ッ…メアリー…！？」わたしの性格、覚えてる？欲しいものはね、何がなんでも手に入れるのよ。

@aetyelrab

(偽ャリギャリ)壊れたふりをしてたら、よくわかんないけど頬をぶたれたわ。痛い、けれど、何だか楽しい。「…イヴ…？」"ギャリーのふり"をして、名前を呼んで、抱きついてきたその子を抱きしめ返してあげる。ああそう、アタシは"ギャリー"！本物が何処にいるかなんて、誰も知らない、解らない！

@aetyelrab

(偽ャリギャリ)意識を失ってるギャリーを絵の中に置き去りにして、アタシは其処から出る。小さな青い人形、アタシの家族が、微笑んで見上げてくれるわ。その子の前に座り込んで、お話。ぎい、とドアが開かれる音に、胸が鳴る。「ギャリー…？」兎のような眼をした子。いじわるして、気付かないふり。

@aetyelrab

(偽ャリギャリ)そのからだをつかみ、がくぶちの中に引きずりこむ。もがくだけの、ひ力な体。でも、もう、遅い。…わよ？ だって、勝ったのはわたし、…いいえ、"アタシ"だもの。気付いてみたら、アタシは、ギャリーと全くおんなじ体。おんなじ姿。これは、きっとゲームに勝ったアタシへのご褒美。

@aetyelrab

(偽ャリギャリ)あそびのえんちょうせん。たからさがしに いっしょうけんめいの、ギャリー。ほらほら、カギは どこにあるの？ わたしがもう すぐにでも、てをのばせるのに。「何よっ、気持ち悪い…！！ …あ、！」かみのけの、からまった、ゆびさき。ふりむいたギャリーの、きれいな目。

@aetyelrab

(イヴギャリ)私のお気に入りの曲。歌。だれかへの愛情を歌い上げたそれは、ちょっと恥ずかしいけれど…私の、ギャリーへの想いと、重なるの。今、私が大好きなその人は、私の隣で…片側のイヤホンで一生懸命にそれを聴いてくれている。…このまま、伝わればいいのにな。私の、…ギャリーへの。

@aetyelrab

(イヴギャリ)聞こえてきたのは、ゆったりとしたメロディと、やさしい女性の声。言葉を追いかけているうちに、いわゆる"愛情を歌った曲"であるらしい、と知る。「…私のね、お気に入り」イヴの赤い眼がじっとアタシを見上げていた。「ギャリーも好きになってくれたら、嬉しい」その頬は、薄ら赤い。

@aetyelrab

(イヴギャリ)ソファに座ってるイヴは、両方の耳にイヤホンをつけて、何やら聴いているみたい。「…ねえ、」隣に腰を下ろし、肩を軽く叩くと、なあに？ と微笑み。「何、聴いてるのかしら？」尋ねてみたら、すぐに差し出された"L"側のイヤホン。左耳にそれをつけて、耳をすましてみる。

@aetyelrab

(イヴギャリ)だから、私は、ギャリーから目をそらして、寝ているだけなんだって思い込んで。だらんと垂れた、とても冷たい手のひらに、ライターを乗っけて握らせる。私が手を離してしまったら、ふわりと開いてしまう、お花のような白い手。だから私は、両方の手で、ギャリーの手を握る。ずっと握る。

@aetyelrab

(イヴギャリ)「まだ、ねむいの…？」本当は、わかるのに。わからないふりして、聞く。ギャリーは、ちょっとつかれちゃって。ちょっと、寝てるだけ。胸のなかで、くりかえしながら…ほんとのことが怖くて、うつむいたギャリーの顔を、見ることもできない。

@aetyelrab

(イヴギャリ)来た道を、たどり帰る。長い、長い階段をおりて、ギャリーのところへ。ぎん色の冷たいライターは、いつのまにか、私の手の中であたたかくなっている。「…ギャリー…」座りこみ、壁にもたれた、その人。そっと傍に座り、呼びかけてみても、返事はない。なんの反応もしてくれない。

@aetyelrab

イヴギャリへのお題は『「目を逸らしつつ、手のひらにしがみつく」キーワードは「眠り」』です。 http://t.co/kVjg3baz

@aetyelrab

(ギャリ&メア)四角いチョコレート。その裏の四角いビスケット。甘い、さくさくする、おいしい。ちょっと考えた。二つのものが一つ。二つのものを一つとして食べてる。なら、「…アンタなんて食べ方してんのよ」呆れたって目をしてるギャリーを置いて、チョコとビスケットを別々に。二回、おいしい！

@aetyelrab

(ギャリ&メア)全くもう、なんであんたがそんな顔するの。これから、お外に行けるのに。二人して憧れてた世界に。… こういう時、なんて言うんだっけ？ …ああ、そう、おめでとう。「ごめんなさい…」小さな、彼の声。…大丈夫。灰になるわたしは、そうして、きっと、どこでも、いけるよ。

@aetyelrab

(ギャリ&メア)わたしの絵が燃える。わたし自身が、燃える。わたしは人間じゃないから熱さなんて分からないけど、でも、この胸の中はとっても痛いよ。「………」すがりつくイヴを抱きしめてるギャリーを見る。すごく寂しそうな顔。とっても辛そうな表情。そのままで、わたしを見てる。

@aetyelrab

(ギャリ&メア)頭の先から足の先まで、細かく描かれた、絵。それは、わたしと、あなただけにしか無かったもの。「…もう、これしか…！」なあに、そのわざとらしい演技は。一緒にいるのがイヴじゃなかったらね、多分、気づかれてたよ？ 「あ、…やだ…」ああ、でもそれ、わたしも同じかな。

@aetyelrab

(ギャリメア)ほんの少しでも痛くしちゃったら、きっと罵声が飛んでくるだろうから。慎重に慎重に、お掃除を進めていく。「……よし…きれいになったかしら。メアリー、もう片方の耳…って、」あらあら。顔を覗き込んでみれば、見事なまでの寝顔。さっきまでの怯えようは、一体全体、何処へやら。

@aetyelrab

(ギャリメア)子供らしい其れに思わず笑ってしまいながら、大丈夫よ、と自信満々に答えた。きれいな金色の髪をそうっと分けて、覆い隠された耳を出させる。指と指の間に挟み、摘まみ持った綿棒で、お耳のお掃除。…メアリー、自分じゃコレ、絶対にやらないんだもの。しすぎもよくないとは言うけれど。

@aetyelrab

(ギャリメア)白い綿棒を片手に、頑なに首を横に振るメアリーを説得。とっても骨が折れる。それだけで一時間近くかかったわ。ようやく腹をくくって、彼女は、ソファに横向きに寝転んでくれた。「…いたいの、やだからね」ぼつりと呟かれる言葉、その中に交ざってる、不安げな声色。

@aetyelrab

【ギャリメア語り】耳掻きをする２人について語りましょう。 http://t.co/RxKyZqj4