茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第619回「日本は、居心地がいい」

脳科学者・茂木健一郎さんの6月9日の連続ツイート。 本日は、このところの「思い」について。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

しゅりんくっ! ぷれいりーどっぐくん、おはよう!

2012-06-09 05:03:46
茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第619回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、このところの「思い」について。

2012-06-09 06:43:25
茂木健一郎 @kenichiromogi

にい(1)というわけで、私は、大学入試のことも、新卒一括採用のことも、記者クラブのことも、あるいは連帯保証のことも、この数年間ずっと論じてきたことについて何かを言うのが疲れてしまって、日本はもうこのままでもいいんじゃない、というある種投げやりな気分の中にいるのだった。

2012-06-09 06:44:34
茂木健一郎 @kenichiromogi

にい(2)いくら、理を尽くしても、今まで通りの大学や、新卒一括採用でいい、と当事者たちが思っているんだったら、もうそれ以上言うことはない。「余計なお世話」である。だから、ぼくは、プロフィールにもあるように、自分自身を変えることに専念することにした。その方が報われる。

2012-06-09 06:45:53
茂木健一郎 @kenichiromogi

にい(3)自分自身に関わることで、できていないことが幾つかある。一つは、クオリアの問題。マッハの原理や相互作用同時性からの、本質的な進展を図ること。もう一つは、英語で本を書きまくること。東京発で、世界の文明に一石を投じるような仕事を続けたい。ヘタレから脱却したい。

2012-06-09 06:47:21
茂木健一郎 @kenichiromogi

にい(4)幾つかのことが重なって、「日本、もういいや」と思うようになったわけだが、なぜこの国が変わらないのか、変わろうとしないのかということについては理論的、実践的な興味がある。そして、一つの根本的な理由として、「居心地の良さ」ということがあるように思う。

2012-06-09 06:48:20
茂木健一郎 @kenichiromogi

にい(5)「偏差値」で予想できるような大学入試は、そのシステムの中に入ってしまうと、いかにも居心地が良い。それ以外の方法で、自分の価値をアピールする必要もない。一種の談合のようなものだが、談合は、中に入っていればこれほど居心地の良いものはない。当事者たちが自ら変えるはずがない。

2012-06-09 06:49:31
茂木健一郎 @kenichiromogi

にい(6)新卒一括採用も、「あいつとオレは同期だ」「あいつは一期下だ」なんて会話をしていると、居心地がいい。「同じ釜の飯を食った中だから」なんて手をつないでいれば、お友達問題は解決。そんな居心地のよい制度を、自分たちで変えようとするはずがない。

2012-06-09 06:50:46
茂木健一郎 @kenichiromogi

にい(7)「記者クラブ」が、居心地の良い制度であることは言うまでもない。「俺たちは、ちゃんとしたメディアだから。フリーのやつらとは違うから」。仲間同士で、役所の中にスペースを持って、酒なんかも一緒に飲んでいる。そんな居心地の良いシステムを、自ら変える必要はない。

2012-06-09 06:52:07
茂木健一郎 @kenichiromogi

にい(8)居心地の良いスペースで、ゆったりとくつろいでいる。つまり、それはおじさんのメンタリティである。日本は、大学入試も、記者クラブも、新卒一括採用も、すべておじさん化している。青年は荒野を目指すが、この国では、もはや青年の居場所はない。おじさんがまったりするための国なのだ。

2012-06-09 06:53:25
茂木健一郎 @kenichiromogi

にい(9)自らも戒めなければ。日本の中で、「文化人」としてテレビに出たり、講演をしたり、本を書いていれば、それなりに居心地がいい。しかし、ぼくは居心地の悪い場所に行きたい。ロングビーチのTEDで大漁旗を振り回したとき、本当に必死だった。残りの人生を、できるだけ居心地悪くしたい。

2012-06-09 06:56:17
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第619回「日本は、居心地がいい」でした。日本のことは、あきらめました。

2012-06-09 06:57:05