「胆管がん 相次ぐ謎の死」書き起こし・ほぼ完全版 #nhk

6月15日にNHK・大阪放送局制作の「かんさい熱視線」で放送されたものを文字起こししています。 印刷会社の従業員に胆管がんが多発した問題について。
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冒頭のVTR

とし @toshihiro36

<ナレーション> 37歳で亡くなった、ある男性の死亡診断書。死因の欄に書かれていたのは「胆管がん」。若い人にはきわめて稀な病気です。なぜ胆管がんになったのか。男性の職場で日常的の使われていた薬品が、原因ではないかと疑われています。

2012-06-15 20:11:44
とし @toshihiro36

<ナレーション> これは“第二のアスベストだ”そうした見方が広がり始めています。

2012-06-15 20:12:37
とし @toshihiro36

<ナレーション> 建築資材として広く使われていたアスベストは、その危険性がわからないまま被害が広がりました。中皮腫や石綿肺になった人は少なくとも1万6千人に上り、大きな社会問題になりました。

2012-06-15 20:17:10
とし @toshihiro36

<ナレーション> 今回問題が起きたのは、大阪の印刷会社。胆管がんによる死者は、わかっているだけでも5人。いずれも機械の洗浄に使われていた薬品が原因と疑われています。本当に薬品に含まれる化学物質が原因なのか。印刷会社以外のところでも、同じことが起きているのではないか。

2012-06-15 20:21:00
とし @toshihiro36

<ナレーション> 因果関係がわからない中、厚生労働省は異例の調査に乗り出しました。印刷会社で何があったのか。問題はどこまで広がる恐れがあるのか。胆管がんによる死の背景を追いました。

2012-06-15 20:24:01

ここからスタジオです

とし @toshihiro36

野村:ある化学物質が胆管がんを引き起こしているかもしれない。大阪の印刷会社に端を発したこの問題、東京と宮城で働いていた印刷会社の元従業員も胆管がんを発症していたことがわかり、さらに広がりを見せています。

2012-06-15 20:30:26
とし @toshihiro36

野村:胆管というのはこちら、肝臓と十二指腸をつなぐ管状の臓器です。脂肪の消化・吸収を助けます胆汁を、肝臓から十二指腸に運ぶ役割を果たしています。私たちが当初、把握していた情報です。大阪のある印刷会社で1年以上働いた経験のある人のうち、胆管がんを発症した男性が5人いました。

2012-06-15 20:34:40
とし @toshihiro36

野村:そして、そのうち4人が亡くなっています。この人たちはみな、印刷機についたインクを洗浄する作業に携わっていました。2003年までの13年間に、この工場でこの作業に1年以上携わっていた従業員は33人。このうち4人もの人が胆管がんで亡くなっています。

2012-06-15 20:39:29
とし @toshihiro36

野村:平均的な日本人男性の胆管がんによる死亡率と比べますと、600倍以上も高い異常な事態です。こうした情報をもとに、私たちは取材を始めました。インクの洗浄に使われていた薬品には、どんな危険が潜んでいたのか。その薬品はどのように使われていたのか。他には発症した人はいないのか。

2012-06-15 20:44:10
とし @toshihiro36

野村:こうした取材を進めていきますと…実は化学物質の多くは、その危険性が確認されないまま使われているという実態が浮かび上がってきたんです。

2012-06-15 20:47:01

VTRが流れます

とし @toshihiro36

<ナレーション> 私たちがこの問題を知ったのは今年4月、学会発表に先立って作られたある論文の要約を目にしたことがきっかけでした。印刷会社で働いていた人のうち、5人が胆管がんを発症。いずれも20代から40代で、5人のうち4人が死亡したとあります。

2012-06-15 20:52:41
とし @toshihiro36

<ナレーション> 仕事に使われていた化学物質と、何らかの関係があるのではないかと書かれていました。会社や従業員の詳しいことはわかりません。 私たちは調査を行ったグループを訪ねました。労災申請の手助けなどをしているNGOです。年間500件ほどの相談を受けています。

2012-06-15 20:57:23
とし @toshihiro36

<ナレーション> 大阪府内の印刷会社の元従業員から、情報が寄せられたのは去年3月。会社で肝臓がんや胆管がんになる人が相次いでいるといいます。相談を受けた片岡明彦さんは調査を開始。会社は協力しなかったといいます。

2012-06-15 21:05:31
とし @toshihiro36

<ナレーション> 片岡さんらが調べたところ、1995年から9年間会社に勤めたあと胆管がんを発症し、その1年後に亡くなった人が見つかりました。他に4人肝臓を患ったという人がいました。その人たちの診断書を取り寄せたところ、いずれも病名は胆管がんでした。

2012-06-15 21:10:24
とし @toshihiro36

片岡:はじめの一人の胆管がんは、まだわからんでもないです。次の胆管がんが「やっぱり胆管がんだ」となった時は、さすがに緊張するわけですよ。3人目も(胆管がんだと)わかりましたと(診断書を)持ってくるわけですよ。ここまでくると、確信ではなくて…いったい何が起こっているんだと。

2012-06-15 21:16:20
とし @toshihiro36

<ナレーション> 印刷会社で何があったのか。私たちは最初に胆管がんとわかった男性の、親に会うことができました。父親に生前、「印刷の作業に使う何らかの薬品が、健康に良くないのではないか」と話していました。

2012-06-15 21:20:32
とし @toshihiro36

父親:溶剤のそういう臭いが体によくないということは、本人もそのことについては、ある程度わかっておったようですね。ただその因果関係が、どこがどう明白であるということが…本人もなかなかわからなかったと思います。

2012-06-15 21:24:27
とし @toshihiro36

<ナレーション> 臭いのきつい溶剤とはどんなものか。取材を勧めると、会社の元従業員に会うことができました。職場の状況を克明に話してくれました。

2012-06-15 21:27:51
とし @toshihiro36

元従業員:鼻でその臭いを嗅ぐと、鼻の奥がツンとして痛い痛い感じ。臭いを嗅いだだけで、吐いたりするというのはありましたね。「オエー」いうて、吐いているんですね。

2012-06-15 21:31:02
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