ミノタウロス関連のツイート

個人的なTLメモ
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岡和田晃_Akira OKAWADA @orionaveugle

ブログ更新;文庫版『ミノタウロス』(佐藤亜紀)の解説を担当させていただきました。http://d.hatena.ne.jp/Thorn/20100513

2010-05-13 18:57:03
@sorekara346

20世紀と同時に産声を上げたヴァシリが19世紀的な人間の条件を~とか安直に考えていたら、とっくにそういうラインで書いている人がいたでござるorz

2010-05-16 14:25:10
@sorekara346

語りの最後の年は普通に考えれば明確な気もするのだが、わざわざ「語り」と書いてあると何か引っ掛けがある気がしてならない。

2010-05-16 16:37:58
アサダケイタ🌗 @zazie_k

イワンのこと「とっくの昔に」「ぼくより随分と早死にした」って語るのに違和感。ヴァシリの最後と比べたってそこまで年齢差ないんじゃ…本当に語ってるのいつなんだろ、とか考えるの楽しすぎてヤバい。

2010-05-20 00:47:47
@tamanoirorg

でまあその全てには説明がある筈ではある訳だが(私の小説読んでウクライナ語がどうこう言ってる半可通な皆さん、人口構成に関する記述があったのを見落としてないか? **人による**人のための**人の国家、なんてのは常に嘘としてしかないんだよ、という種類の問題)、やっぱ勿体なさすぎなのは

2010-05-20 08:53:38
岡和田晃_Akira OKAWADA @orionaveugle

@sorekara346 まとめていただきまして、助かりました。私も、もう少し考えてみます。例えば、解説には裏が取れたことしか書けなかったんですが、クラフチェンコって、けっこう存在感が強いと思うのですが、赤軍に実在したみたいなんですよ。

2010-05-23 00:02:34
@sorekara346

@orionaveugle 「年齢問題」ですが、「11になった時」キエフへ(p29)。「キエフの四年間」(p69)でミハイロフカ帰郷時は15歳。.年が明けて(+1歳)親父が死亡(p65)=ツァーリが帝位を~(p67:1917年)。で1917年時には16歳になる、と考えたような。

2010-05-23 00:45:43
岡和田晃_Akira OKAWADA @orionaveugle

ヴァシリの年齢問題がなぜ大事かというと、ヴァシリの年齢がわかれば、その時代で起きていた各事件のスケールと「語り」の落差を対比させることができるからです。フィクションは往々にして事実以上に歴史の本質を切り取ります。ブルガーコフのような戦争描写はその具体的な例。

2010-05-24 00:31:42
@sorekara346

p38「学校は退屈だつた」からp39「戦争が始まると」の間に1年経過している。故に第一次世界大戦勃発時には13歳で1901年生まれだと思います。これなら合うと思う…。<佐藤亜紀「ミノタウロス」

2010-05-24 23:34:09
岡和田晃_Akira OKAWADA @orionaveugle

『ミノタウロス』にしろ、記述は揺れ続ける。佐藤亜紀は『オペラ・オペラシオネル』を「ふわありと揺れる」と称したが、『ミノタウロス』は違った意味で揺れる。つまり記述は安定しているが、記述の対象となる事象が動き続ける。こうした中、読み手は単線的な受容だけではもはや事足りない。

2010-05-25 02:52:38
岡和田晃_Akira OKAWADA @orionaveugle

ただ単線的な受容ではダメといいつつ、「自然主義リアリズムと○○的リアリズムが~」みたいな図式的な区分では、テクストが表現しようとしているものを把捉できないのではないかと思っている。つまり、言語芸術を規定する歴史的な堆積と、言語芸術が表象する対象の歴史的な動きを両方見る必要がある。

2010-05-25 02:53:11
モモチ @momochi8

そうですね。事象が動いているのと、未成年の「ぼく」の心自体が不安定です。でも記述者は安定している。RT @orionaveugle: 『ミノタウロス』にしろ、記述は揺れ続ける。//つまり記述は安定しているが、記述の対象となる事象が動き続ける。//

2010-05-25 08:10:49
モモチ @momochi8

『ミノタウロス』の文章は不思議だ。「ぼく」の語り手は主人公ヴァシリ。波瀾万丈のハラハラドキドキ展開なのに記述は冷徹だ。「ぼく」が同性愛や女性を差別しても記述者は差別的価値観を持っていないと感じられる。ニュートラルな記述者を意識した。『ミノタウロス』感想1/4

2010-05-25 08:43:20
モモチ @momochi8

語り手─記述者(─作者)─読者のような距離感。「ぼく」の語りに手に汗握るリアルさを感じると同時に、記述者の全体を俯瞰する冷静な視点をもてる。それによって、ヴァシリの精神構造、それを形作った家族関係・文化・社会的影響・時代風潮みたいなものを意識されられる。『ミノタウロス』感想2/4

2010-05-25 08:44:24
モモチ @momochi8

その無責任精神は松浦理英子『犬身』の彬、笙野頼子『だいにっほん、おんたこめいわく史』のおんたこに似ている。作風は全く違う三人なのに、同じ様な無責任精神を描いている、ように思えた。『ミノタウロス』感想4/4

2010-05-25 08:46:01
岡和田晃_Akira OKAWADA @orionaveugle

たぶんヴァシリは、『ヒストリエ』のエウメネスみたいになろうと思えばなれた人。

2010-05-27 03:34:48
岡和田晃_Akira OKAWADA @orionaveugle

@saru_cocoro ではうざい補足が参りますと(笑) 僕自身は『ミノタウロス』に物語はあまり感じていなくて、物語の全体設計→記述に落とし込むというルートよりも、記述から物語を立ち上げる、といった構図を見ています。その意味で、むしろバルザックやドストエフスキーっぽい。

2010-05-27 03:49:49
アサダケイタ🌗 @zazie_k

バーベリ『騎兵隊』、戦争の参加者というより観察者である作者が見聞を断片化し、さらにそれらの関係を分断した上で自分の恣意に基づいて再構成してる。語り手の機能がヴァシリと似てるような? 最後にリ・リーディングを強いられる。自己撞着してるし、現実から引っ剥がされるし。

2010-05-29 10:16:05
岡和田晃_Akira OKAWADA @orionaveugle

それは、散文によって構築される美と、世界構築によって紡ぎ出される美というものが、うまく融合しているからなのです。前時代的かもしれない。でも、当事者たちはそう思っていなかった。

2010-06-05 23:07:32
岡和田晃_Akira OKAWADA @orionaveugle

色彩のトーンもある程度、変化はあったと思います。 RT @psgaba 冒頭の土地を手に入れるくだりでは、人名が一切使われず、人称代名詞で済まされている。これによって人物たちはどこか厚みを欠いた影絵のような存在になってはいないだろうか。

2010-06-05 23:13:34
岡和田晃_Akira OKAWADA @orionaveugle

それもありますが、ここはドストエフスキーの本歌取りという側面もあったという気がしています。 RT @psgaba 親しくもない人間が大農場をただで(正確には子供払いだが)譲ってくれるという荒唐無稽な出来事には、現実感の希薄な語りが要求されるのだと思う。あえて語りの信頼度を下げて/

2010-06-05 23:14:29
岡和田晃_Akira OKAWADA @orionaveugle

ここは迷ったのですが、私は一次大戦の勃発によって変わった、語りの周囲に招じた文脈の断絶を契機としました。 RT @psgaba 支配の固定化=時間の停止という構図には全面的に賛成するが、キエフ以後も回想だと思う。イワンに言及しているところを読むだけでも、そう判断できる。

2010-06-05 23:15:33
岡和田晃_Akira OKAWADA @orionaveugle

ヒントは『バルタザールの遍歴』の「いくらも経たぬうちに戦争が始まった」です。 RT @psgaba 支配の固定化=時間の停止という構図には全面的に賛成するが、キエフ以後も回想だと思う。イワンに言及しているところを読むだけでも、そう判断できる。

2010-06-05 23:16:31
岡和田晃_Akira OKAWADA @orionaveugle

それもあると思います。出発点を「家」に置けばそうなるでしょう。ただ私はなるべく時代背景に置きたかった。RT @psgaba 時間が動き出すのは第二章、顔を負傷した兄――いやでも牛頭人身の怪物を連想せざるを得ない――が帰還してから、ヴァシリの人生で戦争が明確な姿を現してからだと/

2010-06-05 23:18:12
岡和田晃_Akira OKAWADA @orionaveugle

これはわざと逆説をしています。嘘つきというか、哀しいまでにヴァシリは知識人なんです。いや、ほんとヴァレリーの『テスト氏』みたい。 RT @psgaba ヴァシリが信頼できる語り手という考えは面白かったが、賛成はできない。マリーナに関しては、テチヤーナの言うとおり嘘つきなのだ。

2010-06-05 23:19:07
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