『We are ninja. - Curse of ninjaheads souls -』 「ザ・デリンジャー・ニンジャ・プラン」#2

その1 http://togetter.com/li/323698 ニンジャスレイヤーが浸透した近未来。 数千万人に膨れ上がったニンジャヘッズ達は今日も活動を続ける… 続きを読む
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レア @genjitsu_na

◆◇◆ ウィ・アー・ニンジャ ◆◇◆

2012-06-22 14:06:50
レア @genjitsu_na

「ザ・デリンジャー・ニンジャ・プラン」#2

2012-06-22 14:07:18
レア @genjitsu_na

(あらすじ:ニンジャスレイヤー、スゴイ流行ってるネ!アニメ化も漫画化も実写化もしたねぇ。ニンジャヘッズのケンジロは、ほんやくアジトに乗り込むらしい。悪い事です。)

2012-06-22 14:09:16
レア @genjitsu_na

待ちに待った日曜日。集合場所の公園で『襲撃関連』の看板を持つ、ダークスーツにサングラスのクローンヤクザめいた男が目印だ。ケンジロは予定よりも少し早めに到着したが、すでに集合場所にはケンジロの他に3名のヘッズが集っていた。 1

2012-06-22 14:10:24
レア @genjitsu_na

ギークの大学生めいたアトモスフィアを漂わせる2人が騒ぐ。「ふふふ、ワクワクしますねえ。逃げ出したらこの棒で囲んで叩きましょうねえ!」「ボクはドス・ダガー持ってきましたよ!もし指が10本揃ってる様だったら、ケジメを実行していなかった罰として、全ての指を斬り落としてやる!」 2

2012-06-22 14:12:17
レア @genjitsu_na

ケンジロは困惑した。我々は翻訳チームに会っていろんな質問を交わし、いっしょにスシを食べたりとかしたいが為に集まったのでは?だが、この連中は明らかにチームに危害を加えようとしている様だ。「あの…殴ったりするのは奥ゆかしくないのでは?」アイサツもしないままケンジロは尋ねる。 3

2012-06-22 14:14:45
レア @genjitsu_na

「甘いですよアナタ!僕らが近づいたら奴らは逃げる!その前に棒で叩いて捕獲した後に拷問だ!」「今まで散々タイプミスや誤訳をやらかしてきた奴らだ。どれだけ痛めつけようが何の問題もない。」「それに彼らは実際ニンジャかもしれない!武装しないとこちらが危険だ!実際死ぬ!」 4

2012-06-22 14:16:21
レア @genjitsu_na

ナムサン!彼らは本当に自分と同じ選ばれし聖なるヘッズなのか?神の使いに等しい翻訳チームに暴力を振るうなど到底許される事ではない。ケンジロは唖然として言葉に詰まる。その時だ。「俺はエルフのせんしを倒して名を上げたい!さすれば俺はより一歩ニンジャへと近づく…!!」 5

2012-06-22 14:18:55
レア @genjitsu_na

一際ニンジャめいた格好をした痩せ型の男は、そう叫んだ後に鎖付きの手斧を振り回し始めた。彼の名はデビルジェノサイダー。最近タグで武器を構えた自分の写真をやたら載せ回っている男であり、どこか危うい奴だと以前からケンジロは感じていたが、実際会ってみてそれは確信に変わった。 6

2012-06-22 14:21:05
レア @genjitsu_na

彼の様な武闘派ニンジャヘッズは、通称バトル・ヘッズと呼ばれる。重篤なヘッズの中にはニンジャに憧れるあまり、自らもニンジャになろうとする者が少なからず存在する。彼らバトル・ヘッズは、空手道場に通ったり、路上で武器を振り回して修行を積み、リアルニンジャになろうと日々切磋するのだ。 7

2012-06-22 14:22:34
レア @genjitsu_na

「フンフンフンフンフンッイヤーッ!」ザクッ!放たれた両刃の手斧が樹木に当たり、深々とした傷が刻み込まれた。「アイエエエ…」ケンジロはこの武器が玩具ではなく、殺傷能力を十分に備えた凶器である事を理解した。「エルフのせんし…ボブ……全部倒せば未来永劫、俺の名は語り継がれる…」 8

2012-06-22 14:25:55
レア @genjitsu_na

期待が失望と恐怖へと変わったケンジロ。今ならまだこの集まりから抜け出せるのでは? いや逃げ出す前に翻訳チームにこの事態を知らせるべきでは?彼がアイフォーンで翻訳チームへDMを送ろうとしたその時、主催のオハギ=サン太郎と、案内&目印役の看板ヤクザが現れた。 9

2012-06-22 14:28:10
レア @genjitsu_na

「ドーモ、皆さん。オハギ=サン太郎です。こちらは付き添いの野村君です。」「ドーモ。コケシ先輩です。」「ドーモ。紅ナスビです。」「ド-モ。デビルジェノサイダーです。」「ドーモ。ケンジロです。」 10

2012-06-22 14:29:15
レア @genjitsu_na

「皆さん物騒な物をお持ちですねぇ…下手に彼らを刺激するのはいけません。武器は見えない様にしまっておいてください。」彼の非常に奥ゆかしい姿勢と、にこやかな笑顔にケンジロは少しの安堵を覚えた。だが他の3人は露骨に不服だ。「でもニンジャが居たら戦わないと…」「ニンジャ!たおす!」 11

2012-06-22 14:32:12
レア @genjitsu_na

「少し落ち着きましょうよ…」ケンジロは恐る恐る発言した。オハギ=サンはニコリと笑い、頷いた。「ケンジロ=サンの言う通りです。やさしく接すれば彼らも噛み付いたりはしないでしょう。これは歴史的ファースト・コンタクト!警戒するのもごもっともではありますが、どうか落ち着いてください」12

2012-06-22 14:33:34
レア @genjitsu_na

オハギ=サンとケンジロは、なかなか武器を収めないデビルジェノサイダーを10分かけて説得し、野村君から配られたバリキ・ドリンクを飲んで、一行はほんやくアジトへと向かい始めた。 13

2012-06-22 14:35:28
レア @genjitsu_na

公園から7分程歩いた先に、その建物はあった。「ここですよー。」それは旧時代的な寂れた一戸建てで、人が住んでいる様には見えない荒れた廃墟であった。「オハギ=サン、ほんとにここなんですか?」「シーッ!静かに!彼らに気付かれる!」 15

2012-06-22 14:38:23
レア @genjitsu_na

「間違えなくここがほんやくアジトです。」「こんな寂れた廃屋がですか?」「ニンジャやエルフはこういう場所を好むんですよ。」「RTによるスシ自動供給システムも付いてなさそうですよ?」「あれは彼らのハッタリです。許されざる嘘です。その件についてはこれから断罪しましょう。」 16

2012-06-22 14:40:11
レア @genjitsu_na

野村君はその場に待機し、オハギ=サンが先行して残りの3人を誘導する。(こうなったら突っ込むしかない…!もし誰かが翻訳チームに暴力を振るおうとしたら止めに入らねば!)悲壮なる決意を胸に建物へと近づくケンジロ。よく見ると奥の部屋の明かりが点いており、ヘッズ達に緊張が走る! 17

2012-06-22 14:41:50
レア @genjitsu_na

「3秒後に突入します。」3人のヘッズは密かに武器を構える。「3,2,1!」バーン!!勢いよくドアを開け4人は突き進む。明かりが点いているのは奥の部屋だ!オハギ=サンが真っ先に突入!次いで紅ナスビとデビルが。ケンジロとコケシ先輩がほぼ同時に部屋入ろうとしたその時! 18

2012-06-22 14:43:35
レア @genjitsu_na

「「アイエエエエエエ!!?」」紅ナスビとデビルジェノサイダーが捕獲用の網に包まれ叫びを上げている!網を持つのは大きなサングラスにダークスーツの男が4人!クローンヤクザ?!ばかな?まさか実用化されているとでも?! 19

2012-06-22 14:45:48
レア @genjitsu_na

「しまった!ワナだ!」コケシ先輩があわてて逃げ出そうとした瞬間、「イヤーッ!」「グワーッ!」ドアの真横で待ち構えていた男が、持っていた警棒でコケシ先輩の後頭部を殴りつけた!脳震盪!失神!ナムサーン! 20

2012-06-22 14:47:22
レア @genjitsu_na

「アイエエエ…」事態を飲み込めないまま、恐怖で脚が竦みあがるケンジロ。コケシ先輩を殴り倒したのは……なんとオハギ=サン!「モスキート・ダイビング・トゥ・ベイルファイア…」そう言い彼は持っていたニンジャ頭巾を被る。「これは一体どういう事だオハギ=サン!」紅ナスビがもがき叫ぶ! 21

2012-06-22 14:49:07
レア @genjitsu_na

「まだ分からないのか?取るに足らぬサンシタ・ヘッズども…」先ほどまでの親しげさとは打って変わり、オハギ=サンの表情が侮蔑的である事は頭巾の下からでも明白であった。「崇高なる翻訳チームがそう簡単に足跡を残す訳があるまい。我々ですら未だ存在が掴めぬものを、愚鈍なクズどもが…!」 22

2012-06-22 14:52:41