岡村眞・高知大学特任教授講演会『巨大地震最新情報と伊方原発』(2012年6月9日@高知県立大)

高知大学 岡村眞特任教授による 『巨大地震最新情報と伊方原発』 日時:2012年6月9日(土)15時~16時半 場所:高知県立大学池キャンパス 大講義室 主催:グリーン市民ネットワーク高知 続きを読む
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しまなみ @shimanamis

岡村眞高知大特任教授講演会『巨大地震最新情報と伊方原発』@高知大(2012年6月9日) 動画 http://t.co/E3lwa9PL 全文書き起こし前半 http://t.co/sXEHKDkx 後半 http://t.co/jlnyh8Hc

2012-06-23 22:49:01
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プロフィール:岡村眞(おかむらまこと)。高知大学総合研究センター特任教授。専門分野は地震地質学、長期地震予測研究。内閣府中央防災会議東北地方太平洋沖地震を教訓とした地震・津波対策に関する専門調査会委員、内閣府南海トラフの巨大地震モデル検討有識者会議委員をつとめる。

2012-06-23 22:50:15
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岡村教授①東日本大震災で地震学が今まで築き上げてきたものが、世界的に全て崩れてしまった。これまで小さめの地震だけ扱って、モデルを作ったり、議論をし、一回り超えるような地震は誰も想定してなかった。これはもう想定外ではなく、研究者の落ち度。「想定外」は言い訳で、未熟だったということ。

2012-06-23 22:51:22
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岡村教授② M9.0の地震は、この50年くらいだけでも1960年のチリ地震津波(M9.6)。断層の長さ1200km、幅400kmが動いた。4年後のアラスカ地震(M9.3)、カムチャッカ地震(M9.1)、2004年のインドネシア・アンダマン大津波(M9.1)、そして東日本大震災。

2012-06-23 22:52:29
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岡村教授③ 50年間で5回、世界中で10年に1回起こっているのに、日本だけは起こらないとしてきた。その評価の裏ではいろいろせめぎ合いが、特に福島の原発に関連してあったが、その科学的な評価が捻じ曲げられていった歴史が、東日本大震災後、表面に出てきた。

2012-06-23 22:53:23
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岡村教授④ 2011年12月27日に内閣府の検討委員会で南海トラフ巨大地震の予測をM9.0と発表した。これは3月11日の犠牲者2万人という結果を受けて初めて可能になった。そして今年3月27日に、津波高の評価を発表。黒潮町では34.6mなど高知県は3カ所で30m超の予測を発表した。

2012-06-23 22:55:01
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岡村教授⑤昨年末にM9.0、東北と同じことが西南日本でも起きると言ったつもりだったが、その時はほとんどマスコミの反応がなかった。3カ月後の津波予測で大騒ぎに。我々としてはM9.0と言ったのだから当然30mは来ると理解してもらったと思っていた。少なくともマスコミは理解してなかった。

2012-06-23 22:56:54
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岡村教授⑥ ただ、発表の仕方については、我々も反省すべき点があって、30mという津波高は、あくまでも海岸の波打ち際での高さ。そのことが十分伝わらなかったのは残念。波打ち際での高さなので、陸域に入ると津波の高さは減る。それほど30mがずっと奥まで来ることはないと思う。

2012-06-23 22:57:31
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岡村教授⑦ 皆さんに理解していただきたいのは、津波が30mになるかどうかは別として、高知県での南海地震は、昭和の南海地震を除けば、全て沿岸地域の低地の集落は「亡所」、つまり消えてきた。そのことが理解されてないのではないかと思う。

2012-06-23 22:58:23
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岡村教授⑧ 黒潮町の賀茂神社にある、安政の津波の3年後に書かれた碑には「今より148年前にも同様今に至りて」「ここは消えてしまった」ということがきちっと書いてある。さらに「今回我々はまたやられてしまったけれども、次100年後また同じことが起きる」と江戸末期の人が明言している。

2012-06-23 23:00:17
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岡村教授⑨ これは南海地震の規則性を江戸時代の人が既によく理解していたということ。南海地震は非常に規則的に来る。1498年の明応の南海地震では、浜名湖が、それまで淡水の湖だったのが、今切口が切れて海水が入り、汽水湖になった。そういう大津波がきた。

2012-06-23 23:01:16
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岡村教授⑩ 次の慶長の南海地震(1605年)では、室戸周辺で津波10m超えという記録が残っている。ただし、紀伊半島にも津波は来ているが、どこにも揺れのことには一切触れられていない。これは揺れがほとんどなく津波だけ来る津波地震、明治の三陸津波のようなものだったのではと言われている。

2012-06-23 23:02:01
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岡村教授⑪ 今回の内閣府の想定にあたっては、南海地震でも、基本的には揺れは非常に小さいんだけど、津波だけが非常に巨大なものが来ることがあり得るということを、しっかり危険側に考えようとなり、それが反映されている。

2012-06-23 23:02:57
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岡村教授⑫ その後が1707年の宝永地震。南海、東南海、東海の三連動で、300年間では最大の地震、津波だった。高知県下の海岸から1km離れたあたりの池では、厚さが20cm以上の砂が堆積している。

2012-06-23 23:03:32
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岡村教授⑬ 例えば、青竜寺の蟹ヶ池では、宝永地震では4000トンの砂が運ばれている。ところが2000年前にはそれを数倍上回る地震、津波があり、約1万6000トンの砂が運び入れられた。

2012-06-23 23:04:13
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岡村教授⑭従って、M8.6以上の南海地震がどうやら2000年というオーダーでは来るということ。東北の地震が正に貞観以来の大津波だった。貞観地震(869年)の時に海岸から約3.5km離れた多賀城まで津波が入り、その津波の砂が仙台平野を広く覆っていることを多数の論文が明らかにしている

2012-06-23 23:06:03
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岡村教授⑮ もう十年以上前から分かっていた。理科年表では貞観地震はM8.4とされてる。それはどこまで津波が南へ来たかよく分からなかったから。その後、福島まで覆っているとなり、それは東電も検討していたが、そんなものは通さないと、中で危険を訴えた人たちは議論から疎外されてしまった。

2012-06-23 23:08:08
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岡村教授⑯ 今回の地震はM9.0と発表した。しかし17名の委員のうちの2名は、これは小さすぎるという意見。九州で止まることはあり得ない、琉球まで全部割れているんだと。現在の地震学は、どこから割れが始まったかは観測できるから分かるが、最終的にどこまで割れたかというのは分からない。

2012-06-23 23:09:04
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岡村教授⑰中央防災会議のときに、気象庁の横田部長が「分からない」と言った。それに対し平野復興大臣が怒りをあらわにした。「そんな基礎的なことも分かってないのに、M7.9と言ってしまったのか」と。私はその彼の怒りはよく分かる。もともと岩手県選出の農林系の参議院議員で、私は信頼している

2012-06-23 23:09:52
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岡村教授⑱ 我々専門家は、分かったことばかり言う。分かったことを書くのが学問。しかしそれはあくまで研究者という同業者内ではいいかもしれないが、国民に対してはきちんと説明しないといけない。法律で、日本では気象庁しか地震に関する予報はできないが、気象庁も分からないということ。

2012-06-23 23:10:31
しまなみ @shimanamis

岡村教授⑲ みなさんぜひ知っていただきたいのは、地震が発生したときに、地震の大きさ、マグニチュードは発表されない。「大地震が発生しています」ということしか言わない。津波の高さも言わない。決して言わない。そういうふうに気象庁は変えた。

2012-06-23 23:11:28
しまなみ @shimanamis

岡村教授⑳これは皆さんにとって非常に重大。ラジオをつけても「今揺れています」「大地震が発生しています」「大津波が発生しています」としか言わない。30分、1時間経って各地の揺れや津波高のデータ集まると逆算して公表する。それはずいぶん後の話。つまり、自分で判断してくださいということ。

2012-06-23 23:12:54
しまなみ @shimanamis

岡村教授21 これは非常に重大なことだが、マスコミはほとんど取り上げていない。意味が分からなかったとしか思えない。結局のところ、(地震や津波にどう対処するかは)皆さんに全部負わせている。気象庁は判断しないことになっている。だから揺れたら、自分で逃げる。

2012-06-23 23:14:14
しまなみ @shimanamis

岡村教授22今回、内閣府は切迫避難者、ぎりぎりのところで助かった方々にアンケートをした。大事なことは、なぜ2万人もの人が亡くなったのか。これは非常に大きな問題で、また防波堤造ったり防潮堤造ったりととんでもないことにどうもなりそうだったので、私は徹底して調査してくださいと主張した。

2012-06-23 23:15:43
しまなみ @shimanamis

岡村教授23 そして分かったことがある。2分半続いた最初の揺れで、これはとんでもない地震だと思って逃げた人はほとんど助かっている。大津波が来るまでに最低でも石巻、釜石で25分、仙台平野でも70分あった。それでも逃げてない。お年寄りが逃げてない。

2012-06-23 23:16:31
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