【ゾンサバ小説】軍人サークと小さな夢【1日目~2日目】

ゾンビサバイバルを題材にしてフォロワーの皆さんが楽しそうに遊んでいるので、 私もやりたい! と勢いだけで始めてしまった代物です。 6日目の結果を引いてから書き始めているので、ちょっとずるいですがご了承を。 あと、中二病注意。 続きを読む
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【1日目】

へっぽこぴーすけ @hpsuke

【1日目】今日のhpsuke:【戦闘】ゾンビに襲われた人間を助けるが、今度はそいつが食糧目当てで襲ってきた! 4のダメージ! 食糧:-2 http://t.co/Tpp89I0U 【体96食98】

2012-07-02 00:13:29
へっぽこぴーすけ @hpsuke

電気の消えた薄暗い基地の廊下をサークは駆け抜けていた。走りながら五感を研ぎ澄まし、左右のドアの向こうの気配を探る。この辺りにはすでに何者の気配もない。だが数十分前には地獄絵図だったはずだ。血痕は既に床を塗り潰すように広がり、時折人の腕や指先が落ちている。食べ残しだ。 1

2012-07-02 00:14:51
へっぽこぴーすけ @hpsuke

数々の戦場を経験してきたサークの記憶を辿っても、ここまで悲惨な戦場は初めてだった。両軍込みで数万の人間が命を落とした戦場なら知っている。兵士が民間人を虐殺した戦場も知っている。だが、ゾンビの食人現場なるものは知らない。頭を潰されたゾンビの死骸をまたぐ。血の匂いが強い。 2

2012-07-02 00:16:09
へっぽこぴーすけ @hpsuke

武器は全て使い果たし丸腰だ。その時、サークの聴覚は右手側のドアの奥の物音を拾い上げた。荒い息遣い…「クソ…クソ!」…理性のある言葉、人間の生存者か!サークは半壊したドアから中を覗き込む。小太りの兵士が半泣きの顔で、足首に噛み付くゾンビの頭を必死にナイフの柄で殴っていた。 3

2012-07-02 00:18:17
へっぽこぴーすけ @hpsuke

サークは部屋に突入すると、双方が何も反応できないうちにゾンビの頭を蹴り飛ばした。「グワッ!」弾みで男が呻く。サークはゾンビの体が動かなくなったことを確かめ、男に向き直ろうとした。瞬間、ナイフの切っ先がサークの左腕を斬る!「畜生!また新手の化け物かよ!殺してやる!畜生!」 4

2012-07-02 00:20:01
へっぽこぴーすけ @hpsuke

兵士は完全に錯乱している!「落ち着け。人間だ」「黙れ!俺は知ってるんだ!お前もすぐに化け物になるんだろ!どいつもこいつも裏切りやがって!」兵士は負傷した足首を庇いつつふらりと立ち上がり、サークにナイフを向ける。「どうせ化け物になるなら背中の食い物を寄越せ!この人食い野郎が!」 5

2012-07-02 00:21:28
へっぽこぴーすけ @hpsuke

仕方がない。サークが覚悟を決めたのと、兵士が飛び掛ってくるのは同時だった。型も何もない大振りなナイフの一撃!サークは最小限のダッキングでナイフを回避、すかさず顎に鋭いハイキックを飛ばす!兵士は顎をかち上げられ、のけぞるように背中から床へと倒れた。そして、そのまま気絶した。 6

2012-07-02 00:24:29
へっぽこぴーすけ @hpsuke

この状況で最初の負傷が、ゾンビではなく、まさか人間からだとは。サークは斬られた左腕を縛りながら薄く笑った。当面の目的は生存者の探索だったが、最初に見つけた生存者がこれでは、とても今は連れて歩けない。ナイフを探したが、どこかに飛んでいったらしく見当たらない。また武器なしだ。 7

2012-07-02 00:26:47
へっぽこぴーすけ @hpsuke

さて、他人のことよりまず自分のこと、武器が必要不可欠だ。サークは脳裏に武器庫への道を思い浮かべる。男は…迷ったが、置いていくことに決めた。餞別代りにレーションを一缶兵士の傍らに置き、気持ち程度に部屋を封鎖して廊下に出る。部下は誰か生きているだろうか。そんなことを考えた。 8

2012-07-02 00:28:18

2日目

へっぽこぴーすけ @hpsuke

【2日目】今日のhpsuke:【戦闘】銃を持った暴徒と遭遇! 食糧6を渡せば戦闘を回避できる。足りないか渡さないなら5のダメージ! いずれにせよ食糧:-1 http://t.co/Tpp89I0U 渡さなかったので【体91食97】

2012-07-02 00:30:59
へっぽこぴーすけ @hpsuke

どこまで走っても他の生存者は見つからない。だが、サークは妙なことに気付いていた。基地にいた人間の数に比べて、血痕の量がどうも少なすぎる。外から来たゾンビ共と激しい戦闘になったのであれば、より多くの犠牲が出たはずだ。実際犠牲は確かに出ているが、想定よりずっと少ない。 9

2012-07-02 00:32:58
へっぽこぴーすけ @hpsuke

可能性は二つ。兵士達が早々と基地を捨て撤退したか、彼ら自身が早い段階でゾンビになったのか。できれば前者であって欲しいと願いながら、サークは銃器の補給のために武器庫へと向かった。丸腰同然の今、最優先は身を守る道具の確保だ。だが武器庫に近付くにつれ、不穏な気配は高まっていった。 10

2012-07-02 00:34:21
へっぽこぴーすけ @hpsuke

不穏な気配の正体はすぐに知れた。外から入り込んだらしき男が4名、武器庫にたむろしていたのだ。また生存者だ。だが…彼らの足元には、あられもない格好の若い女性が転がっていた。すでに息はない。その様子を物陰から探りながら、サークは神を呪った。こんな連中しか生き残っていないのか? 11

2012-07-02 00:35:55
へっぽこぴーすけ @hpsuke

見知らぬ誰かを助けるような善意の持ち主は、余計な苦労を背負い込み、成程確かに早死にするだろう。だが――誰か一人でもいい、そういう奴がどこかにいないだろうか?一瞬、物思いに耽って気を緩めてしまう。あまりにもサークらしくない失敗だった。「誰だ!」鋭い一声に場が凍る。見つかった! 12

2012-07-02 00:37:22
へっぽこぴーすけ @hpsuke

多勢に無勢。同時に4個の銃口を向けられ、サークは観念して物陰から姿を現した。「安心しろ、人間だ」男達はサークの言葉に一瞬だけほっとしたが、すぐに気を引き締めた。「良かったぜ。俺達ぁもうあの化け物連中はこりごりだからよ」「そうだな」銃を突きつけられつつ、サークは同意した。 13

2012-07-02 00:38:42
へっぽこぴーすけ @hpsuke

「んで、お前はどこの誰よ」髭面の男が汚い口調で質問する。無視したかったが、この状況では無理だ。「この基地の軍人だ。まあ逃げ遅れだな。貴様達は街から来たのか? 街はどうなっている?」「質問してるのはこっちだろうが!」髭男が銃口をサークの顔に押し付ける。「なめてんのか、俺らを」 14

2012-07-02 00:40:05
へっぽこぴーすけ @hpsuke

「おい、落ち着け」ドレッドの男が髭男をなだめる。「余計な騒ぎは起こさん方がいい。ゾンビ共が来ちまうからな。それで軍人さんよ」ドレッドは上から下までサークの体を眺め回すと、にやりと笑った。「腕は怪我してるが、なかなかやるみてえだな。どうよ、俺達の仲間にならねえか?」 15

2012-07-02 00:41:33
へっぽこぴーすけ @hpsuke

「仲間?これだけ武器があれば、不穏分子など引き込まなくても大丈夫だろう」サークが尋ねると、ドレッドは首を横に振った。「確かに武装面は問題ない。だけど重要な物が足りなくて困っててな」「食料か」「その通りだ。頭も切れるな」ドレッドが笑う。「背中のバックパックに入ってるだろ?」 16

2012-07-02 00:42:58
へっぽこぴーすけ @hpsuke

「おい」ドレッドは仲間に指示し、サークのバックパックを検めさせようとした。「……」サークは男の目をじっと睨む。「それでだ。流石にこれだけじゃ足りないからな。他に食料の在処を知ってたら教えてほしいわけだ。俺達は食料を、お前は戦力と武器を得られる。悪くないだろ?」 17

2012-07-02 00:44:26
へっぽこぴーすけ @hpsuke

「悪くはないな。でも」サークは足元の女の死体に目をやった。「お断りだ」刹那、サークは前触れなく脱力した。すとんと体が真下に落ちる。突き付けられた銃口を、男達の視線を、バックパックに伸びた手を置き去りにし、サークは地に屈み込み、次の瞬間、脚力を爆発させる! 18

2012-07-02 00:46:16
へっぽこぴーすけ @hpsuke

真下から急上昇するブーツの先端がドレッドの顎をぶち抜く!同時に右手は髭男の銃を掴み、ぐるりと捻り上げる!ボキリと嫌な音!「ギャアア!」指の骨を折られた髭男が絶叫する。「てっ…め」残る二人が慌てて銃を構えるも遅い!サークは続け様にミドルキックを叩き込み銃を蹴り飛ばす! 19

2012-07-02 00:47:52
へっぽこぴーすけ @hpsuke

男達に反撃の機会を与えずサークは畳み掛ける。近くの男の頭を掴み、鼻面に強烈な膝をぶち込む。衝撃に崩れ落ちる男を見もせず、もう一人に突進し体当たりを仕掛ける!吹き飛ばされた男は壁に叩き付けられ、仰向けに床に倒れた。すかさず腹部を踏み潰すと、くぐもった悲鳴を上げて男は沈黙した。 20

2012-07-02 00:49:38