内田樹先生/民主主義の限界について

内田樹先生/民主主義の限界について
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内田樹 @levinassien

AERA原稿だん。小沢一郎グループ離党についての新聞報道の「斉一性」について。「反消費増税・反原発」という空疎な政策で民意におもねり選挙に勝とうとするのはけしからんという論評があちこちに見受けられました。

2012-07-04 12:56:19
内田樹 @levinassien

でも、「民意におもねって誤った政策を掲げる政治家」と「民意に反しても正しい政策を掲げる政治家」では、どちらが「よりまし」かという究極の問いに対して、あえて前者を選んだのがデモクラシーという制度の本質だったはずです。

2012-07-04 12:57:34
内田樹 @levinassien

民意に反しても正しい政策を実現しようとする政治家は強権的な上意下達の統治システムを作り出そうとします(そうしないと、バカな市民が「正しい政策」の実現を妨害しようとするからです)。

2012-07-04 12:59:35
内田樹 @levinassien

デモクラシーが僕たちに問うているのは、「強権的・上意下達的な統治システムが分泌する災厄」と「民心におもねった愚策失政がもたらす災厄」のどちらが「より耐えがたいか?」ということです。

2012-07-04 13:01:31
内田樹 @levinassien

「民意が『強権的・上意下達的統治システム』を選択した」というのが「耐えがたさ」の最悪の形態なわけですが、デモクラシーはこの「デモクラシー自身がデモクラティックな方法でデモクラシーの無効を宣言する」ピットフォールを回避する方法を発明していません。

2012-07-04 13:04:08