茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第646回「学校に行かないという、権利もあるんだよ。苦しかったら行くな」
- toshihiro36
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滞在中のイギリス、ブライトンは、今午前5時7分です。連続ツイート第646回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、昨日読んだ痛ましい事件について。
2012-07-06 13:07:47がけ(1)大津市で、いじめを受けていた中学生が自殺した。その後の警察、学校、教育委員会の対応が適切ではなかったと、ネットが炎上している。「自殺の練習」をさせられるなどのひどいいじめの内容が明らかになるにつれて、多くの人が義憤を感じているようである。
2012-07-06 13:09:12がけ(2)この事件について、いくつか感じること、考えることがあるので書く。まずは、「大人たち」、特に学校や教育委員会の対応について。このような時に、「事なかれ主義」や、「なるべく穏便に」済ませようとするのは、結局自己保身に過ぎない。それは、とても罪が重いことだと思う。なぜか。
2012-07-06 13:10:18がけ(3)そもそも、「義務教育」は、子どもたちに学校に行くことをいわば「強制する」制度である。来い、というのだから、その環境を整え、楽しいものにするのは大人たちの責務。自分たちが来いと言っているのだから、そこで何かトラブルが起こったら、自分たちの痛みとして感じるのが当然だ。
2012-07-06 13:11:34がけ(4)このような事件が起こる度に、「学校に行かない自由」がもっと認められていたら、と思う。アメリカでは、100万人を超える生徒が、「ホームスクリーング」で学んでいる。連邦最高裁によって「権利」として認められており、学業の達成度も、通常の教育を受ける生徒よりも良いとされる。
2012-07-06 13:12:57がけ(5)大津市の事件においても、学校に行くのが苦しくなったら、行かないで家で学ぶ「権利」もあるのだという認識が、本人および関係者の間に共有されていたらと思う。そもそも日本の教育は画一的過ぎる。それを推進しているのは文科省であり、教育委員会である。息苦しさは、大人のせいだ。
2012-07-06 13:14:37がけ(6)いじめと自殺との「因果関係」をうんぬんする向きがあるが、そもそも、人間行動という複雑なプロセスにおいて、クリアな「因果関係」が証明できるはずがない。それは不良設定問題である。「因果関係」をうんぬんするのは、結局、問題がなかったことにしたい卑劣な大人たちの浅知恵である。
2012-07-06 13:16:08がけ(7)「いじめ」自体はあったわけだから、関係する大人たちは、自分たちがこの少年に通うことを「強制」していた学校という環境が、かくも劣悪なものであったことについて、心の涙を流すべきだろう。「事実を確認できない」などと、保身に走る教育委員会の人間に欠けているのは当事者意識だ。
2012-07-06 13:18:06がけ(8)いじめた少年や、その親については、人間ならば当然心の痛みを感じているだろうから、ここでは書かない。日本の中学生が感じている「ストレス」はもともと問題である。偏差値という、意味のないもので受験指導され、コースが「選別」されていく。そんな学校の雰囲気に問題がある。
2012-07-06 13:20:02がけ(9)日本の教育は、文科省、検定教科書、教育委員会といった現状のシステムがもはや今の時代に適応できず、いずれにせよオーバーホールの時期を迎えている。関係者に、能力も情熱も足りない。すぐに能力がつかないにしても、少なくとも子どもの未来を育むものとしての情熱は忘れないで欲しい。
2012-07-06 13:21:43その後のツイート
教科書検定、話にならないんだよ。中身薄い、クリティカルな思考身につかない、小さく前にならえ、ちいちいぱっぱ、文科省の初等中等教育担当の人たちは、諸外国の教科書をきちんと勉強してほしい。
2012-07-06 13:33:23