基本情報
以下の報道に出てくる「甲状腺被曝」「甲状腺への被曝」「○○ミリシーベルト」などは全て「甲状腺等価線量」です。
「実効線量」とは違います。
2012年3月9~11日
事故後、4月まで浪江町に残っていた成人を、事故直後の3月12日にヨウ素を全て吸い込んだという仮定で計算すると87ミリシーベルト
2012年7月11日
小児甲状腺サーベイの結果1080人分を分析したところ、最大で42ミリシーベルト、平均で12ミリシーベルト
2012年7月12日
最大で87ミリシーベルトの被ばくがあったと公表していた結果を、福島県飯舘村のモニタリングデータに基づき、同月15日の午後1時~同5時の間に被ばくしたと条件を修正、再解析した結果最大で33ミリシーベルト
甲状腺被ばく最大で33ミリシーベルト 弘前大、福島の住民調査
弘前大被ばく医療総合研究所(青森県弘前市)の床次真司教授のグループは12日、福島県の62人を対象に、東京電力福島第1原発事故で放出された放射性ヨウ素による内部被ばく状況を調査したところ、最大で甲状腺に33ミリシーベルトの被ばくをした人がいたと発表した。
62人のうち46人の甲状腺から放射性ヨウ素を検出したが、国際原子力機関が甲状腺被ばくを防ぐため安定ヨウ素剤を飲む目安としている50ミリシーベルトを超えた人はいなかった。
床次教授は3月、62人が昨年3月12日に被ばくしたと仮定し、最大で87ミリシーベルトの被ばくがあったと公表していたが、福島県飯舘村のモニタリングデータに基づき、同月15日の午後1時~同5時の間に被ばくしたと条件を修正、再解析した。
調査は昨年4月、原発事故で福島県南相馬市から福島市に避難した45人と、福島県浪江町津島地区周辺にとどまっていた17人を対象に行った。
今回、未成年の最大被ばく量は23ミリシーベルトだったが、床次教授は、子どもは大人よりも影響を受けやすいとした上で「福島県は行動調査で被ばく量の多い子どもを特定し、健康支援をするべきだ」と提言した。
調査結果は12日付の英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載される。
(共同通信)
甲状腺被ばく量:弘前大チームが最高値下方修正
毎日新聞 2012年07月13日 02時05分
東京電力福島第1原発事故で放出された放射性ヨウ素の甲状腺被ばくを調べている弘前大被ばく医療総合研究所の調査チームは12日、福島県の住民62人の調査データを再解析した結果、内部被ばく線量が最高で87ミリシーベルトだったとする今年3月の発表を下方修正し、成人で33ミリシーベルト、未成年(17歳)で23ミリシーベルトだったと発表した。
同研究所の床次眞司(とこなみしんじ)教授らが記者会見した。住民が放射性ヨウ素を吸ったとみられる時間帯を、放射性物質の塊(プルーム)が同県飯舘村に到来した昨年3月15日午後1時から雨が降り始めた同5時までに限って再解析し、数値を修正した。調査は同県浪江町の住民と同町経由で福島市に避難した人の計62人が対象。
一方で、調査チームは成人の最大値を基に調査対象外の同県浪江町の子供の被ばく線量を推定すると40〜60ミリシーベルトになるとし「甲状腺がんを防ぐヨウ素剤の服用基準(50ミリシーベルト)を超える子供がいた可能性も否定できない」とした。【松山彦蔵】
2013年1月12日
甲状腺被曝、体内セシウムから推計 弘前大が考案
朝日新聞 2013年1月12日11時31分
東京電力福島第一原発事故による甲状腺の内部被曝(ひばく)を、セシウムによる内部被曝から推計する方法を、弘前大が考案した。甲状腺被曝を起こすヨウ素は半減期が短いため実測できた人はわずかしかないが、セシウムは数万人が検査を受けている。弘前大の手法を使えば、不明だった甲状腺被曝の実態解明につながると期待される。
ヨウ素による甲状腺被曝の線量が分かれば、甲状腺の定期検査などを積極的に受けるなど健康管理にもつながる。弘前大の床次眞司教授らは、事故1カ月後の2011年4月、原発に近い地区から福島市に避難した人たちの甲状腺の放射性ヨウ素の濃度を計測した。当時のデータを解析した結果、体内セシウムの濃度に対する比率がわかった。
床次さんは、11年8月末までに内部被曝検査を受けた浪江町民約2400人のデータの提供を受け、体内セシウム濃度から、年齢を考慮して、ヨウ素による甲状腺被曝線量を推計した。この結果、最大の推計では、0・9~18、中央値2・7ミリシーベルトだった。